「伊坂幸太郎?」ブレット・トレイン U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
伊坂幸太郎?
かなりぶっ飛んだ世界観ではあるものの…ブラピのキャラ設定の賜物か、非常に面白い。
日本人作家が原作故なのか、結構繊細なタッチの部分もあり、京都までの各駅で降りられない理由とかは無理がないように思う。
ただ…あんな事が車内ないしは各駅ごとに起こっていたら、確実に電車は止まると思われる。とは言うものの、そこはもう割り切ったもんの勝ちなんじゃなかろうか。
ホームで爆破は起こるは、非常口はぶっ飛ぶは、明らかな凶器を携えた人物がホームで待ってるとか…ありえない事のオンパレードなのだ。俺は割り切れた人なのでラッキーだと思う。むしろ、もっとやって欲しいと願ってしまう。マニュアル至上主義な日本のシステムへの反抗なのであろうか?
次から次へと降り注ぐアクシデントは突拍子もなく発生し、ブラピを渦中の人へと誘う動線がこれまた素晴らしい。アイディアの源泉が大胆なだけではなく、その隙間を埋め尽くすような繊細さで溢れていたりする。設定の妙を感じるも秀逸なカット割でもあったのだろう事が伺える。
かなりバタバタなコメディではあるものの、そのストイックな裏側を一切表に出さないプロ意識の塊のような出来栄えであった。
勿論、ブラピのリアクションを見てるだけでも充分に面白い。めっちゃハマってるようにも思う。
一見頼りなさそうなんだけど、大胆不敵というか、どこか動じてない胆力の強さとか…冒頭にナイフで襲われたりすんだけど、その最中に彼はブリーフケースをクルクル回す。そんな描写が至る所に挿入される。
不運の持ち主ではあるものの、それを跳ね除けて掻い潜ってきたからこその背骨を凄く感じられる秀逸な演出であった。
父親関連の背景がちょいと居心地は悪かった。
随分と回りくどい。
そして影の首謀者である彼女にとっては、とてつもないアクシデントの目白押しだったのではなかろうかと思うのだけど…まるで別の列車にでも乗ってるかのような空気感。
まぁ、色々と不都合な事が都合よく起こりはするので、いいっちゃあいいんだろうけど。
後はまぁ、伊坂幸太郎さんの作品を読んだ事もないのに、こんな事言うのもどうかとは思うのだけど、原作に忠実な映像化では内容に思う。
内容からして違うんじゃなかろうかと…w
ぶっ飛んでた。
いや、こちらとしてはとてもとても面白いエンタメ作品を提供してもらえたので大満足ではあるのだが…w
■追記
他の方のレビューに「原作再現率最大の作品」とあり、原作者の弁だとあった。
お見それしました…ハリウッドエンタメが過分に付与された作品と思っていたが、そうではなかった。
しっかりハイブリッドな作品だったのだな。
伊坂幸太郎さん…読んでみようかなあ。