エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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すべての人を全力で受け止める優しさ
人間の目に見えない、でも誰しもが抱える寂しさ、後悔、愛情といった抽象的な物事を、マルチバースという抽象的な概念の世界で具現化させるこの映画の構造が本当に素晴らしい。一見ただのカオスだけれど実は人の感情をマルチバースという虫眼鏡を通して魅せていくという。全く新しい映像表現。こりゃアカデミー賞も納得だという気になりました。 ストーリーなんかよく理解出来てないのに、気づいたら正体不明の涙がポロリポロリと溢れ出た。心にモヤモヤを抱えながら必死に生きる人達を全力で受け止めて抱きしめる。本当に優しく愛情に溢れた映画だなと思いました。僕は大好きです。大切な一本。
奇抜で突拍子もない話
コインランドリーを経営する女性が、何故か多次元と繋がり、宇宙を滅ぼす程の悪と戦うことに。 別次元にいる自分から特技や能力を貰って戦うのに、敢えて奇妙な行動を取る必要があり、かなりシュールでした、、。 コメディ多めですが、カンフーアクションはしっかりと迫力あるものになっています。 マルチバースと自分のいる世界とを行ったり来たりするので展開は掴み辛く、好き嫌いは分かれる気がしました。 別の選択をしていれば別の運命があり、 その中には、世に言う成功者との幸せがあったかもしれない。 この世界の自分が別次元より冴えないものだったとしても、物事の良い面を見る、家族との繋がりを大切にする。 そんなメッセージ性がラストの場面から伝わってきました。
良かったとは思えども、慣れるのにやや時間がかかったかも
久々にキー・ホイ・クァンの健在ぶりを見たさに行った感じだったので、その点は満足しました。 彼は終始良かったと思います。 ミシェル・ヨーもよく頑張ってこなしてて凄いと思った。 しかし、前半は馴染んでくるまで、掴みまでにちょっと時間を要した感じでした。 独特の世界観が理解できて、それに入っていけるのに手こずりました。 それと、SF調の娯楽作と思いきや、3世代の家族や親子や夫婦間の過去から現在までに至る行き違いや愛情等をメタバースで、「もう1人の」どころか多次元の自分や家族それぞれの“分身”らとの関わりを通して理解を深めたり、過ちの修復を図っていくみたいなお話で、ちょっと想像と違ってました(事前情報殆ど無しで観たので….) 後半、テンポも上がって来て面白いですが、やややり過ぎ感もしたのと、その割に(説明がましい?)セリフが結構多くなってしまっているのがちょっと疲れて来たかも。 まあ、「いちばん描き(訴え)たかったのは何か」をボヤかしてしまわないようにしつつ?娯楽作としてもバランス良く作り上げるのは難しい作業だったでしょうね。 よく出来た作品だったと思います。 逆に、アカデミー賞を殆ど総なめ状態の結果だった事で、ちょっと過度に期待し過ぎてしまったかも知れません(個人的に)。 強いて言うなら、「シン仮面ライダー」でもちょとだけ感じたことだけど、コッチは更に“盛りすぎ”なんじゃ無いかと。 本筋とは直接は関係ない(絶対的に必須とまでは)“情報”を潜在させる風潮も、度を過ぎると「オタクの祭典」とか「マニア度チェック(自慢)大会」と化し、フツーに映画を楽しみたいというスタンスの客層(年齢層も)から拒絶反応起こされる事を危惧します。 蛇足ながら、こうした手法についてちょっと考えてみて、あえてこうした作風を取って賛否を巻き起こすことやオタクネタをてんこ盛りする事でSNSで二次的に発生する「炎上」を意図的に狙ってのやり方かな?、とか、わが国でも若年層には日常化してると考えられる“タイパ”について考えるとこの映画だとさぞかしそれは難しい(全体倍速じゃ困難)だろうなど、余計な事がアタマに浮かんできちゃったりして……(笑) しかし、ミシェル・ヨーに負けじとアクション・シーンもこなしてたキー・ホイ・クァンには、今後もますますの活躍を祈りたいところです。 この作品の最終的評価自体は「女王陛下の007」、「恐怖の報酬」、「遊星からの物体X」、「ブレード・ランナー」、「グレート・ブルー」、「リーサル・ウェポン(日本で)」といった、公開当時の時代には大衆から拒否反応されてオオコケして打ち切りの憂き目にあいながら、後年評価がひっくり返って現在は“早すぎた名作”のように言われる作品のようになるのか、興味深いところです。 (これらは全て劇場公開時に観ておいて良かったと思った作品なので。)
革命的‼️
仮想世界を描いた「マトリックス」、夢の世界の「インセプション」、そしてマルチバース(平行世界)のエブエブ‼️アカデミー賞作品賞受賞おめでとうございます。この作品は「スパイダーマン:スパイダーバース」と並ぶマルチバースの傑作‼️監督のダニエルズみたいにアイディアに溢れた人たちがたくさん出てくれば映画界の未来は明るいと思います。
ギャグ映画
メインキャストの二人はさすがですが、内容はくどすぎて、観るに値しない!ただその斬新さが、アカデミー会員に目新しかったのかも。パラサイトもそうだけど、アジア映画の質が問われる、残念!その点、ドライブマイカーは何か心に沁みたなぁ
アカデミー賞発表の前に観ていたらどうだったのだろう
昨日映画館に行った後に「これはしまった。アカデミー賞発表の前に観れば良かった」と思った。鑑賞中も、何だかその評価が頭から離れずに完全に没頭できなかった。 全体としては私の中で「破滅的表現」というジャンルに分けられる映画で、特に好きなのは「カンフーハッスル」と「マッドマックス 怒りのデスロード」。ただこれらもハチャメチャな中に、どこか芯の通った映像的な美学がある。しかしこの映画はそのあたりが少し苦しい、というかあまり好きではない部分がある。 アカデミー賞受賞作品に対して偉そうにいうと、もう少し丁寧な映像表現やモチーフで支離滅裂な世界を描けなかったのかという気持ち。お下品でもよいし、場面がガチャガチャしていてもいい。けれども、ちょっと安っぽくないだろうか。それが狙いだとしても。 ちなみに、おじいちゃんは広東語と標準語少し、お母さんは標準語と英語、娘は英語だけを話すことができて、おじいちゃんと孫はうまくコミュニケーションがとれないという、中国三世代家族あるあるを表現しているのは良かったです。これらの言語をもう少し理解できていると、もう少し深みを感じたのかもしれません。 アカデミー賞発表前だったら、自分の評価は3.0だっただろうか、それとも4.0だっただろうか。映画を鑑賞するタイミングって大事ですね。
ベーグルウーマン
パラレルワールドの自分から力を借りてカンフーなどでバトる母の話。 斜め上なギャグや幾重もの空間の場面転換により、せわしなく感じられることも多い。 LGBTがテーマだが、加えて下品な要素を扱っていることにより評価が分かれやすい作品だと言える。 良い点 ・戦うおばさんが主人公 ・シーンや風貌の多さ 悪い点 ・パラレルにより話が分かりにくい
命題は哲学、おまけとしてのマルチバース
まず、監督の手腕が凄いということをお伝えしたい。 本作は予告でも言われてる通りカオスな映画でコメディ強めでやりたい放題。前半マルチバースを使ったアクションやユーモアが次々に炸裂する。 しかし、これだけ時間を使ってごちゃごちゃやっておきながら、後半ちゃんと伝えたいメッセージまでゴリ押しでまとめ上げる脚本と監督の技術が凄い。カオスはカオスでも、全て計算されている巧妙に練られたカオスで、これだけズバ抜けた作品は今後出ることは当分ないだろう。 次に、カンフーアクションが凄い。 凄いと言ってもジョンウィック的なテクニックやかっこよさというより、アクションがこの作品を王道にのし上げている要素の一つになっているのが凄い。 おそらくマルチバースだけでは哲学的な映画となりうるし、キューブリック作品のような難解だからこそ名作とされているものに分類されてしまう。 しかし、アクションが充実していることで哲学的な要素はありつつも面白さが単純化されて、気軽に見ることができるところまで変化させている。 他の作品でいうところの『アベンジャーズ シビルウォー』が近いだろう。正義の行方という哲学的な命題がありつつもヒーローアクションものとしても楽しめるようになっている。 また観てみたいので星5.0とする。 余談にはなるが、アカデミー賞作品賞を受賞していることに対して、評価が分かれている。評価基準を疑う人も出てきているが、私はアカデミー賞の審査員に対する評価がグッと上がった。今までアカデミー賞作品賞は暗黙的に世界情勢に対する問いかけが必要な作品とばかり思っていたが、単純に面白い作品もノミネートされたことで、ちゃんと映画そのもののあり方を大きく捉えながらも良い作品を選んでいるのだと安心した。
バカバカしさで好き嫌いが分かれそう。
カンフーとマルチバース(並行宇宙)だけでなく、『リック・アンド・モーティ』などのいわゆる大人向けシュールコメディーカートゥーンに近いノリが全体に漂っているように感じました。 マルチバースから力を取り出すために突飛でバカバカしいことをやる必要がある、という設定が出てきた時点でこれはそういう作品なのだと理解しました。 カンフーやマルチバースの不思議な力を含んだアクション部分はとても素晴らしく見ごたえがあります。ストーリーは感動的な良い話でも無ければ、なにかすごい気付きがあるような話でもありません。そこに過度な期待はしないようにしましょう。 映倫の区分が「G」になっていますが、微妙に過激で下品な下ネタも出てくるので、子供連れやカップルで見に行くなら注意したほうが良いと思います。 NetflixなどのVODに入ったら次は自宅でゲラゲラ笑いながら鑑賞したいですね。 主人公の旦那さんのキャストをずっとジャッキーチェンだと思って見てましたが、似てるだけでぜんぜん違う人だと後から気づきました。
そろそろアジア人にアカデミー賞やっとくか
懐かしのキー・ホイ・クァンと素敵なミシェル・ヨーが見たくて見に行きました。約40年ぶりに観たキーは素晴らしかったです。マルチバースの自分をたくみに演じ分けており、アクションもかっこよく、全盛期のジャッキー・チェンを思わせます。こんな良い役者を「白人じゃない」と言うだけで起用しないなんて。アメリカ映画界は大変な間違いを犯しましたね(今も進行中?)、大いなる損失ですよ。アメリカにはこんな隠れた名優がたくさんいるんだろうな。切なくなります。 ストーリーは私には難解で、途中までやや退屈しながら、おもに映像を楽しんでいました。でも終盤に心打たれる展開が。退屈なパートはこの展開に繋げるための壮大な前置きだったんだなあ。でも英語字幕だったので細かいニュアンスがわからなかっただけかも。配信やレンタルで吹替版が登場したらまた見るつもりです。 面白かったし、こころ打たれました。でも人にお勧めするほどではないかな。キーやミシェルはすごくよかった。でもこの映画そのものは他のノミネート作より抜きん出ている感じはしません。なんとなく「ポリコレにうるさいし、そろそろアジア人にアカデミー賞やっとくか」と言う思惑があったように感じられてなりません。穿ちすぎかな。
ちゃんと話をすれば、人はわかり合える、というだけのことを癖強すぎに...
ちゃんと話をすれば、人はわかり合える、というだけのことを癖強すぎに描いた作品。 途中、謎の下ネタ推しタイムが来る。 長いんだよ、微妙に。大学生がおかしな気合入れて撮りました的に。 SFって言っていいのか、これ?
合わない映画
A.D.HDの母親と、娘や夫との物語なのだと最後まで観たらなんとなくわかった メッセージがあるのだろうけど、わかりづらい 現実の話なのか空想の話なのか分かりづらくて、ストーリーについていくのが大変 馬鹿馬鹿しさは文化の違いも感じるくらい馴染むのが大変 アカデミー賞作品賞を受賞したから観に行ったが、そうでなければ途中で退席していたかも
世界論、宇宙論、映画論
なんの前提もなく、ただアカデミーをとったという理由で見始めたのだった。 最初は、娯楽SFが、なぜアカデミーを取ったのかよくわからなかったのだが、 ここには「壮大な」物語が用意されていたのだった。 そしてこの壮大さとは、陳腐さと滑稽の裏返しであり、極めて矮小な世事のことでもあった。 あえて小賢しく言えば、 Everything Everywhere All at Onceの意味するのは、矛盾的総体の世界である。 これは時空を含めてのことなのだが、それをどのように描こうとするのかということだったのだろうか。 だから、いくら言葉を尽くしても言い表せないものがあるし、また世界がある。 それは、今を形成している重層的であり多層的な、これもまた無限な彼方にある可能性から現実化した今である。 それがEverything Everywhere All at Onceなのだ。 ありていに言えば この現実化されている世界はモナドそのものだ。我々はなんら窓を持ってはいない。 だから、事柄の、出来事の繰り返しなど本来はないものであり、そこにただひたすらに道筋を作り合点したいと思うだけだ。 ・・・などと・・ 相当なものが盛り込まれていただけに、解釈もてんこ盛りになりそうだ。 おそらくは日常の「世界」はI have no story.と言えるようなものなのだろう。 Roman holidayのようなThere is no story.なのだ。 しかし、だからこそ、そこに描ける現実「世界」はまた「別様に実在する」世界だとも言える。それを相違させてくれる映画でもあった。
これはエイプリルフール作品だったのか!?
こちら第95回アカデミー賞において作品賞、主演女優賞ほか7部門も受賞したことでニュースになりまりましたね! ところがいざ作品が始まると、珍妙なストーリーと中途半端なカンフーが繰り広げられるという有様で、これでよくアカデミー賞をもらえたなぁと信じられませんでした・・・。いや鑑賞した日がエイプリルフールだっただけに・・・。 ストーリーは一昔前の日本の漫画やアニメに沢山あったパラレルワールド+スキル入手系の展開であるし、とある家庭の母と娘の確執が世界の命運を決めるというラノベによく採用されたセカイ系のプロットとなりこれで脚本賞いけるのかと逆に驚くほどです。 アクションシーンに関しては、ジェット・リーやドニー・イェンの作品と比べてしまうとほぼお遊戯に等しいですね。もしやパロディ的な狙いがあったのかもしれませんが、実はそこまで笑いもとれていないので意図がわかりません。 もっとクォリティ高い作品かと思っていたので、ちょっと辛口となってしまいスミマセン ○┓。
クレヨンしんちゃんの洋画版?
見る前にクチコミを少しみたら不安になってしまい見るのをやめようかと思っていましたが、あるクチコミにクレヨンしんちゃんみたいって書いてるのをみて、そんな感じで見ましたが、まんまそんな感じで見ると、急なマルチバースも急な別世界の人格も急に変な事をしだすのも全然受け入れられて、結局ストーリーは家族愛ってところもしんちゃんっぽくて非常に面白かったです。
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