シスター 夏のわかれ道のレビュー・感想・評価
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とてもクオリティの高い中国の大衆映画
よかった。二度ほど涙が。そんなにはあとを引くものではないのだけれど、もの凄く単純な仕掛けの中で、とてもシンプルに人情に引っかかってくる。 大衆映画のうまさと中国の社会状況がとてもよくドラマに溶け込んで、予想していたあざとさは皆無。韓国映画のヒューマンドラマ並みにうまい。 主人公はとてもかわいらしいし、親の代のファッションと娘世代のファッションもとてもよく区別されていた。特におしゃれカフェで注文した主人公がいなくなって出されたお茶をポットに入れて持ち帰る、いわば昔の中国人イメージの叔母さんのマトリョーシカとロシア語の話、そして自分の道をいけと告げる件は泣く。泣くといえば麻雀店で耳にタバコを挟んでる弟をみて、乗り込んで行って「帰るよ」のひとことで連れ帰る夜道もとても泣けた。大陸の路地の濡れた舗道がとてもいい。このような邦画は皆無だな、と思う。最近観た邦画がことごとくつまらなかったのだけど、それがやっぱりつまらないんだということを再認識した。
全中が泣いた!
泣いた~、久しぶりに映画観て泣いたよ。 姉役はもちろん完璧な演技だったけど、弟役の演技の凄さよ。 出ている役者すべてが自然な演技。 とても丁寧な映画作り。 中国ならではの家庭事情があるから、中国人の方がもっとリアルに感じると思う。 全中が泣いたね、きっと…。
先入観を取り払って観て
中国映画といえば、比較的近作でもどこか古臭い演出などがある印象なんだけど、本作はそういうところはエンディングテーマを除きまったく感じさせない。むしろ美しい撮影や演出の細やかさなども相まって、良質で現代的な作品になっている。 テーマも現代的で、個人の自己実現と家族のどちらを優先すべきかを、日本とも共通する「男系家族の跡取り」問題と中国特有の「一人っ子政策」を絡めて描いてゆく。ストーリー的にも主人公はあっちに揺れこっちに揺れ、迷いに迷う。 これは例えば「ヤングケアラー」などと欺瞞に満ちた呼び方をされる問題とも同じ構図で、とても普遍的な課題なんだと思う。主人公の最終的な選択が世間的な話題となったというがそれもそうした現れだよね。 主人公姉弟を演じた二人は本当に素晴らしい演技で、何度も涙を誘われた。そうした点も含め、現代中国を代表する傑作なのだと思う。先入観を取り払って観てほしい…
この手の話は感動する
一人っ子政策の悪政の末の話。 ストーリーはよくある話をなぞるようなもの。ラストも分かってはいるし、逆に裏切られる事を想像したが。 ラストは二人は幸せになれたのか? この手の話は感動するしお涙頂戴の童話。しかし映画にするならばもう少しパンチを効かせる、工夫するをしたほうが良かったのでは。 駄目な叔父、賢明に生きる叔母は主人公の対比でありキャラクターが立っててよかった。 偶然とはいえ事故を起こしたドライバーが同じ幼稚園で心を通わせるのはご都合過ぎてヒク要因。
なんだろう 脚本のせい? 悪くはないけど もっとぐっと来ると思って...
なんだろう 脚本のせい? 悪くはないけど もっとぐっと来ると思ってた あともう少し短くできた気がする 迷ったら見なくて良い
スイカのシーン
誰にでも過去や事情を背景に、事によっては「譲れない」ことがあります。そして、他人の介入は当然のことながら、むしろその「過去や事情を知る親類」だからこそ、許しがたく触れてほしくない「琴線」があるものです。 突然の両親の死から、それをきっかけに初めて会うこととなる弟・ズーハンの養育を押し付けられることとなるアン・ラン役のチャン・ツィフォン。自分の過去のしがらみと、否が応でも比較対象として見てしまう「弟」、そして「両親」への想い。複雑な心情だからこ自分の言動に自己嫌悪したりと、難しい役どころを見事に演じています。 それにしても、小憎らしさも含めて可愛らしいズーハン役のダレン・キム。もうズルいです。あんなの見放せないに決まってます。そして、両極端にも思える(母方の)叔父と(父方の)伯母がそれぞれ素晴らしい。特に「(伯母とアン・ランの)スイカのシーン」、姪に甘い真ん中の部分を掬って食べさせ、自分はその余りを切って食べつつ、姪へ優しく気遣った言葉をかける。もう思わず落涙しそうになりした。 おそらく、現代の中国映画ではこれでも「意欲的」なのだろうと思える(まだまだ検閲は厳しいらしい)問題提起として「男性優位な社会と一人っ子政策」や「ヤングケアラーの問題」、また「ネットでのプライバシーの拡散」など、一昔前からしっかりアップデートされていて単に「犠牲に感動をみる」ような陳腐なものにしていません。 それにしても中国人の喧嘩、特にキレた女性は近寄りがたい。でも、よく知ればそれは「愛情深さ」だからこそと気づき、その尊さを感じます。良作でした。
メッチャ切なくて泣ける姉弟関係を表現した中国の映画。 本年度ベスト。
姉のアン・ラン。 弟のズーハン。 この二人を演じた役者さんが凄かった! メッチャ引き込まれた感じ! 二人の会話や行動のリアル感に圧倒。 一人っ子政策の中、望まれない女性として生まれたアン・ラン。 男の子が欲しかった両親がある偽りによりズーハンを生み、必要と無くなった彼女。 親元を離れ、医者になることを夢見て看護師の仕事をしながら医療系の大学院を目指す展開。 両親の突然の事故死により、会ったことも無い弟のズーハンの面倒をみることに。 お葬式で賭け麻雀をするのが中国の定番なのか? 気になります(笑) 最初はお互いに馴染めず仲の悪い二人。 ストーリーが進むにつれ、お互い嫌っていた姉弟の関係が少しずつ変化して行く感じか切ない。 医者になる夢を諦めきれないアン・ラン。 嫌気が差した弟を養子に出す時、ある誓約書にサインをしようとするシーンが泣ける。 アン・ランが涙するシーンでは自分の目にも涙が(笑) ラストは予想出来る感じだったけど自分好みの作品で良かった。 エンドロールの歌の歌詞がとても良い! 弟のズーハンの気持ちを表していた感じでした( ´∀`)
口を出すな
高校卒業以来疎遠だった両親が亡くなり、会ったことのない6歳の弟の世話を押し付けられた女性の話。 伯母さんの家から大学に通い看護師として働き、医者になる為に大学院を目指す女性に、実家に戻り弟を育てろと宣う親戚一同という状況で展開していく。 ちょっと解りにくい親戚の繋がりだったり、中国ならでは?な家や家族や長男がどうたら…日本でも地方の方だと未だにあるのかも知れな いけれど、跡取りがどうとか面倒臭さしか感じない自分にはモヤモヤモヤモヤ…。 そんな背景と計画生育政策のおかげでぞんざいな扱いを受けてきた主人公に対する親戚の身勝手さよね。 そして彼氏の不甲斐なさよね。 面倒はみないけど口は出す伯母家に、金が欲しくてたまらない叔父、そして長男が故にわがまま放題で育てられて来た弟君。 両親の死を理解出来ないって、その状況でその歳ならもう少し早くちゃんと事情を教えてあげないとね。 まあ自分だったらこの時の主人公と同様間違いなく養子に出すし、ごたついた家は売るしブレないと思いますが…。 顔も知らない姉ちゃんに何故かヤケに懐いたり、伯母さんの掌返しがあったり、主人公の急な変化みたいなものがあったり、特に終盤の雨の日の泣きから話しの転がり方がちょっと強引で予定調和バリバリだったけれど、主人公の機微はなかなか面白かった。 ただ、あまりにもまあそうするんだろうねという流れに結末にと、予想を超えてくるものが無いしご都合主義全開なので感動とまではならなかった。
お姉ちゃん
四川省成都の田舎加減がちょうどいいらしい 都会を目指す女の子 まだ子どもな女の子 髪を短くしたんだろうか ほんとは長い髪でいたかったのかな 日本人がこの親戚やべーなって思う感覚を中国人はもってるんだろうか きっと違うんだろうな それでもあの政策はやべーだろって思う私の感覚はなんなんだろう 誰もが自身の思う通りに生きていい世の中って、どういうことなのかな
自分だったら?
自分の人生は大切だけど、弟には自分しかいない。。困ったシチュエーションの難しい展開に、私だったら!?とずっと考えながら観ました。泣ける&微笑ましい場面もありますが、でもそれからどうするの⁉︎、と現実的に考えてしまって複雑な気分になりました。
自分と弟との狭間
彼女の生い立ちがイマイチ説明がなかったが、幸せではなく、独立して生きてきたのはわかった。 そんな中、両親が亡くなり見ず知らずの実の弟の面倒を見ることに、、、 自分のやりたい目標に向かうべきか、それを犠牲にして幼い弟の面倒を見るのか? 通常なら家族優先だが、彼女の場合を考えると、、、 そして彼女は優秀。 答えをどうだすか。 後半からは情も湧き、葛藤する場面が多くなり、度々泣けるシーンがやってくる。 ラストは予想通りだが、やっぱり泣けた。 期待通りの面白さで、大満足‼️ 追伸、弟役のキャストがメチャクチャ可愛かった‼️
誰かの為ではなく、自分の為の人生を生きるために
とにかく涙止まらん。 姉にも弟にも感情移入して泣ける。 何を持って幸せと感じるのかは本当に人それぞれなのに、他人に干渉される理不尽の中、彼女の気持ちが揺れ動くたびに一緒に迷って泣けた。 弟は両親に溺愛されて育ったのがめっちゃわかる、甘え上手。 姉の心を知らず知らず手繰り寄せて懐に入り込んでしまった。 周りにいる人に可愛く甘えてうまく動かす手腕は姉にはないもので、愛が足りない甘え下手な姉との対比も素晴らしかった。 中国の一人っ子政策がもたらしたものは何だったのか。 家系のための男子獲得への執念、それによる女子への不憫な男尊女卑、思うようにならない人生の選択。 なぜ女子に生まれたから、夢を諦めねばならんのか。姉に生まれたら弟に尽くすのが当たり前なのか。 賢い彼女のその時々における選択を悉く真っ向から否定してくる昔からある風習、価値観、消えない家父長制。 めっちゃ芯のしっかりしている彼女だが、周囲による価値観のうるさいノイズのおかげで、弟への気持ちが大船に揺られたようにあっちこっち行き来していく。いや、それを越えて彼がとんでもなく可愛いのもあったかな。 たくさん悩んで苦しんだ彼女が選んだラストはとりあえず号泣。 泣く準備はして観た映画だったけど、やっぱり泣けた。ハンカチ3枚くらい用意して観るといいと思う。
自分の道? 姉としての道?
自分の抱いていた道を生きていくのか? 突然押し付けられた弟を引き受けて姉として生きるのか? そうした人生の選択を考える女性の葛藤を描いたヒューマン・ドラマ。 疎遠だった両親の交通事故死によって、突然、やはり疎遠の弟を「姉弟じゃないか!」と押し付けられる若い女性アン・ラン(チャン・ツイフォン)。 看護師として働いている彼女は、医者を目指して北京の大学院進学を目指しているタイミングでこういう状況となる。 彼女は、中国の「一人っ子政策」で、生まれた時から「な~んだ、女か…」という望まれなかった娘だったため、早くから親元を離れていたのだった。 そして、弟は「待望の長男」として両親の溺愛を受けてきたズーハン。 そのせいか弟はとっても我儘放題で、育ててもらうことになりそうな姉アン・ランに唾を吐き、姉が用意したパンは「こんなの嫌だ!肉まんが食べたい」などと言ってパンを食べずにバラバラにする。……映画を観ていて、子供だからと許される事ではなく、殴ってやりたくなる暴挙。 しかし、姉アン・ランには、幼い弟を思いやる気持ちが段々と生まれて来て……というあたりがホノボノと温かい映画。 これまで、中国の「一人っ子政策」のことなど考えたことが無かったが、この映画を観て「女性として生きづらい時代があったのだな…」と思わされた。 日本映画・外国映画、新旧映画、いろんな事情を背景に描かれているが、本作は中国の少し前の時代を描いた映画で、新鮮な感覚をおぼえる作品であった。 (オンライン試写会にて鑑賞)
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