「原作ファンは割り切りが必要」劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト) エクセラさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンは割り切りが必要
小学生の頃から原作をこよなく愛する大ファンです。
今回の作品は原作を知る人からすれば幾分納得のいかない部分があるかと思います。
①アンジーとの戦い最後の香のセリフ
エンジェルダストの副作用の苦しみからの解放とはいえ、死を選択すること。
②海坊主の1対1戦闘シーンが無い。
先ずはこの2点が大きいと思います。
続いて挙げれば
③アンジーがパイソンを持つ理由が明確化されていない。
アンジーが慕う海原の銃はアナコンダです。
海原がアンジーに授けた銃がパイソンであった。という推察とも出来ますが。
④来生三姉妹とのコラボはまだしも、ルパンやユニコーンとのコラボ
まぁこれは今の時代からして仕方ない部分とも踏まえつつ・・・
等があります。
いずれにしても、「エンジェルダスト」という原作において重要なキーアイテムが使われる以上、本来ならば「獠」「香」「槇村」「海原(ユニオンテオーペ)」
4人の関係性・過去・想いなどが絡んできますが、殆ど深掘りしていません。
本来、これまでの映画版やTVSP版含め、原作の大半は、依頼者には過去や背景があり、獠や香と出逢い、運命を変えていくのがCHの流れであって、作品を観る際には、依頼者の背景に移入しながら、獠たちの活躍を楽しむものであるものが、「エンジェルダスト」の登場によって、獠視点への移入が事前に強くなりすぎてしまうと、今作のストーリーに違和感を生んでしまうかもしれません。ましてや原作ではミックという重要人物を登場させて、獠や香との深い関係を持たせ、ストーリーを進めていったために、尚更そう感じるかもしれません。
あくまで本作は、「アンジー」という1人の女性の強き想い、そして悲しき運命を描いたストーリー。
最終章と謳われている本編への入りのプロローグとして観直して考え直す方がいいと思います。
CHが大好きな者の1人として、次回作も楽しみにしようと思います。