「メッセージ性が強い傑作品」ロストケア ずぼさんの映画レビュー(感想・評価)
メッセージ性が強い傑作品
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1.俯瞰の重要性と社会課題
人は経験したことや見る視点によって、考えることや感じることに影響を与える。
作中でも、角度が微妙に異なる4-5の鏡に大友(長澤まさみ)を映し出すシーンがあったり、机に反射する表情を映し出したりと、細かい描写でそれを論じていた。
つまり、種々ある人生観において、正しいとか正しくないということだけでは語ることができないこと。そして、それを表出できる場があったり、受け皿があれば結果は変わったかもしれないという社会課題を浮き彫りにしている。
2.介護問題の解決
8050問題もそうだが、介護の選択肢としては、在宅介護(ヘルパーも一部介助)もしくは施設介護のどちらかであるが、その選択は本人が望むというよりは金銭事情が絡んだり、そもそも選択肢が少ない状況である。
介護における選択の幅が広がっていくことを願っているメッセージ。
3.思い通りにはならない人生に対する悲観
要介護者(柄本明)は認知症で、息子(松山ケンイチ)を忘れる前に殺して欲しいと願う。
しかし、殺される直前に「どちら様ですか」と息子を忘れて殺されるという残酷な現実。
思いどおりにはいかない人生に対して嘆いているように受け取った。
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