劇場公開日 2022年5月6日

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「潔癖男とズボラ女の化学変化が感動を呼ぶ中華音楽エンタメ!!」僕と彼女のファースト・ハグ バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0潔癖男とズボラ女の化学変化が感動を呼ぶ中華音楽エンタメ!!

2022年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

今作で監督・脚本・主演を務めたチャン・ユアンは、中国版吉本興業ともいわれる「喜劇集団・開心麻」のトップスター。その他にもメンバーが何人か出演している。それによってヒットした映画であることに間違いないのだ、しかし言うまでもないが、日本では知名度がないため、知名度での売り込みは非常に難しい。

近い作品としては 物語事態のクオリティが高いことからも、日本では話題になった『こんにちは、私のお母さん』がある。同作の場合も、中国のお笑い番組「喜劇総動員」のコントを長編映画にしたものであり、ジア・リンが監督・脚本・主演を務めている。

今作もお笑い芸人の企画映画として、一定のプロモーション的側面があることは間違いないし、TikTokが全面協力の企業案件のような感じがしないでもないが、意外なことに、物語はしっかりしている。

韓国映画『プランマン ~恋のアラームが止まらない!』の中国リメイクだからと思うかもしれないが、あくまで下敷き程度で、オリジナル要素が強い。

個性が誇張された変なキャラクターもたくさん登場するし、毎度のことながら、コテコテの中華ギャグは気になるものの、重度の潔癖症である主人公が、ズボラなミュージシャンのウェンヌワンと出会い、彼女のペースに振り回されながらも、同時に自分の中にある人間嫌い、人と接することへの恐怖が克服されていく過程が丁寧に描かれている。

時間に遅れたことのない主人公が職場に初めて遅刻してきた際に、みんなが喜ぶシーンがあって、変人扱いされていながらも、周りが見守ってくれていた温かさがにじみ出ているようで、妙に感動してしまった。

何よりウェンヌワン演じるリー・チンの透き通るような美しさが目を惹くのと同時に、歌唱シーンも吹替えなしが彼女が歌っており、そのクオリティが高いことから、音楽エンタメ映画としてもしっかり機能しているのだ。

中国映画自体が、それほど日本には輸入されてきていないが、近年の日本に輸入された中国・台湾映画の中では、抜群に良い作品だった。

バフィー吉川(Buffys Movie)