劇場公開日 2022年10月21日

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「3時間程度で植民地の歴史が脳内を駆け巡る」RRR ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.03時間程度で植民地の歴史が脳内を駆け巡る

2022年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

英国植民地時代のインドが舞台。ストーリーは勧善懲悪そのもの。根底に流れるのは、英国側の暴挙と虐待、支配下のインド側の憎悪と復讐。
答えはもう出てる、と言いたいところだが、結果は3時間映像に釘付け。

なにがそうさせたのか?答えはいとも簡単。
歌と踊りとアクションと熱量の絶妙なまでの一体感。それに尽きる。
俳優陣のクオリティの高さとキャラクターの濃さも半端じゃない。
長回しで展開される数々の戦闘、格闘、死闘シーンは、ハリウッドのスキルには劣るが、熱量は倍だ。
要はミュージカルだろう?という頭でっかちな先入観は、すでに死語と化す。
観ている最中にそろそろ歌と踊りがほしいなあ、と期待でわくわくする。

五木寛之は、「民衆は歴史から取り残されるものだから、民衆の記憶は語り継いで残らなければいけないもの」と言っているが、本作にその心配は無用だ。
語らずとも、植民地の歴史が、ものの3時間程度で脳内を駆け巡ってやまない。

ジョー