チロンヌプカムイ イオマンテのレビュー・感想・評価
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原日本・縄文の流れを残す、原日本人の在り方を見た
プレハブの「ウポポイ国立博物館」に行くよりも 100倍アイヌがわかる、素晴らしい映画! 北海道中の8のアイヌ部族の踊りもある! 翁の奥さんや、孫たちは日本人離れした西洋顔。 沖縄に似ている。 歌は、独特のトランス周波数を出す。 昔の縄文人はテレパスと言うから、宇宙へ願いを届けるのだろう。 アイヌと沖縄の方は、一番古い日本人・縄文人に近い遺伝子という。 混血で薄くなった我々が、憧れても困難な、原日本人の血の伝統である! 自然を敬い 動植物の命を大切にし 自然に寄り添って暮らす、アイヌの人々。 災害で電気が止まっても ネットが使えなくても 騒がず。 食料不足になっても狩猟・採集で生きていける。 素晴らしい生活力は、どんな災害でも生きていけるだろう。 子供たちは村から出たいというが、その生活技術を持っているのだろうか・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 京都では公家の漆器 「行器(ホッカイ」で、甘酒を作り 京都では貴族の茶碗 「天目台」付き茶碗が、祭祀の最上の茶碗である。 そして、その茶碗の家紋は、源氏の「三つ巴紋」! 飲み方も、「天目台」の貴人作法そのままであるのには驚愕であった。 翁は、義経神社のある、「平取アイヌ村」の沙流川出身だが 源義経が、その儀礼を伝えたのか・・・? そう考えると、、無性に北海道へ行きたくなった。 また、帽子が、高僧が最高礼装でつける帽子に形そっくりであった。 大切にして頂きたい。
違うけど同じという生と死を尊ぶアイヌの豊かな世界観
明日が名古屋の最終上映、その前日の今日。 今池のシネマテークで、チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテを観てきました。 ドキュメンタリー映画なので、そのままがスクリーンに写し現れるわけですが、そうした場の共有を現実であるかのように受け取り、感想を述べることは違う気がしますが。 それを承知で、わたしなりに書いてみます。 アイヌの世界観は、これほどまでに豊かなのかと思い知らされる映像でした。 まだ、現地に行ったこともないけど、わたしなりにアイヌに興味を持ち、ちょっとかじっただけの知識でまったく理解はできてないけど。 久高や熊野で。 奥三河の山中で行う修験の祭りの中で。 郡上白鳥の六ノ里や、石徹白の中居神社でも。 アイヌに近いものを感じたり。 実際に何度かアイヌの方たちとも出会ってる。 そして、強烈に感じるものがある。 わたしとの大いなる違い。 それと同時に、まったく一緒ではないのに、同じものを感じるのだ。 それはこの映画でますます深まった。 違うのに、同じ。 これがとてと大切なことだと。 あるとき、歴史の中で歩んできた道の違いを知って尊重しあい、生まれくるところから互いに同じくするところで触れあえば魂も震える。 クマのイオマンテしか知らなかったけど、初めて知るキタキツネのイオマンテ。 わが子のように育てた動物を殺すのではない。 生と死をこれほどまでに豊かに祭り上げることができる人間という存在の意味。 現代的価値観ではけして何も語ることはできない。 これは知識で知っても何の意味もなさない世界だから、その時代、そのときその場所にいたとしても、部外者のわたしがどこまで理解できるかわからないけど、カメラはちょうどいい距離感でとらえてて、とても伝わってきた。 撮影された時は、ちょうどわたしが中学生の頃か。 その頃、まだこのような祭りが行われていたのだ。 35年前の映像に、当時のわたしと同い年くらいのエカシの孫が出てくる。 北村監督の秘蔵のドキュメンタリーが、やっと世に出たのが今の時代ということに、なんだか胸が熱くなる。 そして、その後どうなったか。 最後に、35年後の現在の映像が挿入され、映画として完成していた。 ナレーションと挿入歌の豊川容子がまた、映画をより深く、優しい響きで包んでくれた。 カムイと人間。 動物と人間。 それらはまったく違うけど、まったく同じなのだ、といつも教えてくれる。 そんなアイヌの、わたしが大好きな世界観。 いつかどこかでチャンスがあれば、ぜひ観てください。
アイヌ文化の記録ドキュメントとして大変貴重な作品です。…けれど、観るのに心の準備が必要な場面もありますので心してご鑑賞ください。
アイヌ文化に昔から興味があるのと、
中川裕先生(※) が語訳(アイヌ語⇒日本語)で
参画されているのもあって鑑賞してきました。
(※「ゴールデンカムイ」の監修を担当された方)
◇
イオマンテを記録したドキュメンタリー。
その点において大変貴重な作品と思います。
また、イオマンテの記録に限らず
アイヌの風俗(歌や踊り)も撮影されていて
それも興味深く拝見いたしました。
イオマンテ とは
動物の姿で現れた「神」を、国に送り返す儀式。
「熊」を神の世界に送る話が多いと思うのですが
この作品中では 「キツネ」 でした。
キツネもイオマンテの対象なんだと知りました。
※
クマとキツネでは、たぶん
イオマンテのやりかたも違うそうなのですが
いずれにしても今回初めて見ました。
アイヌの精神世界が見えてくる儀式です。
アイヌの精神世界 とは
#目の前にいる動物は、「神 (カムイ)」である。
#「神」 が肉と皮をもって降り立った姿である。
#訪れた神を、おもてなししなければいけない。
#お土産をたくさん用意し御幣(イナウ)を捧げ
#神の国へと送り返そう。 すると
#神の国に戻ったカムイは神としての位が上がり
#喜んで再びアイヌを訪ねてきてくれるのだ。
☆ 概ね、このような感じかと。
(…間違ってたらゴメンなさい …大汗)
なので
この作品を観るにあたって
「人間(アイヌ)と神(カムイ)は対等の関係であり
儀式を通してお互いに栄えていく関係である」
これを常に念頭に置いておくと良いかと思います。
(これは本当にそう思いマス)
※その視点から離れてしまうと
「動物虐待」 という風に受け止められてしまうので…。
◇
というわけで
貴重な映像を観ることができました。
観て良かった。
ただ、万人向けの作品ではないです。
アシリパさんも出ていませんのでご注意ください。
(…いない? ですよね)
◇最後に(余談気味)
「ゴールデンカムイ」 では、アイヌの文化を
すごく詳しく描いていました。
特に、動物を食べるシーンの生々しさが
とても印象的でした。
(アシリパさんは脳味噌大好きだし…)
アイヌ文化の啓蒙としては「ゴールデンカムイ」が
大いに役目を果たしたように思いますし
この作品も
アイヌ文化の映像の記録として
大いに価値のあるものと思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
観客側のリテラシーが問われる
再現されたイオマンテを忠実に記録した素晴らしい映像だ。しかし、ツネ吉のモノローグや挿入される音楽等、過剰な演出がいちいち鑑賞の邪魔をする。監督いわく、アイヌの人々の意図を伝わりやすくするため(間違ってたらごめんなさい)というようなことを言っていたが、それはパンフレットで書くとか、後から付け足せばいいことではないか。 監督の思いが強すぎたのか、この映画は「偏った」映画になっており、ドキュメンタリーとしては失格だと言わざるを得ない。ツネ吉が殺されるシーンのモノローグなんてちょっと気持ち悪かったですよ。よくある環境啓蒙系ドキュメンタリーみたいで...
アイヌ文化の勉強になりました
私たちは動物の命をいただいて生きているんだな、と改めて考える機会になった作品でした。 自然の大切さを感じました。 イオマンテは熊を送るお祭りだと思っていたのですが、キツネなど他の動物もあったんですね。 いろいろ勉強になりました。 アイヌの踊りも興味深かったです。 いつかウポポイに行ってみたいと思いました。
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