マスター 見えない敵のレビュー・感想・評価
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緋文字 = 米プレップスクールの深い闇
申し立て!本当に"多様性"はあるのか?ホラーの言語・語り口、手法なんかを用いて、プレップスクールと言われるような向こうの優秀な学校の旧体質かつ閉鎖的な空間ならではの特異な文化と闇にメスを入れる。今までどれほどの黒人女子学生が、ここにいるため、この屈辱的な差別や重圧に耐えてきたのだろうか。他者を受け入れず排斥することで保ってきた現代まで続く魔女狩りか、あんた達あの頃から何も変わってないじゃないか。観客ウケは良くなさそうだけど、それだけ真に挑戦的で賢く意味がある表現の責務と可能性に、後半終盤とどんどん引き込まれていってしまった…。化けの皮が剥がせ!ある意味でこれも"ゲット・アウト"!?
優秀な学校に入った黒人の生徒と教授。魔女の言い伝えや黒人差別、見えざる恐怖が迫りくるキャンパスライフの不気味な雰囲気がいい。あの部屋は嫌い、ここは嫌い。包括的な未来のために目を背けずに言いたい、問題はこの学校そのもの。大学の中でまかり通る差別によって犠牲になっていく者たちはまさしく今目の前で起きていること。アメリカなの、どこでも同じ。ここは私の家、私たち白人の大学。現実と離れすぎているから黒と白も区別できない場所で、見えない白い頭巾(=KKK)は確かに存在する。決して変わらないものを指すように、深いタイトルだなと愕然とした。未だに明白な上下/主従関係。おまけにエンディング曲がニーナ・シモン"I Shall Be Released"は分かりやすくヤバいって。途中眠くなってもやっぱりスゲェ。
マスターではなくメイドよ!
部外者よ、通り抜けるだけ
勝手に関連作『ゲット・アウト』『イット・フォローズ』『社会から虐げられた女たち』
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