劇場公開日 2023年9月1日

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「家の全てを管理」スイート・マイホーム サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0家の全てを管理

2023年9月3日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

いやぁ〜、ゾクゾクした。
ストーリー自体はかなり雑でツッコミどころ満載だけど、雰囲気は満点。窪田正孝、窪塚洋介の演技力も光り、齋藤工監督の底力を見せつけられたような気がした。日本映画でこの手のタイプで面白いと思えることなかなか無いけど、これはわりとオススメしやすい良作だったと思います。#マンホールよりは断然質高いね笑

ダンスを器用にこなすことで有名な窪田正孝。
新たな新境地であり、今年もまたアカデミー賞にノミネートされるんじゃないでしょうか。呼吸困難となる際の身体の動かし方が、尋常じゃなくリアル。驚き方にもパターンがあり、思いっきり感情移入してしまう。窪田正孝は、挙動不審が上手すぎる。変人役をやらせたら、この人に勝るものはいない。2人の名演によって作品がギュッと引き締まり、見応えもかなり高まっています。

安心と不安の感じさせ方が非常に秀逸。
齋藤工の映画は実を言うと初めてだったのだけど、根っからの映画好きというのもあって、演出のこだわりが素晴らしい。観客も主人公と共に、どんどん闇堕ちしてしまう。気づいたらしかめっ面だし、どっと重くなっている。何かが起こる。起きてしまう。独特な空気感に苛まれ、あっという間に引き込まれ、あっという間にエンドロール。齋藤工、意外とやるじゃん。

回収しきれていない部分や描きの雑さは否めない。正直、原作がどのような小説なのかは分からないが、ツッコミだしたらキリがない。映画にするにあたってカットした方がいい所はいくつかあったし、肝心なところが説明されていなかったりしたから、リアリティを追求したらもっと良くなっただろうなぁとは思った。ラストが見え隠れして、若干読めてしまったのも勿体ない。

ただ、ストーリー展開は上手かったし、駆け足になるようなこともなかったので、ミステリーだと意気込まずに頭を空っぽにして見れば、そこまで気にならずに楽しめるかと。日本映画を支える30~40代俳優たちの演技合戦を見るだけでも、大いに価値のある、珍しいタイプの作品でした。暑い夏にぜひ。

サプライズ
クリストフさんのコメント
2023年9月5日

齊藤工監督の
「blank13」
お勧めですよ👌

クリストフ