「ノレなかった者の愚痴」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)
ノレなかった者の愚痴
本年のアカデミー作品賞の最有力候補作品というこで実は公開して早めに観に行ってたのですが、体調が悪かったのか眠くて眠くて(所々寝オチてしまい)かなりボヤケタ感覚での鑑賞になってしまいました。
なので、感想を言う資格はありませんので話題に挙げるのを我慢していたのですが、そうこうしているうちに本作がアカデミー各賞を席巻していました。
日本での一般評価も賛否分かれている様ですし、予告編までの感想位は許してください。
で、予告編ではまたマルチバースで、また中国人メインのポリコレアピール作品かよ、ってちょっと嫌な予感がしてあまり観たいという気持ちにはならなかったのだけど、しかし本作の場合マルチバースと言っても当然MCUの様な作品ではないだろうしA24制作だし、アカデミー作品賞最有力候補としてのアメリカでの高評価からすると当然それなりの通(若しくはインテリ)好みの捻った作品なんだろうと少しは期待してもいたのですが、残念ながら冒頭からノレませんでした。
最初から物語の芯は、よくある家族の再生と、こんな筈ではなかった自分の人生の見つめ直しという予想通りの展開に、いつの間にか瞼が落ちていたという結果でした。
しかし、やはり私にはアカデミー賞の判定基準や傾向は読めませんわ(苦笑)
まあ、なんにしても頭がクリアな状態での鑑賞では無かったので何を言っても無意味なのは分かっていますが、昔からアメリカ映画には人種差別・PTSD・LGBT・ポリコレ等々の社会問題を含んでいなければ評価しない様な権威が見え隠れしていて、それが映画の本質的な部分なのか、枠組みや意匠なのかが曖昧であざとさまで感じられる時が多々あります。
本来そういうものは(社会問題)、アカデミー賞に選ばれるような作品にではなく、大衆向けの例えばMCUとかDC作品の様な純粋娯楽作品の中にメッセージとして隠されていた方が好感が持てますし、大衆にはもっと効果的に浸透すると私は思うのですけどね。
権威のある賞であればあるほど、あからさまな社会性ではなく、人間の本質に深く切り込んだ作品選びをして欲しいと一映画ファンとしては願ってしまいます。
なので、配信などで放映されればもう一度再チャレンジするとは思いますが、作品の質は別にして恐らくちゃんと観たとしてもそれほどノレない様な気はします(爆)