「みんな本当にいそうな人ばかり。誰もが誰かのモデルです。」シャイロックの子供たち グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
みんな本当にいそうな人ばかり。誰もが誰かのモデルです。
メガバンクだろうが、地方銀行だろうが、信金だろうが、とにかくこの業界の経験者なら皆さん納得のシーンばかりです。
ATMの現金装填を思い出すだけでも手の感触が蘇るし、地場企業訪問、無理筋な貸出稟議書で本部と対決‼️なんて場面も懐かしく思い出しました。
金融、不動産、決済に立ち会う司法書士。
どの業界にも足を突っ込んだことのある自分にはもう臨場感が半端なくて。
(でも、ついぞ銀座のママさんとは昔も今も無縁のまま…😂)
この作品は、正攻法で正義を貫くという感じの熱血系ではないので一般的なヒーローものを求めると、いささか違和感を覚えるかもしれません。
欲得、出世、保身、不正な手段での巻き返し…
人間の醜さがふんだんに描かれます。
決して爽やかではないけれど、決して人ごとでもない…登場人物の誰かが、必ず自分の一部の真実でもあるのです。
転職を目論んでいた彼にも〝残念ながら縁がなく〟という趣旨の無情のメール。
銀行の営業店の雰囲気を描いたものとして、バカリズムさんの『架空OL日記』と併せて見れば、かなりの真実(に近い雰囲気)が体感できると思います。
柄本明さんと橋爪功さんの大物対決は見応え十分で、
それだけでも見る価値のある映画です。
【追記】
ラスト他一部は原作と趣向を変えてますが、楽しめるということでは遜色ありません。
それぞれの好みの問題として見るならば、また阿部サダヲさんと上戸彩さんを西木と愛理に当てながら原作を読むならば、相当に味わい深く楽しめると思います。
仰る通りです。銀行員として12年間携わってきた者として同じ思いです。足らないお金を皆で出しあって補填するなんて実際にあり得る話ですね。笑
映画を観ていて辛かった銀行員時代を思い出しました。今では懐かしいだけですけどね。
共感ありがとうございます。
仰る様に、銀行に限らず、どこの企業にでもある上下関係、ノルマの締め付け、パワハラ上司、などが満載、あるあるでした。
半沢直樹のような痛快作ではなく、金に対する人間の弱さ、執着を浮き彫りにした作品でした。帯封が金の魔力のキーアイテムになっていました。
倍返しも、毒をもって毒を制す的な、巧妙でリアルなやり方でした。
半沢直樹の様な直球も良いですが、本作のような変化球も面白いです。
では、また共感作で。
ー以上ー
こんにちは、コメントありがとうございます。
決して爽やかではないけれど、決して他人事でもない、まさにその通りです。池井戸作品の醍醐味のひとつはそういった部分にあると思います。
職場トラブルや人間関係の嫌な面は社会人としてその生々しさにビリビリとします。
本作はキャスティングもよかったですね。柄本明さん、橋爪功さんさすがでした。
仕事帰りに観に行けたのですネ!誰かをモデルにして描いたのでしょうか。ご自身だと映画のキャラクターのなかで誰かに似ていますか?会社員でも働く人が共感できるストーリーでもありました。