「氷面こええ」ブラック・クラブ 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
氷面こええ
ノオミラパスをはじめてみたのはゆうめいなドラゴンタトゥの映画ではなく、ローリングストーンズのDoom and GloomのPVです。Parental Advisoryになっていてぶっこわれた感じの動き/だんすをしていました。気になってしらべたらリュックベッソンが監督していてノオミラパスという女優でした。その後幾つかの映画で見ました。
するどい、神経質なかんじの役が多かったと思いますが、知名とともに幅広くなっていきました。数々の話題作に出ているものの、これと言える代表作がない印象もあります。
男好きはしませんが賢さとテクニックはすごく感じます。
セブンシスターズがラパスのポジションを代弁している気がします。あんな多役できる人なんていないのですが、作品的にはB級気配があります。でもカルト風味もあります。
ハリウッドでの成功があっても軸足がヨーロッパになっているところに値打ちを感じます。
ちなみに前からノオミが日本名「なおみ」のスウェーデン訛りだと思っていたので外国のサイトを幾つかあたりましたがわからず終いでした。
映画は臨場感がありますが巧くないと思いました。
スケートを履いたコマンドチームは珍しい光景で北欧の醍醐味がありました。戦闘での恐怖より割れそうな氷面のほうがはるかに怖い映画になっています。巧い映画ではありませんが氷上のときだけは緊迫感がありました。
また、とても寒くなる映画でした。寒地の戦闘、昔読んだシモヘイヘの伝記を思い浮かべました。
ベルイマン見てても思いますがスウェーデン語ってテープの逆回転みたいです。その寒さに反してなんとなく間延びした温かい響きを感じます。
ポストアポカリプスの話ですがフィクション風味より紛争やレジスタンスに比重しています。よって現実に時事の真ん中にある戦闘を思わずにはいられません。
露のウ侵攻(2022/02/24~)にともなってネットに平和ぼけという言葉が溢れていますが、それを言っているのは紛れもなく平和ボケした日本人です。
映画が好きなにんげんは戦乱や災害に対して、じぶんがさいごまで生き延びるという妄想を抱くことがあります。
わたしもそんな妄想が好きですが戦時にはまちがいなくまっさきにしぬでしょう。
日本人には国防論より先に現実認識能力が必要だと思います。