劇場公開日 2022年10月21日

「山火事と洪水の友情で常識を覆せ!」RRR とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0山火事と洪水の友情で常識を覆せ!

2022年10月23日
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ラーマはキャラクター・オブ・ザ・イヤーです。ラーマ役ラーム・チャランは『新感線』のときのマ・ドンソクくらい火が点いてもおかしくない(英語も流暢)し、S・S・ラージャマウリ監督は本人が望みさえすれば100%ハリウッドで映画作れる。
【Rise】『スパイダーマンNWH』に『トップガン マーヴェリック』、そして……という今年を代表する映画的事件となった2作を超えて今年一番のブロックバスター映画になる作品があるとしたら、それは本作しかない!!! 全観客の手と心に消えない闘志という武器がガッツリ握られたに違いない!それくらいアメリカにかち込んでほしいレベルで『マガディーラ』コンビが正真正銘やってくれたと心底ガッツポーズ!"見たことある"という王道から誰も見たことない景色を作り上げ、物語を紡ぐ天才かよ(ex.親友対立、大義のための潜入捜査)。こういう映画を見ていて笑うって基本的には"芳ばしい"映画に多い気がするけど本作の場合は"こんなことありかよ!思いつかないって!"という最大級の賛辞でド肝を抜かれる。描き方・持っていき方が上手くて、アイデア・表現力も半端ないから思考停止!
【Roar】胸アツ!! 映画史に刻まれるであろうラーマの初登場シーンは必見です。刮目せよ!使命感に燃え真っ直ぐに取り組みながらも気が利いて面倒見のいい気さくクールイケメン枠な常識人ラーマと、森からやってきた目のかわいい優しいクマさんみたいなビーム。対照的な二人を映し出すようにまた画面の中でもくっついたり離れたりみたいなイメージがある気がした。二人が初めて出会い、知り合うキッカケとなる救出劇もヤバいし、なんなら本編中そんなシーンが次から次へとポンポン出てくる異常さよ。ダンスバトル大好き♪そして、一対多数やよく分からんハンドサインと相槌だけで常人じゃ思いつかないワケ分からん作戦が完璧に通じ合う阿吽の呼吸な二人など、これまた胸熱な差異を伴う反復が活きてくる。全体的にテンション高いインド(ボリウッド)映画見たことあっても、本作はどれだけテンション高いんだと改めて痛感させられる。けど、それが"矢継ぎ早"というような形でなく、一つ一つがきっちりと時間割かれていて、王道に深い。
【Revolt】装填…狙え…撃て!(東)アジアのハリウッドが韓国なら東南アジアのハリウッドは紛れもなくインド。国民性や文化にバックグラウンドを持つような己の方法論を貫いて、ここまで大成功してみせた点が、まるで本作のテーマ精神性のように響いて格好良い。本当に唯一無二。エンドロールの終わるその瞬間まで大大大興奮!! コレは気持ちよすぎるだろと言いたい胸熱展開連発な山場に次ぐ山場の大盤振る舞いで濃厚すぎる3時間は充足感という心地よい疲労感に包まれ、劇場では自然と拍手が起こっていた。エンドロール最後のダンスシーンの画が止まるところで画面右に流れているエンドロールの文字情報も止まって、そのまま上がりきらずに終わるの斬新。やりやがった、完璧に射抜かれた…バーフバリ超えたよ。歴史モノへの少しある苦手意識みたいなものも吹き飛ぶ。インド映画史上最高予算かけた意味がある。映画の醍醐味ここにあり、理屈抜きに鷲掴みにされてしまった。

P.S. 斜め前のオジサン、こんなスゴい作品じゃ前屈みになる気持ちは分からんではないのだけど、IMAXなんだから普段以上にガッツリとスクリーンに被るからマジやめてくれ!怒

とぽとぽ