「時間を忘れる楽しい映画」シャイロックの子供たち プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
時間を忘れる楽しい映画
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新しい支店に転勤になった銀行員・佐藤に橋爪が10億の融資を要求。
橋爪の会社の資料は全て粉飾だったが、佐藤は断れなかった。
過去に橋爪から裏金1000万円を受け取ってしまったからだった。
そしてこれが稟議を通る。しかし返済が滞り、連絡も取れなくなる。
会社の所在地にあったのはボロアパートで、名義も他人だった。
こうして大問題になるが、課長の阿部が全ての真相を見抜いた。
10億もの融資が、そんないい加減な審査で通るわけがない。
実は支店長の柳葉が橋爪とズブズブの関係だったことを突き止める。
佐藤は最初からそのために転勤させられたのだった。
支店長って花形なのかと思いきや、数年勤めたら出向になるらしい。
だから柳葉は今のうちに裏金を受け取りまくってたのだった。
阿部が飲み屋で知り合った柄本は多くの借金を抱えてた。
不動産は多々持ってるがボロばかりで、売るに売れないものばかり。
唯一見た目が立派なビルは、耐震偽装の物件だった。
でもそれは柄本が図面を見る目を持ってるから知ってるだけ。
世間一般ではそのビルは一流の物件に見える。
こうして阿部は柳葉と橋爪にこの物件を勧め、15億で買わせた。
映画のようなタイミングで直後に耐震偽装が発覚も、時すでに遅しw
柄本は分け前として3億円くれ、阿部は綺麗ごとはやめて受け取る。
で連帯保証人でヤミ金から返済を迫られてた1000万円を返済。
柳葉・橋爪・佐藤は逮捕され、阿部も会社を辞めた。
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ストーリーがよく練られてて、面白かった。
時間を忘れるほど引き込まれるし、勧善懲悪の痛快さもある。
やっぱり池井戸潤のこのテの映画はハズレがないな。
ただこの映画、阿部と上戸彩の映画かと思ってたが、
上述のストーリーに上戸が出て来ない・・・。
今考えるとあんまり重要な役柄ではなかったな。
最低女の木南から100万円着服の濡れ衣を着せられて、
それがきっかけで阿部が事件の真相を見抜くってだけw
上戸らしく一本気で飾らない、好きな役柄だっただけに残念。
あとよく分からんのが、橋爪って蒸発したんとちゃうかったの?
普通に公の場に出て来て、柄本の物件を購入手続きしてるのは何故?
銀行から借りた10億円を焦げ付かせてるのに?
しかも物件を買う金を、同じ銀行の別支店が融資するって何で???
いくら柳葉とズブズブでも、そんな稟議が通るとは思えんのやが・・。