「あれ?なんだか分かりやすい」あなたの顔の前に バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
あれ?なんだか分かりやすい
「イントロダクション」観賞後に連続で。なんともストレートなドラマで、意外や意外。そして演者さんたちの素晴らしい演技もあり、非常に、ひっじょーーに切ない女性の人生ドラマに胸が締め付けられたのです。
僕が見てきたホン・サンス作品は鑑賞中に必死に足りない頭を回転させて行間を埋めていたのですが、本作は主人公サンオクの行動理由を見極める程度(結構早めに理由はわかると思います)であとはサンオクの気持ちに寄り添う、、、そんな作品でした。
なぜサンオクは「自分の顔の前にある(起こること)ことだけが真実」と言うのか?それを解き明かすような短期間ロードムービー的な構成。妹のところで過ごしている間のいくつかのエピソードでサンオク自身が何者で?なども含めて徐々に明らかになってきます。そして切ないラストまでゆっくりとゆっくりと語られていきます。
監督特有の演出なのでしょうが、会話の長回しシーンが印象的です。「逃げた女」の時もそうでしたしね。だからこそ映画監督とのシーンを経てのラストは胸に染み入るんです。そしてその肝心のラスト。どう見るか?ですよね。非常に切ないシーンです。「自分の顔の前〜」の主義に外れた自分、希望を持ってしまった自分への自虐なのか?本気にした相手への嘲笑なのか?なんにしても、これが目の前で起きてることであり、真実であるということが、切なくやるせない、、、そんな一本でした。
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