劇場公開日 2022年5月20日

「世界観構築はとても頑張っている」鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0世界観構築はとても頑張っている

2022年6月2日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

寝られる

私は無理・限界アリと言われる「日本モノ実写化映画」全体のファンです。あの超美麗スカーレット・ヨハンソン草薙少佐の白肉襦袢姿で世界を引かせてしまった「Ghost in the Shell」(2017)に迷わず☆5を付けたように採点も甘い。その上で…
この映画は、前作より更に製作陣・役者さんが精進、とても頑張っていて、なさそうでありそうな異世界の構築がとても素晴らしいです。特撮も自然かつマンガチックで良く出来ている。感心しました。
反面「うーん…」なキャラクター表現や、アクションと感情的場面の反復バランスがイマイチなところが多く感じられ、せっかくのハガレン世界に没入し難い進行になってしまっている感じがしました。映画化用の話というより舞台演劇のようで、冗長かつ情感過多。

そして、なぜか目力ばかりが目に入る主要キャラクターのメイク?や、基本的に人肌が土気色で油っぽい照明・撮影と上に挙げた脚本のチグハグさとチカラ弱さは、こんなに頑張った特撮モノでも感じてしまいました。これは多くの邦画の宿痾、限界なのでしょうか。

ただやはり、グラトニーは完璧です。彼には日本アカデミー賞を与えるべきでしょう。

実写化映画ファンとして次作最終作も是非観たいと思いますが、エンドロールで監督がワタシの中のワースト映画ビッグ5に選出される希代の悪作(ファンの方すまん)の「ベクシル 2077日本鎖国」(2007)を作ったヒトと知ったので、正直ちょっと抵抗感を感じています。

keebirdz