「親の介護問題をテーマにした作品。私の祖母も認知症になって、殆ど母が...」ロストケア panpan00さんの映画レビュー(感想・評価)
親の介護問題をテーマにした作品。私の祖母も認知症になって、殆ど母が...
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親の介護問題をテーマにした作品。私の祖母も認知症になって、殆ど母が面倒をみていたのだけど大変そうだった。
犯人の斯波(しば)と検事の大友。二人がメイン。二人共に親が認知症を患ったことが共通であるが、斯波は自分の生活を捨てて父を介護したが、大友は母を老人ホームに入居させている。低所得か高所得かを対比しているのだろう。
斯波の親族は父のみ。高卒で就職するも父の介護のため会社を退職。その後資金不足となり生活保護申請するも受け付けてもらえず、食事がまともに取れないほどに貧困化した。父は寝たきりになると、息子へ面倒をかけたくないことから息子に自身の殺害を願った。斯波はその願いを受け入れて父を殺害。以降、斯波はケアセンターに勤務し、自身と同様に介護で苦しむ家庭を見つけると、その要介護者を殺害してきた。これまでに自身の父を含めて42人を殺害。斯波は殺人ではなく救い(ロスト・ケア)だと述べる。
大友は斯波の主張を否定するも揺れているようだ。大友自身は経済力があり親を老人ホームに入れているので、私生活には殆ど影響がない。大友は斯波の言う安全地帯にいる。
単に大友を正義とすると、どうしても親の介護問題がお金で解決出来てしまうので、おそらく大友にもマイナス面を作ったと思う。それは大友の父の存在だ。大友の両親は離婚していて父は孤独死。死後発見まで2ヶ月掛かっている。おそらく貧困であったと思われる。大友の父のエピソードがあることで、大友があまりにも強い立場に置かれてしまうのを防いだのだと思った。
斯波による殺害で救われた人がいる一方で、殺害を許さない人もいる。結果として、議論を呼ぶようなストーリーになっている。
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