「初期位置」リバー、流れないでよ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
初期位置
タイムリープやタイムループが大人気の昨今。全体的にユルい時間モノSFとしては上田誠、ヨーロッパ企画が一番得意とするところなのだろう。ちょっとややこしい設定などは劇中の会話で軽く済ませるところが好き。映画しか知らないけど、個人的にはやっぱり『サマータイムマシン・ブルース』が一番好きかも。
2分間という短い時間ながらもループする設定は各自が記憶を保持していることで成り立っていると感じるが、本来ならばもっと綿密に計画を立てるべきところだ。多くのループもの作品は主人公が死んで生き返るという原則があったように思うけど、その点日本の作品は平和的。ただ作家(近藤芳正)と猟師と刺された男が一度死んでいるけど、二度目は無かった。
面白いと感じる反面、ズルいと感じる設定も多い。デートしようと誘い、2分で打ち切りになったとしても、記憶を保持出来ることから時刻が変わらないだけで様々なデートを楽しめるということ。緊急会議で提案が途切れたとしても次の2分間で続きの話をすることが出来るという点だ。
ま、深く考えなくても真剣に前に進もうとしている被害者たちの姿は楽しく映る。雪の降り方積り方が極端に差があったことは考えなくてもいいのかな?単に撮影する順番や編集の仕方でこうなったのか?この作品が仮にハリウッドリメイクされたら、タクシーの事故シーンが何度も登場するだろうし、やはり低予算なりに楽しめるということでしょうね。タイムマシンの安っぽさは『サマータイムマシン・ブルース』にも通じるし、いいアイデアだと思います。
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