「鈍感な社会」ロストケア ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
鈍感な社会
高齢化社会の裏で、福祉の穴からこぼれ落ち、誰にも気付いてもらえない人々は確実にいる。殺すことでそれを救ったと主張する介護士斯波(しば)と、対決する検事大友の、どちらが正義なのか。もう目を背けてはいけないテーマです。
自身の辛い経験から、確固たる信念を持っている斯波(松山ケンイチ)に対して、正義と法の遵守精神で断罪しようとする大友(長澤まさみ)の方に迷いがあります。
当人の意思を確認せずに大量殺人を行なった斯波に正義など無い、はずなのに、本当にそうなんだろうか、と観る者に思わせてしまう松山さんの説得力ある演技でした。
映画としては、演出にわざとらしさもあって、残念でした。
由紀ちゃんの取り乱し方が中学生みたいだったし、風俗嬢になっていたのには、はぁ?と思いました。戸田菜穂さんも、表情だけで分かるのに、食器をひっくり返したり、ヒステリックに叫んでましたね。
大友は裁判の後で斯波に面会して自分の胸中を告白します。父親と連絡を取らなかった後悔はあるにしても、大友の自己責任のように罪悪感を持たせるのは違うかなと感じました。それに、検事が被告に告白をして楽になりたいのだろうか、とすっきりしませんでした。
コメントありがとうございます。
12歳位で生き別れした父親から連絡が来る。
私は、どうするのか?
いい知らせのはずはないですね
病気か、お金のことに殆ど決まってますよね。
ショートメールも来た・・・本当に切羽詰まり
困っていたのでしょうね。
ここに民生委員とか行政の方に連絡がいくと、
そちらの方から連絡がきますよね。
そうしたら大友は仕方なく対応したと思います。
お父さんは、もう生きるとを諦めて孤独死を選んだか、
病死したのですね。
私のうちは親戚が少なくて、こじんまり4代家族だった事もあります。
姥捨と書きましたが、私だって祖母のこと。
毎日40分車を運転して、食事をしない祖母のお昼を食べさせに通いました。
母親は運転できないし、体調も優れず、それでも食事の用意はしてくれてました。
私は病院では祖母孝行の優しい孫と模範的に見られていましたが、
何度も介護施設、そこで大腿骨骨折、入院、転院・・・と、祖母が一番
根が折れました。
仕事もしてましたので、亡くなったときは本当にほッとしましたね。
それを見ていた父親と母親は、なぜかボックリと亡くなったのです。
とても不思議なのですが、私たち(姉と)に迷惑を掛けないと念じていたみたぃ
でした。
決して優しくなんかないです。
ケアマネージャーとかに親孝行の押し売りをされて、
とても嫌でした。
大友の母親の生き方。
生命保険の外構員で高収入だったので、豪華施設に入居して、
娘には一切の下の世話をさせない。
立派ですけれ、そこにも矛盾を感じました。
「プラン75」そして「ロストケア」
本当に考えさせられました。
悩める羊でしかないですね。私たちは。
肝心の判決シーンがないので、
オイオイ…(๑•﹏•)でした。
ラストもおそらくは死刑囚としての面会だと思われますが…
原作ではどうなってるんでしょうかねぇ?
懺悔の気持ちを母親に聞いて欲しかった、というのはそうなんでしょうね。原作(未読ですが)で男性だった大友を女性にして、頭をなでてもらうシーンを撮りたかったのでしょうね。個人的には、大友一人の心にしまっておいて欲しかったです。大友が父親を死なせたわけではないですし。
大友の親はクリスチャンだったので、どこかで神に縋るような気持ちになったのかもしれませんね。信者であれば教会に行って、懺悔とか告解(宗派によるやり方とか名称はよくわかりませんが)という形で吐露することなのかもしれません。自分の負い目=一種の原罪、斯波=人間の原罪を背負って処刑される人。
監督は、そんな構図を意図したのかも。
などと想像しました。
私も、伝わってるかどうか怪しい、と思います。母親が理解できない状態の時に敢えて話したかもしれません。それなら自己満足でもいいと思います。母親は知らない方が良い。ただ、それ(母に伝えた事)を斯波に報告するのは余計な事に感じました。このあたりが私の気に入らない所です。
失礼します。
大友は、母が分からないから話したのではないでしょうか。伝わってるかどうか怪しい。要は大友の自己満足の為に告白したんじゃないかと。
でも、母は分からないままで良いと思います。母の中で、父はずっと生きているのでしょうから。
大友が斯波に、父のことを母にも(やっと)伝えました、と言っていましたが、私は伝えない方が良かったのではないかと思いました。大友の気持ちは楽になるかもしれませんが、母はそれを聞きたかったでしょうか。