劇場公開日 2023年1月13日

「本作の中の紫の50年 彼らの素晴らしい演奏を映画館の大音響で聴きつつ振り返っていると、何故だか自然と涙が溢れてきました」紫 MURASAKI 伝説のロック・スピリッツ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0本作の中の紫の50年 彼らの素晴らしい演奏を映画館の大音響で聴きつつ振り返っていると、何故だか自然と涙が溢れてきました

2023年2月6日
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鑑賞方法:映画館

沖縄では知らない人がいないほどのバンドです
しかし本土ではどれだけの人が知っているか、知る人ぞ知る伝説のバンドです

紫が結成されたのは1970年
そこに宮永さん、比嘉さんが加入して現在に続くメンバーになったのは1973年のこと
だから今年2023年は実質的な結成50年のメモリアルイヤーなのです
これが本作が製作されたきっけであると思います

だから、1972年の沖縄復帰前、まだ沖縄が米国占領下にあった時代の説明から本作が始まります
米軍嘉手納基地から毎日B-52 戦略爆撃機がベトナムに向けて出撃していた時代です
沖縄には米兵が溢れ、米国基地のゲート付近には彼ら相手の歓楽街が多くあったことから語られます
そこにはライブハウスもあり、米兵相手にロックバンドが演奏していたのです
その中から紫は生まれたということを導入部で触れるのは納得の構成です
それを当時の映像で説明してくれたのはとても嬉しいことでした

自分が沖縄を訪れてコザまでいったのは1986年、1992年の2回だけ
その頃にはもうすっかり残り香を微かに感じるぐらいになっていましたから

紫を初めて知ったのは、1975年88ロックデーの録音をラジオで聴いたとき
ノックアウトさせられました

その88ロックデー出演のことも映像で触れられます

自分が初めて彼らを実際に観たのは、確か1976年の早春ごろ、池袋のヤマハでミニライブがあったときのことでした
まだファーストアルバムがでる前のことだったと思います
あの紫が沖縄からやってくる!
慌てて駆けつけたものでした

わずか数曲だけの演奏でしたが、強烈な印象がありました
ディープパープルよりもパープルらしい!
オリジナル曲もまるでディープパープルが作った曲のようだと感動したものでした
当時の日本の他のロックバンドとは隔絶した高いレベルで、既に世界と肩を並べられるレベルのバンドだったのです

本作はそのときの興奮を遥かな時を超えて蘇らせてくれました

その後の全国ツアーのことも詳しく紹介されます
当時ファンクラブの会長になった女子高生が登場します
自分もまだ高校生でした

それから解散、再結成、新メンバーのJJ 、Chrisの加入
旧メンバーのその後、新メンバーの紹介、バンドの現況が紹介されます

ジョージ紫のことは特に感銘をうけました

また沖縄の人々、ミュージシャン達に取って紫がどんな存在であるのか
本土のハードロックバンドにとってもどれほど巨大なインパクトと影響を与えたのかも紹介されます

本作はドュキュメント映画であり、ミュージックビデオではないのだから、彼らの楽曲をもっと沢山フルで聴きたくてもこの程度で我慢しなくてはなりません
それが唯一の不満でした

本作の中の紫の50年
彼らの素晴らしい演奏を映画館の大音響で聴きつつ振り返っていると、何故だか自然と涙が溢れてきました

もう長いことロックをまともに聴いていなかったけれど、本当に自分はロックが好きなのだ!
ディープパープルが好きなのだ!
そのサウンドを継承した紫のサウンドが大好きなんだ!

そして自分の50年
あの頃あの時何をしていたのかと
そんなことが渾然一体となってわけのわからない感動の涙になったのです

紫のファンなら当然
ディープパープルやハードロックのファンもマストの映画です

紫をまた聴こう!
ディープパープルそれも第1~3期のレコードも聴きたい!

普段はR&B や古いsoul 、ジャズばかり聴いていても、やっぱりハードロックが大好きなんだ!

それを思い出させてくれた素晴らしいドキュメンタリー映画です

あき240