ボイリング・ポイント 沸騰のレビュー・感想・評価
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おいおい、そりゃないわ〜。
おいおいそのエンディングか!
まさか何ら状況改善されないまま終わるとは!
救われねえ〜。。。
・みんなそれぞれ大変です。 一部のお気楽なフロア係以外は。
・その中身は酒かよ!
・店の雰囲気は最高。音楽もいい。
・手洗い用のシンクは分けるものなのか。。恥ずかしながら知りませんでした。
・ストレス過剰はダメ。
・人に頼めない奴は潰れる。
・ズバッと言う奴はやっぱ大事。
・働くということは大変なものでストレスを伴うもの。
長回しの効能か臨場感はあった。
ただ、同じく長回しのためどうしても弛むときがあり眠気も。
一方向に突き進むワンシチュエーションものの面白さ。
ワンシチュエーションものの面白さは確実にある。ひとつの職場で働いていても、それぞれに価値観もスタンスも、時には言語も違っていて、それが一丸となれるとは限らない。エンタメの作り方として、それでもみなの気持ちがひとつになる痛快なクライマックスの作り方もあると思うが、こちらはむしろ主人公のストレスが増大していくばかりである種の悲劇へと向かっていく。いや、ブラックコメディと言ってもいいのかも知れないし、向かう先がわからないジェットコースタームービーと呼んでもいい。
ただ、90分間長回しがどこまで功を奏しているのかは、ちょっとわかりかねるというか、カットを割って密度を高めたほうが、この映画が描いている緊迫感は高まったのはないか。もしくは、いくつかにシーンを分けても面白さが損なわれるわけではなかったのではないかと思ってしまった。
さらにわがままを言えば、退場したキャラクターたちが後半でまた戻ってきてもいいし、もっと伏線と伏線がひとつに集約されていく脚本でもいいんじゃないかと思うが、いなくなったまま、回収しないままというのも、一方向に時間が流れていくという意味で正しい選択肢だったのだとも思う。
この映画のストーリーにはうまみ成分がかけている。
『髭を触っているけど』
汚らしい。
みんな何を
、怒っいるんだ。同時にあやまっているばかり。最初から酒のんで挙句の果てに薬はなかろう。
美味そうな物はないし、料理作っている場面がない。
唾とはして、喋ってばかりいる。
一人として料理の話にならない。
『これうまいぞ』だけ。
追記
コリャまずいでしょ!誰の問題じゃない。アレルギーなんて飲食店では、大問題。
髭をそれ!!
救急車がくるような店が、営業を中止せずに集まって話し合いする?
コンプライアンスとセキュリティ意識が皆無。
救急車が一日に2回来る様なレストランがロンドンにはあるのかなぁ?
ロンドンでは外食はしないと決めた。
海原雄山に怒られるとかいう次元でない。
追記
決定的なミスを見つけたぞ。
この映画には厨房が出てこない。
ずっとカメラが回ってるので目が離せない。
カメラの長回しでの撮影というこの作品。
観ているとレストランの慌ただしいあの世界に、
まるで自分もそこにいるかのような気分になった。
人気レストランの凄腕シェフに焦点をあて、そこから周りの人物に視点を変えつつ、すれ違い様に主人公のシェフにカメラを戻していく様子はお見事でした。
めちゃくちゃ忙しいクリスマス前の金曜日の予約いっぱいの人気レストランのドタバタコメディな感じだけど、とにかく小さなことが何もがうまくいってなくて、それって結局主人公の不手際によるもので、シェフにストレスが溜まっていく。
トラブルは起こる、従業員は好き勝手、人気高級レストランの割には客層は悪いし、支配人の女性もあまり従業員の事は分かってなさそうで観ていて歯痒い。
厨房スタッフ側はギスギスしつつ、なんとか協力してやっていって、たまに主人公が従業員の作った料理をすごく褒める所はちょっとホッコリ。
怒るし、めちゃくちゃ自分勝手だけど、ちゃんと認める所は認めて褒めてあげるから悪い人じゃなさそう…?笑
ホールスタッフたちは、割と和気藹々だけど逆に緊張感なくておしゃべりが目立つ。
でもみんな良い人達だから接客は上手いし、さすがプロって感じだったけど、一人だけ、黒人の女の子がとにかく可哀想だった。
客からあんなにあからさまな人種差別を受け、理不尽なクレームをつけられて(ラム肉赤い事件)、理由を説明して厨房に言いに行くも、今度は厨房側からも色々と言われる始末。
ナッツアレルギーの件も彼女は支配人にメモを渡されたから渡しに行っただけなのに怒られるし。。
これがあの金髪の女の子だったらみんな対応違った?
あの黒人の子は誰よりも真面目に働いてたのに、なんかあの子のシーンだけしんどかった。
最後の終わり方はけっこう呆気なく、、
結局主人公シェフのストレスが大爆発して倒れて終わっちゃった。笑
でも、エンディングの最後に出てきた、オープン前にみんなで撮ったインスタ用の写真が出てきたとき、なんか切なくなった。
シェフの相方の女シェフさんがめちゃくちゃカッコよかったな。
圧巻、まるでライブ中継!
高級レストランで働く人々の姿を、ワンショットで捉えた作品です。
その映像だけでも、スリリングでおもしろいのに、そこに
個性あふれる人たちの人間ドラマが加味されて、おもしろさ倍増。
客がアナフィラキシーを起こすシーンもリアルだし、
細かな部分もこだわって作られてる感じですね。
ただ味見するシーンが気になったなあ。味見したスプーンを
そのまま突っ込んだらダメでしょ。この店では食べたくないなと
思ってしまったw
ワンショットでは描き切れない
冒頭の入りから終わりまで、1秒たりとも目が離せないほど引き込まれる。これぞワンショットと言える作品。
作中では、縦横の人間関係だけではなく、黒人差別や同性愛者の問題、薬物やアルコール依存など様々な問題が取り上げられている。しかし、その多くは触りを描くのみに留まり、本質あるいは問題提起の域に達していない。見方によっては、昨今注目される諸問題をワンショットしただけとも受け取れる。
その一方で、これらの問題は古くから日常に存在しており、解決どころか話題になることも少なかった現状をワンショットしているとも言える。どちらにせよ、アンディらが抱える問題は一見他人事に見えるが、我々が共感できる要素を綺麗にワンショットした作品である。
「管理を怠ると自分に帰ってくる」を伝えたい作品。
ワンカットの90分間をどう見せるか?
カットを入れてもいいんじゃないか?
見終わった後、これで終わり?
と思ってしまうかもしれないが、
「ラストの過労で倒れる」=「ボイリング・ポイントラスト 沸騰」のタイトル回収を観せたかったのだろう、クリスマスの忙しいレストランをワンカット撮影にしたのは。
カットがない為、一人一人を追いかけての撮影になるが、一人一人の格好、出身、表情と少しの会話でその人が過去何があったのか、今何を思ってるのか、どういう立場なのかを、説明なしで観せているのが凄く引き込まれた。
面白いことに、その場の何気ない会話や出来事を、気づかないうちに伏線とし、90分の間で回収していく、正直観ていて飽きがこなかったです。
疲れた人みんな見て
最悪の金曜日。でもほんとに最悪なのは主人公アンディ。その場しのぎで口先だけで、どうやってこの店をここまで有名にしたのか謎すぎる。
パティシエの若者とおばさまの抱擁には涙しました…。全員が崖っぷち。全員がボーダー超えちゃってる。最高。明日からも仕事しよ。
later apologize promise
この台詞の何と多い事 本当に社会の縮図をギュッと煮締めたようなワンショット長回しの撮影法でのドキュメンタリータッチの作劇である。
なので、鑑賞後は相当の苦さが口どころか脳一杯に拡がる感覚がなかなか溶けない。これを"スリリング"なんていう形容詞を使うことすら烏滸がましい、胃酸をたっぷり味わえるストーリーテリングだ。
人種差別、店内のヒエラルキー、ブラック企業、アルコホリック、麻薬、人間関係、リストカット、LGBTQ、等々細かい内容が散りばめている中、自分が注目したのは食物アレルギー。
果たして、アレルギーを持つ人が外食をする際、どれだけ飲食店は対応しなければならないのか、否、そもそも対応しなくてはならない義務なのか、という事を深く思い起こさせてくれた。
自分自身、過去にそういう経験をした記憶がまざまざと呼び起こされ、本当にあの時の辛さが蘇って吐きそうになる程であった。
沢山の問題が一度に噴出(沸騰)したとき、人はどういう状況に陥るか、今作のラスト、あの結末は或る意味、カタルシスとしての着地点として正解なのかも知れない。多分、あれが本人にとって一番の幸せなのであろう。あのイビキは多分、脳関連の症状なのだろうが、周りの人に多大な迷惑を掛けてもそれでも最後迄続けようとした証みたいなもの、所謂”戦死”としての一つの理想なのかもしれない。勿論、私はご免被るがw 私は周りに迷惑掛けても生きたい、別に周りが助けてくれる訳じゃないから・・・
締まりの無い話をワンカットで撮ると言うモノ好き
あー、終わった。カメラが置いてけぼり食らったから、ここで終わった。
イヤ、ナンボなんでも、ここで終わりって、どーゆーことなん?
などとなどと。
コレはクレーム付けたくなります。ジンとコカインやって、あれだけ血圧上げてどなってたら、そりゃアカンやろとは思いますが。
バックステージものとしての面白さが、今ひとつふたつな感じで、刺さるものはなかったです。
ちなみにイギリス料理は不味いと思っている貴方。正しくもあり、間違いでもあり。単に、イギリス人は好きな食材を過剰に使い、バランスもくそもない料理を平気で作るだけ、だそうです。よって、お前にもハマる料理は必ずある!って、昔、英国人に言われました。が、私は好きなイギリス料理に巡り会えてませんw
全編1カットに偽りなし
こうした全編1カット映画は、最近では「1917命をかけた伝令」や「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が印象深い。ただ、これらの作品は要所でCGを駆使しており、純粋に全編1カットで撮られたというわけではなく、そのように見せた”疑似1カット”映画だった。唯一「ヴィクトリア」という作品はトリックなしの全編1カット映画だったが、約140分間ベルリンの街をカメラが縦横無尽に動き続ける中々の労作だったと記憶している。
本作も紛れもなくトリックなしの全編1カット映画である。レストランという限られた空間でありながら、多種多様な人物が交錯する複雑な人間模様をエキサイティングに捉えた所は見事である。ドキュメンタリーのような臨場感、緊迫感も持続し、最後まで目が離せなかった。
登場人物もそれぞれに個性的で面白く観れた。
主人公のアンディは家庭の問題を抱える悩める中年シェフ。酒を片時も離さず、最近は仕事も疎かでスタッフに傲慢な態度ばかりとっている。他に、客から人種差別を受ける黒人ウェイトレス。暗い過去を持つ青年シェフ。ヤクの常習者でサボり癖のある皿洗い。父親から譲り受けたレストランを引き継いだもののスタッフから全く信頼されていないオーナー等々。様々なストレスを抱えた人々が登場してくる。
レストランを訪れる客も多種多様で、中には困った客も当然いる。アンディの元ライバルや、自称SNSのインフルエンサー、プロポーズを予定している恋人たち等々。レストランのスタッフは彼らに手を焼かされることになる。
更に、この日は過剰予約で目が回るような忙しさと来ている。こんな夜に何かが起こらないわけがない。そして、クライマックスで、その”何か”が起こってしまう…。
セリフも多いしカメラも目まぐるしく動くので、90分強という尺でも、それなりに入り込んで観ると結構疲れる映画かもしれない。それでもこの緊迫感と臨場感は、やはり他では得難い”体験”だった。こういう映画は、集中力を要する映画館でこそ味わいたいものである。
ただ、映画だからいいものの、実際にはいくら有名レストランでもこんなに騒がしい場所では余り食事をしたくないと思ってしまった。全体的に映像がロウキーなせいか、せっかくの料理がそれほど美味しそうに見えなかったのも少し勿体なく感じられた。
残念。。
何の前情報も無しで、単にロンドンが舞台ということとワンショット撮影ということで鑑賞。
序盤、パッと見の印象は、ワンショットのためか画面が小刻みに揺れるのが気になった。確かに臨場感はあるのだが、途中から安定したものの、もう少し長い時間見てたら酔ってたかも。
繁忙期の人気レストランの戦場のような忙しさを描く本作。厨房・フロアそれぞれのスタッフのそれぞれの苦労・不平不満の嵐・・・・なのだが、、この店、そもそもキャパオーバーだろう(笑) 客数(席数?) に対してスタッフが少な過ぎでは?仕入れも満足にできてないようだし、やる気なさそうな者、サボってる者もいるし。そんかしっちゃかめっちゃかな中、責任者のアンディは携帯電話に何度も出るわ、客席で話し込むわ、急に新人の指導始めるわ・・何だこりゃ??さらに皆を忙しくさせてどうする??自分はこんな状態なのに周囲のスタッフにキレて怒鳴ったりする彼には全く共感できず。。ドレッシングの容器みたいなもので四六時中何か飲んでるのもシェフとしてどうなのか。すごく違和感。薬物摂取のためなのか、肉体的・精神的諸々の限界が一気に来たのか、最後はそのアンディが倒れて終わり。
個人的にはアンディみたいな人と働きたくないし、この店で食事したいとも思わないな~。スタッフも来店客も含めて、何か終始、人間のイライラ・怒気ばかり見せられた感じで、救いようのないストーリーだった。せっかくロンドンが舞台なのに街並みすら全く見られず残念。
手法が目的ではない
見終わった後、フランス映画なのかと思った。
何を見せたいのか、それがどんな演出だったのか、分からない人には分からないんだなぁ…と、Proレビュアーに少し呆れてる。
レストランに食事に行く前に観ましょう
クリスマスで大繁盛の人気レストランでの一夜の騒動をワンカットで描いたドラマで、なかなか面白かったです。ごった返す店内や厨房内で、次から次へと起こるトラブルを上手くキャラをバトンタッチさせながら、カメラがどこまでも追いかけていくので、臨場感がハンパないです。飲食業や接客業の経験のある人には、身につまされるかも。主人公のシェフも、役人には叩かれて、部下からは突き上げを食らう、まさに中間管理職状態で、最後は燃え尽きてしまうあたり、むしろサラリーマンの一生を凝縮した感じです。惜しむらくは、もっと手元の調理シーンや料理の映像も欲しかったかな。主役のスティーブン・グレアムは、くたびれた感がぴったり、スーシェフ役のビネット・ロビンソンは頼り甲斐のある姉御肌でインパクトありました。
綱渡りの厨房。
客のどんな無理難題な注文もプロシェフたちの華麗な捌きでしのいでゆくレストランの一夜をドキュメンタリータッチで描いた作品かと思いきや、意外にも主人公をはじめとする登場人物一人一人の苦悩や葛藤をリアルタイムで見せる見事な人間ドラマに仕上がっていた。長回しによる一切緊張感の途切れない演出もお見事。
いまや繫盛店となったレストランのオーナーシェフアンディだが、仕事に忙殺され家庭はすでに崩壊しており、愛する一人息子の面会にも行けない。
シェフとしての腕前は一流だが、そんな状況下で次第に仕事もおろそかになり、常に酒とドラッグが手放せない状態に。
そんな彼に周りのスタッフの不満がつのる。仕事には遅れ、仕入れも滞りがち、料理の下ごしらえも出来ておらず、あげくに衛生管理も怠り店のランクを下げられてしまう。
また、一見店を上手く仕切っているかのような支配人は共同経営者の娘で、予約過剰による厨房スタッフのオーバーワークにも気づかず、給仕も仕切れないファザコンである。
こんな状況下で店は繫忙期の一夜を乗り切られるのか。まさに綱渡りの一夜が幕を開ける。
店はオープンし、ただでさえ忙しい中、レイシスト親父によるあからさまなクレームや、迷惑系ブロガーのわがままな注文、そして極めつけはアンディの元雇い主が評論家を連れてこれ見よがしに料理に注文をつける始末。
そんな状況下でも辛うじて切り盛りしていたアンディだったが、ついに恐れていたことが起きてしまう。アレルギー体質のお客に禁忌食材が入った料理を提供し客が発作を起こしてしまうのだ。
原因がアンディにあったことが発覚し、周りのスタッフはついに我慢の限界(ボイリングポイント)に到達。助手のシェフは今までの不満をぶちまけ、片腕のカーリーは店を移ると言い出す。
限界点に達したスタッフたちを見て、アンディは気づいたはず。これが正常な人間なのだと。限界に達すればぶちまければいい。そうでなければ人は正気なんて保てない。
酒とドラッグで正気を保ってきたアンディの限界はとうに過ぎていたのだ。ただそれを遅らせていただけだったと気づいたアンディは酒とドラッグを断ち切る決心をし、その場で倒れこむのだった。
いずれは生じるであろう人間の限界点。それが起きる様をレストランを舞台にスリリングに描いた本作は、まさに人の心が折れる瞬間をリアルタイムで感じられる最上のエンターテイメントだった。
そして一人の人間の破滅を描いてはいるが、同時に再生を予感させるラストで本編は幕を閉じる。
沸点を迎えた先に
スタッフの怒り爆発。
主人公は心身が爆発。
冒頭から不安定な精神状態の主人公、キャパオーバーの仕事量に混乱する厨房、コミュニケーションにやや不安がある外国出身の新人スタッフ、食品アレルギー持ちの客の来店。蓄積していた問題にバッドラックも重なり、もうイヤ~な予感しかない中で大方の予想通りの事件が発生。どんどん憔悴していく主人公を見るのが辛い。
意外性、驚き、派手なドラマは無し。
ラストは主人公が過労死したという事で合ってるのかな。倒れた後のいびきがリアルで怖かった。
仕事中なのに家族がちょこちょこ電話してくるのはイギリスではあるあるなの?それともただのイライラ演出の一つ?
一番グッときたのは、若い見習いの男の子のリスカ跡に偶然気付いたスタッフのおばさんが、なにも聞かず彼を抱き締め二人で涙を流すシーン。
対して主人公は周りに理解されず酒臭いオッサン等と罵られ、言わなくていい事をポロッと漏らしてしまいフォローしてくれていた有能な仲間にも見捨てられる。最後、アルコールや薬物への依存からどうにか抜け出そうとする意思が見受けられた途端力尽きてしまう。なんだか救いがないなぁ、と悲しくなってしまった。
沸点の後
2021年。フィリップ・バランティーニ監督。ロンドンの一流シェフが手掛けるレストランの内情は問題だらけ。一番の問題は料理の腕は超一流のシェフ自身にリーダーシップや生活力がないことだが、オーナーの娘でもあるマネージャーは上から目線で料理人にあたり、皿洗いは仕事をせず、見習いは自殺未遂歴があり、フランスから来たばかりの下料理担当は英語を聞き取れない。そこへ、明らかに人種差別をする白人男性客がホールの黒人女性に嫌がらせをし、今や売れっ子タレントとなったシェフの元相棒が料理批評家を連れて表れて、、、という話。
ワンシーンですべてを撮っているという触れ込み通りの緊迫感はあるが、さらに緊迫化を生んでいるのは、登場人物たちが次々と「沸点」を迎えて感情を爆発させていくなか、内面の心理状態からも外面の資金繰りや人間関係からも徐々に追い詰められていくシェフの様子。シェフが「沸点」を迎えることで物語は終わりとなる。
人種規範もあらわだが、ジェンダー規範もあらわで、男たちは「沸点」を迎えてそれでおしまい、なんの後処理も修復もしないが、女たちは「沸点」を迎えたあとで修復の努力をして人間関係を続けようとする。ナルシストな男、インクルーシブな女。これこそジェンダー的に問題のある描き方かもしれないが。
最初は酔いそうと思った長回し映像も
慣れたら次はどんなドラマが切り取られるのだろうとワクワク。
全てを後回し・蔑ろにしてきた、いわば因果応報ってやつですね😕
長回しと無駄のないラスト、好きな感じです。
追記:キュートなバーテン役はドラマONE PIECEのサンジ役タズ・スカイラーくん。レストランにいる女性好きの役なので重なるところがありますね笑
緊張感を味わう映画
ポスターに惹かれて、予告編も観ずにすぐさま鑑賞。レストランの一夜に起こる出来事を扱っている点が、レストランサスペンス映画の「ディナーラッシュ」を彷彿したので、期待感を持って鑑賞した。
タイトルにもあるように、いつ主人公がブチ切れるのかハラハラしながら観ていると、案の定、様々な問題がレストラン、そして主人公に襲いかかる。
映画の見どころともいえる、ボイリングポイント(沸点、人がキレる瞬間)は何処なのだろうと思いながらドキドキしながら観ていたのだが、主人公が内気な性格なのか、周りのスタッフのキレ方が勝ってたようにも見えた。それが、主人公に追い打ちをかけてしまったのかもしれないが、主人公が終始、可哀想に思えてしまった。まぁ、内気で頑張り屋な人間の怒りの沸点を表したのだとしたら、満点かもしれないが、この映画のテーマは、「クリスマスなのに救いがない」ってことかと思ってしまった。
強いて良かった点を挙げるとすれば、ペイストリースタッフ2人のやり取りと味見のシーン。あそこは良かった。終始、無表情の主人公が味見シーンでは笑顔だった。甘いものは人を癒す力があると思わされるワンシーンだった。でも、逆に言えばそれだけ。あとは、他の料理映画であるような話が多い。ライバル登場、オーナーとの関係性、チームワークの悪さなど。
ストーリーに関して言えば、クリスマスなのだから予約オンリーでインフルエンサーの来店はカットして、ペイストリースタッフの作ったレモンクリームのパイを器に盛り付けたところが観たかった。料理で自信をつけることができるという前向きなメッセージがあると、全体的にダークなトーンのこの映画に多少なりとも希望が見いだせたのではないかと思う。
人種差別など色んなテーマが随所に見られたが、詰め込みすぎな気もするのでこの評価とする。90分回し撮りの撮影技術は凄いと思うが、料理を扱う映画なので料理をもう少しアップで観てみたかった。
※ この映画が合わなかった方には、「ディナーラッシュ」という映画をオススメします。レストランの一夜を描いた映画で、スリリングでオチもあり、スッキリできると思います。
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