劇場公開日 2022年9月1日

「今年ベスト級!!(原作との相違が許せるなら)」ブレット・トレイン 南野コミチさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今年ベスト級!!(原作との相違が許せるなら)

2022年9月2日
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文句なしのおススメ映画です!!

伊坂幸太郎ファンです。その中でも特に本作の原作にあたる『マリアビートル』は伊坂作品最高傑作だと思っています。高校時代、かぶりつくように一気読みした記憶があります。今も本棚にはすりきれてボロボロになった『マリアビートル』が並んでいます。

本作『ブレット・トレイン』。確かにあちこちに「誤った日本描写」がありますが、
それでもそれを補って余るほどに「サイコー!!」な映画でした。

起承転結、どこをとっても退屈なシーンがありません。

それもこれも「終点まで止まらない新幹線の中で殺し屋たちが殺し合う」という、ちょっとやそっとのことでは面白さが損なわれることのない強い構造があるからだと思います。

新幹線が進むと同時に、否応なしにストーリー自体も前に進むために物語が停滞することがないのです。スカッとするという目的で見る映画として、これは強い。本当に面白く、これから何度も見返すことになるアクション映画だお思います。

ただ、ケチをつけられる点もあります。中盤までは基本的に原作のストーリーライン通りに進む本作ですが、クライマックス以降、明確に原作とは違った方向に話が進んでいきます。

この『改変』を許せるか許せないかで本作の評価は変わるでしょう。

原作から抜けている重要な要素や、各登場人物たちの結末等。変わってしまっている点を許容できる人、あるいはそもそも原作未読な人にとっては良質なエンターテイメント映画となるはずだと、自信を持ってお勧めできます!!

南野コミチ