「悪人が一度に集合した希有な支店」シャイロックの子供たち 落ち穂さんの映画レビュー(感想・評価)
悪人が一度に集合した希有な支店
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支店長は、会社の金を使い込もうとする犯罪者。
副支店長は、昭和まんまのパワハラ上司。
その下の男も、顧客視点に立った発言をした部下を責めるレベルの上司。
営業成績トップの男は、詐欺に荷担した上に現金盗難の犯人。
行員の一人は、気に入らないというくだらない理由で、無実の同僚を現金盗難犯に仕立て上げようとした悪人。
そして、本店から来た監査人までもが、会社の金を遣い込んでいた犯罪者。
で、主人公は、彼らを痛めつける形ではありますが、やはり金を騙し取って、銀行を辞めてしまうという…
凄いです、凄すぎる行員揃いの支店です。
小説なので不祥事を集められるだけ集めたのだと思いますが、評価の低い社員を大して重要でない支店に集めたというのは、人事的にないとは言えないかもしれません。
営業の若手が、病んで神社の灯籠を得意先と思い込み、銀行のポケットティッシュを山ほど積んでお辞儀している姿は、正直泣けました。
また、現金の扱いが雑なお客様係の若手にも呆れましたが、転職失敗してたのはリアリティありました。同業他社、特に金融で不祥事ネタが伝わらないはずはないです、世界狭いので。
個人的にはラスボスより、無実の同僚に罪を着せようとした行員が一番腹立ちました。他の者は金に汚いですが、全く無関係の行員を絡めたりはしてませんから。
映画全体感としては、ラスボスを鮮やかに騙してやっつけたのが痛快でしたので、満足でした。
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