「近未来宇宙SF×ファンタジー」ぼくらのよあけ スクラさんの映画レビュー(感想・評価)
近未来宇宙SF×ファンタジー
2049年を舞台にした近未来感あふれる社会にいる少年少女の一夏の物語。
未来はSiriを改善したようなAIが生活に取り込まれ、学校の授業はデジタル化&プログラミング授業の導入などされていて、実現性のある近未来感にワクワクした。
一方で遠い遠い宇宙の果てからやってきた宇宙船との出会いというファンタジー要素もあって、いい塩梅に混ざっていた。
一部登場人物(銀くんとか、大人組3人)の心の掘り下げが薄かったのが少し残念。
たぶん原作にはあるんだろうけど、そこを使いきれずに結の部分だけ映画で表現されていて、
登場人物がいきなり重みのあるセリフを吐き出してくるから、「どうしたの??」となってしまった。
中途半端で活かしきれないなら、あえて設定を残さずに、映画オリジナルの設定にして、
整合性を取った方が物語としては良かったんじゃないかな。
(そうするとそうするで原作ファンから叩かれるだろうから、実行できないんだろうけど…)
AIは羊の夢を見るのか適な問題提起もされていて、これからAI技術が進んでいくなか、考えさせられる内容もあった。
舞台設定は魅力的だったけど、キャラクターの魅力が薄かったので★3.5
(余談)
先日観た『雨を告げる漂流団地』と同様に取り壊し目前の団地に住んでいた(いる)少年たちの夏の物語
ただの偶然だろうけど、この設定が被るのって、「団地で過ごしていた子供時代、それが失われた時期」ってのが今の一部の世代にとって特別な時間として心に残っているのではないだろうか。
もしかしたら、私が知らないだけで、様々な創作に「団地」が取り込まれているのかもしれない。
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