「やはりこれは似て非なるもの」劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト) マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
やはりこれは似て非なるもの
シティーハンター
既に「キャッツアイ」で
ヒット作家だった北条司が
週刊少年ジャンプで
1985〜1991年に連載していた
コメディ・アクションシリーズ
累計5000万部を売り上げ
サンライズが手がけたTVシリーズは
新進気鋭のアーティストをOPEDに
起用しメディアミックスの
成功例のひとつであった
連載当初は少年誌にしては
あまりにハードボイルド過ぎて
人気が上がらず
北条司特有の清楚な美人に
遼が「もっこり」するなど
コメディ要素を盛り込んだところ
一気に人気が爆発したという
自分も小学生の頃から
平日18:00と言えば
シティーハンターの再放送
馴染みのあるシリーズです
リバイバル劇場版は前作は
配信で観ましたが
正直作画が劇場版?というクオリティ
に感じてしまったのと
やはり声優陣の加齢による辛さが
ありありという印象
TVシリーズをやらなくなった
ルパンの代わりにこれを持ってこよう
といった感じはわかるのですが
リメイクしたいのか
ノスタルジーでいきたいのか
ハンパな印象がありました
では今回はどうだったのか?
(やっと今作の話かよ)
予告等から作画クオリティはだいぶ
アップしているように感じましたし
原作でもキーポイント
だった「エンジェルダスト」を
持ってくるあたり本腰路線かな
という印象は持っていました
で実際観てみると…
①相変わらず劣化しか感じとれない声優陣
②TVスペシャルどまりの作画クオリティ
③コメディ・シリアス・ノスタルジー・お祭り
どうしたいのか中途半端で緩慢な展開
④キャラの性格変わってません?
という前作でも感じた違和感は
変わっていませんでした
①最近原作者総監修ってのもありますが
声優陣を刷新して大ヒットを飛ばした
「SLAM DUNK」を観ちゃったんで
おじいちゃん声になってる神谷明
ナレーション声になってる伊倉一恵
モヤモヤしっぱなしです
正直ここまでくると声優を替えても
批判は無かったのではと思ってしまいます
アンジー役の沢城みゆきさんら
新起用のキャラはすごかっただけに…
②前述通り向上こそしていますが
鬼滅やチェンソーマンのぶち抜けた
クオリティとは比較は厳しいところ
ミニのエンジン音がたぶん実車取り込み
なんじゃないかと思ったり
こだわりを感じるところはありますが
TVスペシャルならいいけどねって感じ
まぁ昔ならそうだったんでしょうが
劇場版じゃないと予算出ないんでしょうねぇ
③中盤ですごく意外な存在に遼がトドメを
刺されるシーンは笑いましたが
この作品はリブートの続編ですから
方向性を定めなきゃいけないと
思うんですがじつに中途半端
某天下の大泥棒出て来る必要
何かありました?
冒頭のキャッツアイといい
出しとけ感しかなくこういうとこも
TVスペシャルっぽいんですよね
④これは前作からですけど
自分からガンガン喋る海坊主に
違和感しかありません
香もあんなにのめり込むタイプでは
無かったと思いますし
冴子もお色気で遼をそそのかして
利用する定番キャラだったはずですが
全く使い切れていません
遼がもっこりもっこり言ってるだけに
なってしまいます
アンジーもイマイチ何がしたいのか
よくわからないし
ピラルクーとエスパーダも
特にエスパーダはクスリ使って
完敗してるのにまた戦う理由が
サッパリ分かりません
ほんっとキャラを使い切れてない
総監督は昔と同じこだま兼嗣さん
なのは分かっていますが
さすがにこれは熱量が
追いついていないと感じざるを
得なかったです
なんか…
忘れちゃってます?
前作新宿プライベートアイズが
ヒットしたことで続編が決まったのは
わかりますがなんだか終盤が急に
シティーハンター完結編みたいな
展開にしようとしてるのは
正直ポカーンでした
やりたいことと見せてるものが
ちぐはぐすぎやしませんかねと
熱心なファンではない自分でも
いやこうではなかったよねと
すぐ気付くレベルでした
前作がヒットして予算が出たのなら
いっそ全面リニューアルしてしまえば
良かったと思います
まあでもそんな勇気は
無いんでしょうねぇ
入場特典の北条先生の色紙風
イラストがもう昔のシティーハンター
どうだったっけ的な絵柄だったのが
皮肉でしたね
どことなく予想通りの出来でしたが
半年後くらいにやり出す
配信で観ればいいでしょう