ボイリング・ポイント 沸騰のレビュー・感想・評価
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どこにでもあるような、人と人の衝突、職種の違いによる衝突、見えてる...
どこにでもあるような、人と人の衝突、職種の違いによる衝突、見えてるものの違い、プライベートの問題が影響してくる、働きに見合わない賃金、立場を使って言いたい放題の客
そういうものが一晩に全部吹き出してしまったお話、という印象
え?お店どうなるん?
あらためて食事を扱うお店は短い時間で解決しないと駄目なことが
多すぎて大変やなあと思った次第。
特にワンショットがその緊迫感を直接訴えてきた。
が、共同代表辞めるわ、自分の体調はよくないわ、借金どうすんの?
家庭内(別居中?)も泥沼。
最後どうするつもりやねん?寝てたらアカンで。
60点
1
アップリンク京都 20220728③
圧巻のワンショット撮影
なんの予備知識もなく時間が空いていたのでたまたま鑑賞しました。
いやあ、よくこのテーマで、この狭い世界でワンショット作品をやると決めたのはすごいし、よく出来た作品でした。
・冒頭、店に向かうシェフ、電話でなんか話てますが、正直、英語なんだろうけど、何語を話しているか分からない。これが、後々、効いてきます。すげえ、種の仕込み方。みたいな感じでいろんなところに様々な「仕込み」があります。ボケっとしていると見逃します。
・マネジメントの教科書として良い教材と感じました。衛生管理、組織マネジメント、人事政策、モチベーション、コミュニケーション、役割分担、派閥、権限と裁量、そして社会問題、危機管理対応だったり。この時間で、このお店の中でのワンショットでこれだけを無理なく詰めちゃった手腕には驚嘆しました。
・それぞれのキャラのそれぞれのストーリーが無理なく無駄なく自然に移り変わっていく組み立ては見事です。
・掛け合いがかなり面白い。お互いに罵倒したり、指導したり、注意し合ったり、慰めたりと会話がなされますが、それが面白い。特に喧嘩っぽいところは思わず笑ってしまいました。
・そして、ラストが衝撃でした。ここだけ撮影が変わりました。ラストもとあるマネジメントが求められます。とても大事なことでした。
とても地味なテーマで地味なステージですが、とても大事なことを伝えてくれた貴重な作品として高く評価します。
起こるべくして起きている珍事の繰り返しな店の一日
私自身が飲食業に従事しているからこそ、ヒヤヒヤしながらもだらしなさに早送りしたくなるような映画だった。珍事が繰り返し起こるが、管理者もスタッフもだらしなさの中で毎日を過ごしている。きっとこの一日だけでなく毎日がこうなんだと思う。
高級レストラン?であればこその何かを何も感じることができなかった。
スタッフ通しのやりとりの罵声が客席にも届いているだろうし、下品なやりとりやスタッフ各人のだらしなさが高級店に足を運ぶような客層であれば違和感しか感じないのではと思う。
で!!これだけ醜い時間の最後にオチすらないのだ。
脚本家はこの映画の中で何を伝えたかったのか。
PRにしてもあまりにも実際の映画とかけ離れている売り文句にうんざりした。
ワンショットでは描き切れない
冒頭の入りから終わりまで、1秒たりとも目が離せないほど引き込まれる。これぞワンショットと言える作品。
作中では、縦横の人間関係だけではなく、黒人差別や同性愛者の問題、薬物やアルコール依存など様々な問題が取り上げられている。しかし、その多くは触りを描くのみに留まり、本質あるいは問題提起の域に達していない。見方によっては、昨今注目される諸問題をワンショットしただけとも受け取れる。
その一方で、これらの問題は古くから日常に存在しており、解決どころか話題になることも少なかった現状をワンショットしているとも言える。どちらにせよ、アンディらが抱える問題は一見他人事に見えるが、我々が共感できる要素を綺麗にワンショットした作品である。
映画鑑賞の入り口にお勧めしたい
人生は予測不可能
レストランを舞台にした映画だと当然グルメ情報が話題の中心になり、おいしい料理が次から次へと登場するかと思いきや、この映画は一風変わっていて、レストランに関係する人物たちの人間関係がテーマで、中でもプライベートも仕事もストレスにまみれたオーナーシェフの波乱に満ちたスリリングなクリスマスの一夜を描いた作品となっている。
妻子とは別居状態、衛生管理調査では店の評価を下げられ、オーナーシェフのアンディは人生の崖っぷちにいた。さらに、信頼できる相棒の副料理長は給料に不満で他店に移ることを考えていたり、若い黒人女性従業員が白人客から人種差別的な言動を受けたりという様々なトラブルが持ち上がっているが、予約過多の店は満席となり、厨房には怒涛の勢いでオーダーが舞い込んできた。
そんな中、ライバルシェフがグルメ評論家を連れて来店し、アンディに脅迫まがいの取引を持ちかけてきた。そして、さらに追い打ちをかける緊急事態が勃発する。
ついに、アンディは我慢の限界であるボイリングポイント(沸騰点)を迎える。
昨年観た映画の中でこの映画は特に印象深いのだが、それは、全編90分間ワンカットで撮影されているため、他の映画にはない臨場感、緊迫感があったからだと思う。90分間というと、ちょうどレストランで食事をして滞在する時間と同じくらいになるが、この1回の短い食事時間の間にこれだけのハプニングが起こるとすると、本当に人生とは予測不可能なものだといわざるえない。
長回しによる緊張感
「管理を怠ると自分に帰ってくる」を伝えたい作品。
ワンカットの90分間をどう見せるか?
カットを入れてもいいんじゃないか?
見終わった後、これで終わり?
と思ってしまうかもしれないが、
「ラストの過労で倒れる」=「ボイリング・ポイントラスト 沸騰」のタイトル回収を観せたかったのだろう、クリスマスの忙しいレストランをワンカット撮影にしたのは。
カットがない為、一人一人を追いかけての撮影になるが、一人一人の格好、出身、表情と少しの会話でその人が過去何があったのか、今何を思ってるのか、どういう立場なのかを、説明なしで観せているのが凄く引き込まれた。
面白いことに、その場の何気ない会話や出来事を、気づかないうちに伏線とし、90分の間で回収していく、正直観ていて飽きがこなかったです。
緊迫の瞬間
期待通り最後まで目が離せない従業員たちの物語
POV視点のような臨場感でかつ長回し風で舞台が薄暗いこともあり、どことなくRECシリーズを伺わせるようなホラーな雰囲気も感じていたのは僕だけだろうか?(笑)
はてさて本作、バイト時代を思い出させるような緊張感で落ち着いて観れなかった人も多いのではないだろうか?
まさに期待通り画面に釘付けになったままその行く末を見守らさせるような感じで、忙しいレストランの緊迫した空気感が存分に演出出来ていたと思う。
それは映画”セッション”のような没入感と緊張感で、ポスターからも期待していた緊迫感満載のとあるレストランの一夜、というドキュメント風映画に完璧に仕上がっていた。
特に働いていた経験の有る方なら共感出来るようなポイントも多く、作中でも一部クローズアップされていたように下っ端は楽な立場なのだ。特にあのような高級料理店ともなると結局はベテランのシェフ達が頑張らないと回らなくて、バイトのような下っ端に出来る事は限られてくる。
例えば黒人のお兄さんがあのクソ忙しい中サボっていて批判的に描かれていたが、彼に出来る仕事は限られているのだ。なので、現場に加勢する事は出来ないしあの程度の仕事しか任されていないので、結果的にその仕事に時間を掛けるような働き方をしてしまう。
これは決して誰が悪いとかでもなく、雇われている従業員の数と役割分担の結果なのだ。特に日本の場合その辺厳しいので、善意での余計な加勢はしないほうが良いと未成年に忠告しておこう。
店長が現場でクソ忙しそうなのもリアルで、”その店長の指示”だからこそ曖昧な指示でも部下は疑問を呈さず、結果的に混乱が発生するというのもリアルだ。現場レベルでは上司の、特にその場のトップに立つ者の指示や判断は絶対で、それに唯一抗えるのがカーリーのような古くからの相方ポジションの人間。
それはつまり、結局はこの二人のさじ加減で現場は回っているという事であり、それ以外の人間が舵を取ることは出来ないのだ。
これは恐らく飲食に限ったことではなく、様々な現場で起きている問題だと思う。一見して沢山の従業員が居るように見えても、その役割や権限はそれぞれ違っていて、結局はその中の一人二人の数える程度の人間だけが根幹の部分を支えている。そして、それが彼らをやがて蝕む。
本作中ではあまりクローズアップされなかったが、キッチンの向こう側に有るバーカウンターの従業員達はそこまで忙しそうでもなくむしろ楽しそうに勤務していたのが分かる。人生を生き抜く上では、ああいったポジションが最適なのかもしれない・・・・。
傑作
ワンショットの醍醐味
ロンドンの高級レストランを舞台に繰り広げられる全編90分ワンショットという奇跡のような一作。
縦横無尽に動き回るカメラワークも素晴らしい。本当にレストランにいるような臨場感があり次々に巻き起こる予測不能な展開も面白い。
ワンショット映画の醍醐味を存分に味わえる作品。
2022-170
疲れた人みんな見て
最悪の金曜日。でもほんとに最悪なのは主人公アンディ。その場しのぎで口先だけで、どうやってこの店をここまで有名にしたのか謎すぎる。
パティシエの若者とおばさまの抱擁には涙しました…。全員が崖っぷち。全員がボーダー超えちゃってる。最高。明日からも仕事しよ。
【”アンダー・プレッシャーの果て・・。”レストランシェフ、スタッフの過酷な労働環境、人種差別、ワークライフバランスを一夜のドラマに盛り込んだ緊張感溢れる作品。組織管理の大切さを暗喩した作品でもある。】
ー 舞台は、英国ロンドンの高級レストラン。オーナーシェフのアンディ(スティーブン・グレアム)は妻子と別居中らしく、ストレスをため込んでいる。
そして、クリスマス直前の夜、彼の店は抜き打ちの衛生管理検査(HACCP)でランクを5から3に下げられる。アンディが忙しさの為、管理表をしっかり記載していなかった事と、スタッフが手洗い場所を間違えていた事などから・・。
アンディのストレス、プレッシャーはこれだけではなかった・・。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・冒頭から、アンディは頻繁に何かの飲料をペットボトルから口にする。何だろうと思っていたら・・。
ー ラストとの連動性が見事である。-
・そして、アンディは食材の発注も忘れている事に気付く・・。
・父から店のホールを任されたベスは、予約過多にも拘らず、予約なしの客を受け入れたり、アレルギー持ちの客の情報を、紙で渡したり・・。
ー ホールの責任者であるベスと、厨房スタッフとの連携の悪さ・・。そして、到頭、スー・シェフのカーリーが切れ、”アンタなんか大っ嫌い!厨房スタッフ皆がアンタが嫌いなんだよ!”と、言い放つ。
ベスはWCに入り、父に泣きながら電話をする・・。店の組織管理が滅茶苦茶である。-
・更に、アンディと関係があるライバルシェフ、アリステア・スカイがノン・アポでグルメ評論家と来店し、アンディの苛苛はさらに募って行く。
・遅刻常習者の黒人男のやる気ない態度や、リストカットしている若者・・。
ー 店の人員管理も無茶苦茶である・・。-
・尊大な態度で、黒人スタッフに差別的な発言をしたり、ラム肉の焼き加減でクレームを付ける客。
ー 高級レストラン”あるある”であるが、あれはなあ・・。-
・そして、到頭アレルギー持ちの客が倒れ・・。
ー ホールと厨房との連携の悪さが、最悪の形で出てしまったシーンである。-
・ストレスが限界に達したアンディは、到頭クスリを使い、更にはペットボトルの中身が”酒”であると分かるシーン・・。
ー その前のシーンで焼き担当のシェフからいつも”酒臭い”と言われていたが・・。-
<良いレストランや、小料理屋はどんなに忙しくとも、その忙しさを客には悟られないようにするものである。
そして、そのためには各担当が、キッチリと仕事をする事が大前提なのである。
今作は、予約過多による、レストランシェフ、スタッフの過酷な労働環境、人種差別、ワークライフバランスを一夜のドラマに盛り込んだ緊張感あふれる作品なのである。
こんな店には、行きたくないなあ・・。>
<2022年9月11日 刈谷日劇にて鑑賞>
■好きなシェフ映画、幾つか・・。
・「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」(三ツ星)
・「二つ星の料理人」(二ツ星)
・「幸せのレシピ」(三ツ星)
・「デリシュ」(二ツ星)
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