「闘いは続く」戦争と女の顔 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
闘いは続く
第二次世界大戦終了後のレニングラードにて、戦争による心身の傷を抱えた2人の女性を中心に、戦争の悲惨さ、虚しさを描いた作品。
本日ワタクシ、戦争映画2連続鑑賞の第2段。
女性兵として戦場に残ったマーシャの息子を預かっていたイーヤだったが、戦争のPTSDにより、時折意識を失ったかのように硬直してしまう。その症状が原因で、預かっていた子が・・・。
戦争の悲惨さを描いた作品は数あれど、勿論戦後も「闘いが終われば何もかも終了」とはいきませんよね。2人の女性を通し、その苦悩が非常によく描かれていた。
その2人以外にも、特に気になったのはステパンと奥さん。作品的には、マーシャがお医者さんに迫るキッカケとして描かれていた部分もあると思うが、彼らにも同じ重さの物語があるんですよね。
「守られる側には・・・」の言葉には胸が張り裂けそうになった。
そんなステパンを「助ける」イーヤ。さらりと描かれているようで、この決断も重すぎる。。
そしてマーシャからイーヤへの依頼。院長と・・・。いくらなんでもこんなのは哀しすぎますね。
サーシャの家での一幕も印象的。もはやマーシャは普通の生活を望む心すらなくなってしまったのかな。
当然ながら直に戦争を経験しておらず、男性の自分には彼女らの気持ちを完全に知ることは到底不可能ではあるのだろうけど、戦争とは闘いが終われば終了・・・ではないんだなと改めて思わされた、哀しさ、虚しさを教えてくれた作品だった。
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