「中盤まではダレるがラストが秀悦」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス rakoponさんの映画レビュー(感想・評価)
中盤まではダレるがラストが秀悦
中盤まではこれがアカデミー作品賞?と疑問だったが、ラストの回収で唸った。
母と娘のいざこざを描くにしては、母と娘のシーンが少ないのであそこまで感情がこじれる経緯が掴みにくいが、結局はどの親子にも起こる思春期の葛藤ということで理解した。過ぎたものからすればあるあるだが、渦中の当事者からすれば親はこの世を終わらせたいほどウザいものだ。
とはいえ、同性愛の理解に努める、メインユニバースにいるエヴリンはそこまで悪い親には見えなかったが…。
そしてラスボスといわれるゴンゴンも、そこまで家父長制を振りかざすシーンがなかったので、モラ父としてはやや弱い印象。
エヴリンの恋を認めず、「娘じゃない」と突き放した過去があったようだけどその割には今も交流があるようだし。
コメディだが、笑いの方向性がやや下品なので、作風が合わない人はもうダメだと思う。
個人的には岩のシーンが哲学的で好きだった。
また、アジア人映画として快挙で、こういうダイナミックな多元宇宙をテーマにした作品の主演を女優がはってるのも素晴らしいが、スタッフを観るとまだまだ男性ばっかりなのね、と思った。
この辺はまだアジアの方が遅れているので仕方がないか。
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