「日本人の原罪か?」私のはなし 部落のはなし koozyyさんの映画レビュー(感想・評価)
日本人の原罪か?
なにしろ日本人というものは、潜在意識の中に、神道を抱えて生きている。
神道は兎に角ケガレを嫌う。何かというと浄めたり祓ったりする。ケガレの最たるものは死や血である。そこに触れたら浄めないと気が済まない。今でもそうでしょう。
だから、常にケガレに触れる仕事をしている人は一ヶ所にまとまって離れて暮らして貰いたい。「助かるなあ」とか「ありがたいなあ」とか思う反面、「怖いな」「近寄りたくないな」と思ってしまう。それが共同体の意識じゃないかな。想像ですけど。
そうやって江戸時代までやってきたのに、明治政府が無理矢理新平民なる身分を作って、差別するべからずという。しかも、我々にケガレを忌む心を植え付けた、神道の最高祭祀である、天皇の名の元にである。急に同じ人間ですよと言われて、同じ立場や仕事に就かれても、そりゃ混乱したのだろうな。少しはリスペクトしていたはずなのに、穢らわしいという気持ちだけが増長したのではないか。
別に、身分制度が有った方が良かったというわけじゃない。ここは日本国民どうし、歴史を冷静に見つめて、何十年何百年経っても人間というものは中々成熟しないものだなあと俯瞰的に自らを省みることが、この問題を乗り越える為には必要なんじゃないかな、なんて思いました。
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