「ミッシェルヨーがすごい」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
ミッシェルヨーがすごい
今回のアカデミー賞はアジア勢が大活躍!
米国アカデミー賞作品賞・監督賞受賞で、ミッシェルヨーが主役で、カンフーの上手いジャッキーチェンのそっくりさんみたいな俳優さん、あれ誰だろ?と思ったら、グーニーズやインディジョーンズに出ていたベトナムの少年「キーホイクワン」さんだというではありませんか!!
カンフーアクションの役者さんになってたんだ!とびっくり。
ミッシェルヨーが「普通のおばあんがマルチバースのなかで覚醒してスーパーヒーロー化する」というのも、なんだかおもしろそうだったので、早速「グランドシネマ池袋」IMAXで観てきました。
はっきりいうと「B級映画」でした。
「アニマルハウス」や「ポーキーズ」を観たときのような、ワルガキ感満載なテイストで、今の時代、こういう作品がもとめられているのかと、へえ!とおもいました。
カメラワークも映画館の巨大なスクリーンで観てもらうためのカットではなく、WEBやネット映画にする前提で作った映画だなあという印象。
ただすごいのはマルチバースを行ったり来たりして、それぞれの世界を往来してハチャメチャになっていくという構想は、最近の映画やドラマでは珍しくないものの、2011年から構想を温めてきたんだそうで、ミシェルヨーさんの主演が決まって、ビシッとキマッたなと思いました。
ミッシェルヨーさんがくたびれた初老の女性を演じて、そこからマルチバースの中で覚醒して最強カンフーウーマンになるというのがあ最高!!
この作品、「シャンチー」を観たときに感じた残念感、
中国のカンフーのヒーローという割に、香港アクション映画の良さが反映されてない
ジャッキーチェンがいない
少林サッカーの方がコミカルで「漫画チック」で高度のカンフーシーンがたくさんあった
もっとミッシェルヨーがみたい!
本場香港のカンフーアクションをハリウッドで作りました的な作品を作ってほしい
等々、ハリウッドにも私と同じように感じた人がいたのではないでしょうか。
「中国人のカンフーの達人がマルチバースで大暴れ」という、マーベルのチャイニーズアクションに物足りなさを感じていたところに、このエブエブ。ちょっと下品な描写も多くて、あれでしたが、「マーベルシャンチー」に本場中国のアクションを、ミッシェルヨーという大看板でいどんでくれて、シャンチーに感じた不満を解消させるべく生まれた作品なのかもしれないし、とはいえ下品な描写が多い。
トム・クルーズとキャメロン監督がアカデミー賞を欠席した理由がわかる気がしました。