「岸井、むろ、若葉のキャラ立ちに大きな共感」神は見返りを求める ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
岸井、むろ、若葉のキャラ立ちに大きな共感
見返りを求めないというのは、良好な関係がずっと続くことが前提条件。
関係がうまくいかなくなったとき、無償の行為は無償でなくなる。
女性にいろいろやってあげた経験のある男性であれば、誰しも思い当たることがあるるはず。
その男性の思い込みを、吉田恵輔は鋭く突いてくる。
岸井ゆきのみたいな女性、確かにいるよね。
その気も悪気もなくて男性の好意に甘えるタイプ。
むろつよしは、まさに自分なのでは?
小汚くて不器用で一途の勘違い。女性が場当たり的に変わることを容認できない。
若葉竜也みたいな男いるいる。こっちにいい顔あっちにいい顔。
自分を持っていることは、時として大きなマイナスポイント。
カメレオンの若葉の恰好のカモになる。
自分を持っていない人間たちが、YouTubeという自己実現もどきで自分を充たしていく。それも真なり。
吉田恵輔は、それら幻想を見事に日常化させる。
心憎いほどの岸井、むろ、若葉のキャラ立ちに、大きな共感を覚える。
結末は、ハッピーエンドが答えにはならない、という彼の強い意志が漲る。
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