「友情と兄妹愛に守られて」ブラック・フォン bionさんの映画レビュー(感想・評価)
友情と兄妹愛に守られて
70年代が舞台で、少年が主人公っていうから、『ストレンジャー・シングス』や『IT』みたいなテイストを想像していたが、近いようで、ちょっと違う。ホラーはホラーなんだけど、ファンタジー色が強く、グロイ描写が少なくてストーリーを楽しむ作品に仕上がっている。
昭和生まれの僕でさえ、記憶の彼方に行ってしまったダイヤル式黒電話が物語の鍵を握る。黒電話って、死んだ人からの電話とか、過去からの電話とかがあっても受け入れてしまう。そういう雰囲気を醸し出すアイテムで、ホラーにはうってつけ。
その黒電話に加えてフィニーの妹グウェンは、母親譲りのスピリチュアルな能力を持っていて、実際に起きたことやこれから起きることを夢で見ることができる。グウェンが、いじめられている兄貴を必死で助けるシーンは、グッとくる。
フィニーをいじめっ子から救うメキシカンの同級生ロビンは、めちゃくちゃカッコいい。街の住民を恐怖させる「グラバー」をロビン達と追い詰める、そんな物語を予想していたが、ああなってしまうとはね。
グラバーの手にかかった少年たちに鎮魂の祈りをしたくなる、そんな物語でございました。
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