ロストケアのレビュー・感想・評価
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正解はない。
気づいたら泣いていた
正義や救い、そして家族の絆というのは時に身勝手でやるせない。片側一方通行の善、その形の危うさが未来の日常を作っていると思うと不安しかない。穴に落ちてしまった人間は、もがき足掻いて力尽きて、ただ悲観にくれるしなくて、その穴に入ったことがない人には理解も想像もできないのだ、と言った彼の目が忘れられない。他人事じゃないから胸が痛い。
穴に落ちる者、穴を無視する者、そして、そんな穴を無いものとして蓋をする国。しかもその蓋は布切れ一枚で、いつ誰が落ちてもおかしくない状態。
俳優たちの静かな演技と言葉に引き込まれました。柄本さんや戸田菜穂さんなど、それぞれの立場から発せられた叫び声が耳から離れない。
泣ける映画と宣伝して泣けない作品は五万とあります。気づいたら泣いていた、という作品こそが秀逸なんだと思います。まさにそんな素晴らしい作品でした。
そして、主題歌の森山直太朗さん『さもありなん』に癒されました。
社会の穴
ケアをロスト
胸クソが悪くなった。それは老人介護の現実を見せられて…ではなく、この作品の指し示す方向についてだ。この展開とラストでは、介護疲れで要介護者を殺すことに正当性を与えて、親を介護施設に入れることが罪であるように思え、こんな大変な現実がありますよという話を通り越して、日本人の自己責任論・意識をさらに強化するよう働きかけているように見える。成田悠輔が老人は集団自決しろと言ってるのと何が違うのか。
生活保護申請が却下されるシーンがあるが、サラッと流される。そんな行政に不満の声を上げ政治に解決させる、足りない部分を民間でフォローするというのがつらい現実に立ち向かう方法だと思うけど、ケン・ローチだったらそこにアプローチするはずなのに、本作は家族の絆を持ち出して殺人でお涙頂戴にもっていく。うんざり。
そう思うと映画の作りもひどく見えてくる。ラストで父を殺めたことに泣いたマツケンが、そもそもなんで自首せず41人も殺すことにしたのか。正常な判断能力がないほど認知症の進んだ柄本明が息子へ感謝の言葉を書いた折り鶴をもってるとか、大量殺人犯に父親を見捨てた話をする感情的なマチャミ検事とか、マツケンが殺人犯と知って同僚の若い女が騒いで室内の飾りつけを破るとか、さらになぜか風俗落ちとか、作り話にしても安すぎるよ…。
今どき誰でも知ってる介護の現状を追認し、最も安易な方法を想起させてるようにしか自分には思えないわけで、高評価がついてることにまた暗澹たる気分。すべてうまくいきますようにの感想で触れたけど、PLAN75の制度といい、なぜ社会が個人を死に追いやろうとするのか。老人になるのが心配なら、すぐにシニタイヤツハシネばいいのでは。
ミサイル買ってる場合じゃない。
去年見たジェシカ チャスティンとエディ レドメインが出てた「グッドナース」という映画(ほぼ実話)を、法廷に軸足置き、日本の介護、貧困問題に落とし込んだストーリー。
マツケンや坂井真紀みたいな上手い人のなかで長澤まさみがどう頑張るか興味が有って観に来た。
感情的になる部分は良かったけど、いつも通り真面目な部分で硬さ、不自然さが感じられた、、もう少しなんだけど惜しいなぁ。見てる私の問題、先入観かなぁ、、、。
日本の介護問題、低所得者問題をリアルに描けていたと思うが、、、、こんなのあり?的な地方の検事事務所での取り調べや、そこの机インテリアが妙にオシャレなのがずーっと気になってしまった。
実際に身の回りでセイフティーネットに引っかからず、穴から這い上がれない人を何人か知っている。
自己責任で片付ける事が出来ない状況を「プラン75」みたいな解決策を選択する世の中にはならないでほしいと思う。
ミサイル買ってる場合じゃないのよ。
リアリティが感じられない
作為的な演出というか、観客の感情を誘導しようとする意図を感じてしまう。
まず、引っかかったのは、斬波の父親が認知症の症状がかなり進んでいる段階で、「自分を殺せ」と息子に言っている点。リアリティを薄めるより、貧困と疲労の極限で父親を殺めた。その方が介護の現実として突き刺さる。
それと、後輩の若い介護士。斬波が逮捕されたことを聞いて、狂ったように暴れまくった上に、風俗に闇堕ちするってどういうこと?
斬波の殺人を知ったら、怒りじゃなくて、絶望で茫然自失でしょ。そこは百歩譲ったとして、風俗嬢の待機所でやさぐれた表情を見せる意味が全く理解できません。
高い評価に水を差すようですが、ノイズが多すぎて、自分には響かなかったです。
自己申告あっても。。。
観る人によって違う、観る人を選ばない
強烈なストーリーに加え役者さん達の迫力ある演技に圧倒された作品。 本年度ベスト!!
予告編から気になっていた作品。
介護士の斯波を演じた松山ケンイチさん。
白髪姿が気になってたけど、そう言う事だったのね。
本作は斯波と長澤まさみさん演じる検事の大友の二人舞台。
2人の迫力ある会話が凄かった!
殺人は全て「悪」だと言う検事の大友。
介護に疲弊した人等を救う為の殺人は「正義」だと言う斯波。
鑑賞中、どちらの考も理解出来るけど自分は斯波の考えに共感してしまった感じ。
最近観た高齢者の売春をテーマにした作品同様、犯罪行為を「悪」とは思わせない表現方法に考えさせられる作品。
本作は松山ケンイチさんと長澤まさみさん二人の演技に圧倒。
舞台劇を観ている様な迫力。
出だしからスクリーンに引き込まれる展開に場内にも緊張感が走った感じで物音が全くしなかった作品(笑)
周りを固める役者さんも素晴らしかった。
斯波の父役の柄本明さんの演技はマジで凄い。
戸田菜穂さん演じる介護に疲れた梅田は新たな幸せを掴んだ感じが良かった。
ヘルパー歴3ヶ月の加藤菜津さん演じる足立は尊敬する斯波が殺人犯と知り堕ちて行く姿に泣ける。
ラストの検事の大友のセリフに泣ける。このセリフが悪が正しいのではと思ってしまう。
FastDayと言うこともあってなのか?
集客率は最近に無かった100%
日常が戻ってきた感じが良かったです( ´∀`)
老後のことを考えてしまう。
一応、妻子はいますが老後誰か面倒を見てくれるのか不安になったと同時にやはり子供には迷惑かけたくないな〜と考えさせられました。
現在、単身赴任していますが、家族から連絡が来るのは、数ヶ月に一度ぐらい、しかもLINE!
週末に風呂に入っている時等に今ここで倒れたら発見されるのは週明けだな〜とたまに恐怖を感じます。
すみません、脱線しました。
映画の内容としては、少し暗く笑いもくシリアスな内容でした。
その中で松山さんの演技は力強くすごくよかった!
松山さんってこんなに目力があり演技がこんなにうまかったんだと思いました。そんな中、脇役でありながら凄い演技を見せてくれたのが、柄本さんです。
もう、さすがというしかない!
柄本さんの演技で、この映画がすごくしまった良い映画になっていると思いました。
坂井さんも久しぶりに見ましたが、50歳すぎても綺麗で、若い頃より今の方がタイプかも。
年配の方には見てもらいたいです。
すごく良く出来てました!けど。。。
高齢化や介護をめぐる問題に、正面から取り組んだ意欲作だと思う、けど!
涙が出てくるような辛辣な介護と老人の現実を
次々と突きつけられる
そこには、救いも、希望も、感動もなくて
胸にずっしりと重く溜まってゆく…
社会的弱者が介護のために、自分の人生を犠牲にしても、
助けてくれる法律はないのに
その人が介護に耐えきれず、相手を犠牲にしてしまえば、
たちまち法に裁かれる…
この国の現実に、あらためて、がく然とした
あとひとひねり、ストーリーに深みがあればなぁ…
ちょっと、ドキュメンタリータッチだった
松山ケンイチ✕長澤まさみ、松山ケンイチ✕柄本明
の丁々発止の迫力ある演技は、
かなり見応えあり!
セリフの間合いや、表情で語るあたりなど、
さすが!のひと言
また、
鏡や窓に写った虚像と実像を対比させたり、
アクリ板を挟んで写りこんだ虚像と実像を交互に入れ替えたりと、
斯波と大友の対峙シーンの映像は印象深かった
あー、
なんか歳取るのが恐ろしくなってきたー
誰もが直面するリアル
淡々と現実を見せつけられる。
これは映画か?いや、ドキュメンタリーか?
見終わると頭が混乱するほど、
ストーリーも役者もすごかった。
一点残念なのは、
新人の足立さんの過去などにもう少し踏み込んで欲しかったこと。
途中、少し「?」だった。
職務と個人的な感情の間
すべての国民が向き合うべきテーマ
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