「『どうやったらできるか』、これも記録映画である」東京2020オリンピック SIDE:B kuwaさんの映画レビュー(感想・評価)
『どうやったらできるか』、これも記録映画である
このオリンピック開催前年11月の体操の国際大会閉会式の中で、体操の内村公平さんが「国民の皆さんの『五輪ができないのでは』という思いが80%を超えているのが残念というか、しょうがないと思うけど、『できない』ではなく、『どうやったらできるか』を皆さんで考えて、どうにかできるように、そういう方向に変えてほしい」と、日本を代表するアスリートとして、意を決して自らの思いを公の場で発言された。
この映画は、後にこの2021年に、東京オリンピック・パラリンピック2020が、”どうやってできたのか“を伝える、ひとつになると思う。
エンブレム問題、国立競技場設計コンペの結果が変更された問題、最終演出責任者交代問題など、映画に取り上げられなかった、他にもいろいろ話題になった問題はあるものの、この東京オリ・パラ2020の記録として見直す意味はあると感じられました。
招致の段階では、東日本大震災の被災地への支援に対する謝辞・復興指標とすることが、東京・日本で開催される意義として大きく取り上げられていたが、開催直前にはコロナ禍での開催の方が注目が移ってしまい、この東京オリ・パラ2020の結果として、非常に残念に思っていますが、2013年アルゼンチンのブエノスアイレスで、2020年のオリ・パラ開催都市に東京が選ばれる為の招致準備(招致表明は2011)から考えると、この2021年の大会閉会式が終わるまでの約10年、この東京オリ・パラを『どうやったらできるか』考え・取組んでくれた方々(主催・協賛・ボランティア、会場作りに関われた方々、アスリートを育てられた方々、医療関係者、その他いろいろな関係者)のおかげで開催出来た大会でした。
この大会の開催にあたり、反対や中止を求める考えがあった事、この映画の中では取り上げられなかった、商業主義で大きくなってしまった問題も、オリ・パラにはあります。
ただこの映画は、今回『どうやったらできるか』を考え・取り組んだ方々によって、アスリートは目標・体現出来る場を持て、悔しい結果に終わった方々、うれしい結果をつかむ事が出来た方々、その経過や結果により感動を受けた方々がいて、そして次のパリのオリンピック・パラリンピックへの”バトン”をつなぐことの出来た”東京オリンピック・パラリンピック2020”の記録映画にはなっていると思います。
余計、アスリート中心のSIDE-Aの映画の出来が残念に思われます。