「フレンチと韓流の韓流のハイブリッドノワールスリラー」バニシング 未解決事件 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
フレンチと韓流の韓流のハイブリッドノワールスリラー
最近だと『声もなく』とか『ただ悪より救いたまえ』など、韓流映画ではよく題材にされる人身売買や臓器売買を扱ったスリラーですが、フレンチと韓国のハイブリッドというのが特色。当然ノワール色も濃厚ですが繊細な心理描写がグッと前に出ている感じ。法医学者のアリスが抱えている闇をナラティブな説明を排して直接的に映像で表現しているところはかなり異色。臓器移植シーンをかなり詳細に見せているところが衝撃的だし、臓器売買に携わる連中が野菜でも売り買いするように淡々と仕事をする非情さにゾッとしました。
アクション映画での活躍が目立つオルガ・キュリレンコですが、本作では派手な見せ場は皆無。事件に協力する中で自身のトラウマと対峙するひたむきな法医学者を真摯に演じています。凄惨な物語に添えられる穏やかな結末が胸に沁みる作品です。
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