ロストケアのレビュー・感想・評価
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ものすごく現実に迫っていると思う
介護にも関わる仕事をしているからか、ロストケアという言葉は重く、決して悪とは思えなかった。
最後の法廷でゴネた家族の人になにか偽善的な人間性を垣間見た気がした。
悪とは一体何なんだろうかと改めて考えさせられた。
見て見ぬふり、心抉らえる…
自身、介護の実体験は無いが、親族や周囲の声など間接的に体感し、この映画にある介護の過酷さは想像に難くない。する方、される方、双方にとって絆は呪縛であり、映画にある迷惑掛けない人なんて居ないも確かにそうだが、そうではない状況も現実にはある。共倒れし、沼に堕ちていく。そんな人々にとっては斯波の行為は救いだとも思う。当然殺人を肯定する訳では無いが、綺麗事では済まない現実を突き付けられた作品だった。介護施設の斯波を慕っていた彼女のその後の在り方は要らぬ演出で残念。
悪ととるか正義ととるか
社会の穴代表、斯波宗典(松山ケンイチ)の思想が正義であったとしても、現在のルールでは殺人犯として罰せられる。
一方、安全地帯代表の大友秀美(長澤まさみ)の正義は合法的で、たとえ殺した自覚があったとしても殺人罪にならない。
斯波宗典は42人を「救った」のであり、「殺した」のではないと主張する。
顔のアップばかり映さずに、大人数が関わっているのだから、登場人物も増やして欲しかった。
原作は未読だが、きっと素晴らしいのだろう。今作は意外と繰り返し視聴出来る奥深さがある。
穴の中にいる人間
すごい映画だと思いました。
すべての役者さんの演技が、本当にその登場人物が現実にそこに、いるかのように感じました。
柄本明さんが「ころしてくれ」と訴えるシーン、
松山ケンイチさんがボロボロ涙を零すシーン、
自分もぼろぼろ泣いてしまいました。
映画の登場人物、何人もの体験が、他人事には思えませんでした。
数年前に亡くなった父が寝たきりで、家族で在宅介護をしていました。
主に介護していたのは70代の母で、
日中だけヘルパーさんがきてくれて、
わたしは平日は仕事で、朝と夕だけおむつ替えを手伝い、父がごはんを食べる介助をしていました。
父は身長が大きくて半身に麻痺があり、大人ふたりがかりでないと、おむつ交換ができませんでした。
女ふたりでは大変でした。体がすごく重たかった。
おむつを替えている途中にまた便や尿がでたり、寝具を汚したり服にひっつくこともありました。
のどで飲み込む&噛む力も弱ってきて、ごはんを食べるのもすごくスローペースで、
認知症があったので会話や意思の疎通もだんだん出来なくなっていきました。
母は1日中、うごきっぱなしで、私なんかよりもっともっと大変でした…
介護経験のある知人や友人にきくと、それぞれのおうちごとに、困り事や事情はぜんぜん違うようで、うちの家の話がすべてのおうちに当てはまるとは限らないと思います。
以前、「月」という映画を観ました。
障害者施設で入所者が職員にころされるというシーンが出てきます。
わたしは精神科に長期入院をしたことがあります。
精神障害を抱えて生きている自分としては、
映画「月」で入所者が殺されるシーン、
まるで自分が犯人に襲われるかのようで恐怖を感じました。
そしてこの「ロストケア」の映画では犯人が
「この社会には穴が開いている。落ちたらはい上がれない」
と語るシーンがでてきました。
わたしは「穴」に落ちたほうです。
むしろ最初から穴の中で育った落ちこぼれかもしれません。
10代で不登校になり、ひきこもり、何度かアルバイトをしてみるもしんどくて続けられず、またひきこもって、精神を病んで自殺未遂をしました。
精神科に入院し、退院したあとデイケアに通ってリハビリし、いまは、障害者を雇用してくれるところで働いています。
何年もかかったけど、昼夜逆転じゃなくなり生活リズムも整って、ひとりで電車に乗ったり外出をしたり、他人と最低限の会話はでき、家事や仕事の作業もできるようになりました。
わたしの知識は浅いのですが、歴史上、戦時中、ある国でたくさんの人が精神障害者であるのを理由に抹殺されたり、
日本でも、精神障害者は家の一室に閉じ込めるという時代があったとききました。
母のいなかにあった精神科病院は
「一度入ったら、一生、二度と出てこられない」
所だと言われていたそうです。
何十年も前、親戚のおじさんも精神科に入院していましたが、医師や看護師の対応も環境も、今の時代より、
わたしが経験した入院生活より、全然ひどかったそうです。
国の文化や、世間の風潮は、かんたんには変わらないけど、
穴ぼこに落ちた一人一人が、救われる社会であってほしいです。
…むしろ、色んな穴が、底が浅くというか少なくなっていって欲しい…
「ロストケア」
主要登場人物のひとたちのエピソードが、たくさん胸に刺さりました。
怪優たちの饗演
アマプラ自動再生していたら、
いきなり始まってしまった。
やばい…
陽光降り注ぐ、暑い夏の昼に観るテーマじゃない。
全人類に共通する重い重いテーマ。
そして一生答えなんか出ない。
それでも、いざ自分の出番が来た時に
どうするかは分からないが、今のうちから
考えておかなくてはならないテーマ。
ということで、肯定も否定もできない。
頭のどこかに置いておくことにした。
その日が来るまで。
なので映画的目線でお話しする。
なんといっても松山と長澤の熱演。
これに尽きる。
もちろん他の俳優も凄いのは言うまでもない。
最初の取り調べのシーン。
松山の背中から語り掛ける長澤。
・事実関係の確認しているだけですよ。
というアングル。
ゆっくりとカメラは90度移動し、
長澤は松山の前に回り込み、二人は対峙する。
・ここから内面について深堀しますよ。
という意思表示。
しばらくして2度目の取り調べのシーン。
基本的にカメラは相手の肩越し(斜め)から
話す人の正面の顔を捉えている。
・二人の意見は全くの互角。
両方に感情移入できる設定。
さて、あなたはどちらの考え?と観客に問いている。
ラスト刑務所での面会のシーン。
アクリル越しに長澤の独白を聞く松山。
相変わらずカメラは斜めだが、アクリルに相手の顔が映る。
・松山の行動には同意できないが、
長澤の内面には松山と同じ感情が同時に存在している。
あなたもそうでしょう?と観客に同意を求めている。
ついにカメラはアクリルに松山を映さず、
真正面からカメラ目線で「あなたのことを思いました。」
・自分の中に蓋をしていた感情が溢れ、
正直な自分を認知症の母に告げ、
そして今松山にも告白した。
何も言わず、やさしい表情を見せる松山。
ここまで書いて馬鹿らしくなった。
そういうテクニカルな映画じゃないのよ。
これは。
原作は知らんが、映画では最後に若干松山寄りに描かれた。
その賛否に関してだけは私は「否」。
でも実際に自分の番になったのなら「…」。
まだ答えは出さないでおくことにした。
解決はしない
興味深く視聴したものの、問題は解決しない
共感というか納得というか理解できていたのに、松山ケンイチの公判の最後の言葉の終盤部分はなんだかしっくりこなくなって、どうやって映画が結末をむかえるのかと思っていたら、あぁそうねって感じでオススメするには躊躇する。謎もなければ驚きもなく淡々と話が終わったドキュメンタリーみたいなもの!?
そして、何も解決はしていないけど、他人事ではないことだけわかった
気持ちの持ちようは 坂井真紀さんのセリフがそれなりの答えなのかな
長澤まさみちゃんも松山ケンイチくんも映し方も興味深く鑑賞できた 柄本さんとか綾戸さんとか他にも有名な俳優さんだらけ
原作が10年前なので、世の中の事情からズレてしまった 映画化が遅すぎたんですよ
原作未読ですが、ざっと調べた所は推理小説なんですね
映画は推理の部分は軽く流して、厳しい介護の現状と犯人と検事の想いのぶつかり合いがメインになっています
2023年の映画で、原作から10年経ってしまっている
推理に重きを置くのなら良かったが、介護については、今の日本社会からは少しズレてしまった
もちろん、まだまだ満足のいく状態では無いけれどね
昔、おじいちゃんがボケてしまった頃は、家庭で介護が当然だった
本当に悲惨な状態だった
最後は入院したが、ベッドに縄で縛り付けられていたのを鮮明に覚えている
制度も医学もまだまだだったんだ
そして
オヤジがボケた時は
僕らの所得でも、さがせば老人ホームになんとか入れるようになっていた
凶暴だったけど、縛られることはなく、鎮静剤をうたれて、車椅子にすわってヨダレ垂らしていた
これはこれで不憫だったので、別のホームに入れて鎮静剤を抜いたら、また凶暴になって、他の入居者に恐れられ、共用のテレビを独占していた
介護認定で、おかしいのは、
要介護判定が、寝たきりの方が高く、身体が元気なボケ老人の方が低い事だ
ボケ老人は凶暴だったり、脱走するので大変
寝たきりになって、ホッとしたのを覚えている
2000年から始まった介護保険制度は、まだまだ満足とは言えないが、年々改正され、浸透してきている
低所得家庭では、まだまだ援助が手薄な面があるのは認めますが、年々良くなっては来ている
なんとか入れる老人ホームも増えてきているし、在宅介護にも援助できるのように整備もされてきている
問題は山積ですが・・・
今は、ヤングケアラーなどの対策も急がれています
原作の10年前に比べれば、ずいぶん良くなってきたと思いますので、犯人の言い分は今でも通用するかと言うと疑問です
何度もいいますが、まだまだですけど
制度の改正だけでなく当事者の意識も変えていかないといけない
映画について思うことは、彼は介護に疲れ精神的に病んだ
映画のような介護疲れからの殺人は、未だにあります
でも、彼の考え方は狂人のそれですね
映画では公平に両方の結果を描いていますが、彼は大量殺人者に違いない
死刑が妥当かは別ですが
原作では、犯行の目的について推理がなされているようですが、そうだと言って彼が正常とは言えませんし、残念ながら、今となっては、彼が望むような社会を目標に努力している最中ですから
国は、介護にだけかかりきりになるわけにはいかないから、すぐには出来ないけれど確実に成果を上げている
少なくとも、暴れる老人をほうって置く事は減っている
家族はもっと行政に頼ってみてください
必ず、今よりいい方法が見つかりますよ
日本のような高齢者社会で介護までケアしようとするのは大変な事です
ただでさえ日本の医療制度は最高なのに、よくやっていると思います。
改正が必要なのは、生きる権利を明確にすると同時に、死ぬ権利も認める事でしょうね
自分の意志で決める
ボケないうちにちゃんと決められる制度を作る事です
ちゃんとルールを作る
やってる国があるでしょ
お手本にしてください
後は、庶民のための大規模な国営の老人ホームかな
集中して管理する
酷だけど、在宅介護や高級老人ホームは金持ちだけの特権にして、他は公営にする。同じサービスと設備を受けられるようにすれば、コストは下がるし、在宅介護が無くなる
介護士さんも安定するしね
資本主義だからって、民間にまかせていては、合理的な制度はできない
医療でもそうだけど、自由がきく暮らしをしたければ金をだせ
庶民は規格どおりだけれど、安心して暮らせられればいい
で、いいんじゃないかな
現役世代が2人で1人の老人をささえる時代が来るんだから、年寄りもある程度は譲歩が必要です
介護の新人が風俗て働くというシーンはいらない
なんの意味もないし、感化もうけない
必要の無いシーンだった
こういうのを蛇足というんですよ
人として目を背けてはいけないテーマ。
誰に共感してもつらい
原作と違うらしく予告の時点で犯人はモロバレスタートだけど、検事と犯人との攻防とかサスペンスミステリーを期待して見始めたが、思いの外社会派ドラマだった。
とにかく柄本明がすごい。圧倒的な生々しさ。
最後の鶴の中身は余計な演出だったなと思ったけど、その後のエンディングでまさか涙腺崩壊。想定外。
エンディングで差し込まれた斯波の幼少期の写真と動画に、フレームの外の父(もちろん精悍なシングルファーザー柄本で)を感じ、親という自分、親から子への想い、子から親からの想い、1人の人間としての感情が走馬灯のように駆け巡った。
まだ子供を世話する盛りで、本当の老いや人間の尊厳というものを体感してるわけではないけど、自分の親、自分の子、自分自身、どの視点から見てもささる内容だった。
読後感は決して爽やかでも温かくもないけど、今の日本に暮らす人は全員観る価値あり。
泣いちまった
簡単に話すと松ケンが介護士で老人を安楽死させていたが、それは家族や本人の為という偽善をふりまく話
松ケンの気持ちはわかる、確かにボケ老人の介護は大変だろうし介護士が少ない現実もあり、より我々の身近にそれは根付いた問題だと思う、普通に見ていると松ケンに感情移入してしまう、しかし裁判では松ケンの言い分に人殺し!!と被害者の遺族が叫ぶ、これは松ケンもかなり響いていたし見ていた我々にも現実に戻されるわけだ
そもそも他人が裁くのはお門違いって思う
やはり安楽死の制度はあったほうがいいような気がするね
本人がボケたときにこうしたいって紙を書かせてね
俺なら、家族に迷惑かけたくないって思うしね
そして、検事のところはちゃんといい老人ホームにいれてあげれたが老人ホームも入れられずに困ってる家族もかなりいるだろう
柄本明の演技がよすぎて松ケンとの最後は泣いてしまったわ
色々考えさせられる内容でよかった
ラストの検事の行動はちょっと意味不明だったけどね
犯人に肩入れというか同情するのは現実はありえない
実際にあった2つの事件を想起させるストーリー
父親の介護で生活が立ち行かなくなった息子(松山ケンイチ)が身体も感情も制御しきれなくなった父自身に頼まれ父の命に手にかける…というストーリーは、やはり2006年に実際にあった京都伏見の介護殺人のことを連想させかなり心痛むものであったけど(父親役の柄本明の演技もすごい…)、
その後介護士になった松山ケンイチは同じ手口で40人超を殺すという流れは津久井やまゆり園の事件の犯人の思想と根底は一緒のように思えた。
「殺したのではなく救った」と言うけど、迷惑をかける•役に立たない人間と思われたら、これが正義と殺される世界。これを許していくと殺して良いとするライン上にいつか自分が立つことになる。
ずれてしまうけど京都伏見の事件の息子の方、もう出所しているのかなと検索してみたらさらに辛い最期を迎えており、われわれの多くもこの先当事者になるだろう介護問題に暗澹たる気持ちになった。
介護をする人とされる人
主人公(長澤まさみ)は女性検事、ある事件で介護センターの所長が殺され、介護を受けていた老人も遺体で見つかる。
センターの介護士(松山ケンイチ)が疑われ、調べを進めていくと、とんでもない事実が浮かび上がってくる。
法が引いた境界線と善悪の境界線、法律を職業としている人は悩むだろうなぁ。
自民党が作った社会
重いテーマです。
日本の福祉の現状でしょうね。
私には介護度3の高齢の母がいて、介護経験者です。
お陰様で今は特別養護老人ホームに入所できたので、とっても有難いです。
母がホームに入って一番に感じたことは、精神的に楽になったことです。
肉体より精神でした。
松山ケンイチさんが演じた斯波がやったことは、
限界を超えそうな介護者を救ったというのは真実だと思います。
やり方は殺人でしたが、絶対に家族は救われたと思います。
正直、戸田菜穂さん演じた梅田が、法廷で「お父さんを返せ!」って叫んだけど
本当かな?
心からそう思ってるのかな?
と疑ってしまいました。
介護の経験が無い人が、きれい事を並べるのは
本当に辞めてほしいですよね。
日本の政治家に観てもらいと書き込みしてる方がいましたが、
まさにおっしゃる通りです。
介護士さんの待遇を良くして、働き手を増やさないと
大変なことになりますよね。
映画を観て痛感したのは、「明日は我が身となるのかも…」
できる限り健康で暮らしたいですよね。
イヤイヤ暗くならず、
笑顔で過ごしましょう!
映画の持つ力に期待
この作品が掲げたテーマはとても重い。
最後に検事の大友は、42人の要介護者を殺害したシバに対し、自分の罪を告白した。
法になど抵触しない心の罪
どうしても自分自身を許せなかった大友は、とても人間的に描かれている。
介護の実態 苦しみ どうにもならない 誰も助けてくれない 地獄という現実
社会に空いた穴
「そこにいるんだと気づいた」
しかし、
生活保護すら受けられないことが描かれているが、日本にやってきた中国人や韓国人が来日6日で生活保護申請をし受理されている大阪
どんどん湯水のように外国人への支援が流れ続けている我が国日本の実態
日本人がする大学の奨学金申請を蹴り、中国人や韓国人に優遇している国日本
その中で映画としてようやくこの闇にスポットをあてたことは、大きな意味がある。
安楽死問題
この作品にはかつて要介護者を社会のゴミだと言って次々刺し殺した「あの事件」の面影などなく、家族という絆が呪縛として鎖のようにがんじがらめになっている「実態」を広く認知してほしいというメッセージが込められている。
限界を見た時に知る「社会の穴」
「安全地帯から見ている人間になどわかるはずのない現実」
「身勝手な正義感」
大友はシバにそう言った。
彼女はそう言いながら、自分自身がした父への背徳行為に葛藤している。
介護士の数はどこも足りてない。
介護士のする介護には医師同様に点数制となっていて、その点数が根拠になり助成金が交付される。
しかし、その根拠を付け合せるための資料が煩雑になり、転記、転記と間違いが絶えない。
介護士の実態とは、介護そのものではなく、この転記しながら作るポイントのための資料作りのほうがウェイトが高い。
だから介護士をやめるケースが出てくる。転記しないシステムは高額となる。
私でも知るこのような一般的な問題を誰も解決しようとしない。
さて、
この作品で描かれるシバの行為
これを擁護するデモと断罪するデモがぶつかり合うのが描かれている。
殺害された梅田の娘は、傍聴席から「人殺し」と叫ぶ。
必ずしもシバの意見が正しいわけではないということだ。
この作品が提示したもう一つのメッセージが「安楽死問題」だろう。
シバの論理はこの事件を議論する重要なテーマだ。
その是非を視聴者に問いかけている。
ただし、
自分が「安全地帯」にいる場合と、そうではない場合、そして重要なのが「社会の穴」にいる場合だ。
この社会の穴をなくすことで、介護問題の最悪部分が緩和されるように思う。
このような社会問題を並べて討論しないのに、どうして政治家など務まるのだろうか?
作品では検事がシバに歩み寄ったが、検事がいくら歩み寄っても問題は解決などしない。
この作品は、テーマが重いだけに難しい。
作品そのものよりも、現実的なテーマに考えさせられる。
しかしこれこそが映画の持つ力なのだろう。
介護解放殺人
ロストケアだと肉親や大切なものを亡くした精神的苦痛を緩和することに思えてしまう、映画は肉親の介護に疲弊しきった家族を救いたい一心での殺人だからFreedom from caregiving、介護からの解放でしょう。
古くは楢山節考から最近のプラン75などまで高齢化社会での介護疲れや安楽死問題は根が深い、やまゆり園殺人事件と似たスケールだが犯人の動機は全く違う、この映画が深刻なのは何が正義か悩む検事役長澤まさみさんのように犯行に同情を覚える人がいるかもしれない怖さでしょう。老々介護問題や孤独死を防ぐために介護保険制度や施設があるのですが十分機能しているかは疑問です、誰もに訪れる死、ピンピンコロリを願うばかりです。
あえて暗い現実に踏み込んだ意欲的作品ではありますが、観ていて只々辛い映画でした。
全443件中、81~100件目を表示