「違和感」LOVE LIFE 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
違和感
ずっと抱いてきた日本人に対するイメージは違ってたのか〜と実感する映画です
特に姑の言葉
あちこちで爆発する姑の本音
それは時に凶器となって相手の胸をえぐる
興奮していた時に出る言葉や行動というものは、理性を取っ払った心の奥でうごめいている感情に他ならない
いくら後で否定し謝っても
それが真実であることには変わりない
だからこそ繕いようもない
お舅さんのあからさまな態度も腑に落ちない
そしてそれに対する妙子の言動も
日本人なら敢えてそういう言動は慎むのものだと思っていたのだが……
よく言えば控えめで奥ゆかしい態度
悪く言えば自己主張しない態度
昔風に言うならNO!と言えない日本人
それは日本人の1番卑怯な面でもある
影でなら、いくらでも悪口を言ってしまう
いわゆる本音と建前である
この映画に出てくる人物は、そのほとんどが本音で行動している
そこに大きな違和感を感じたのは私だけだろうか
人には好きになるタイプは大体似ているものであると勝手に思っている
元カノと妙子は、完全にタイプが違う
前の夫と今の夫も、完全にタイプが違う
顔だけではない性格等も全然違う
そこにも違和感
あんな団地で元妻とつるんで歩いていたら、そして同じ部屋に入って行ったら、井戸端会議の格好の餌食になるはずなのにね
そこにも違和感
葬儀の日時や場所までもが第3者に簡単に分かることも、勝手に押し入り暴行することも
そこにも違和感
手話って世界共通だっけ?
そこにも違和感
韓国に行くために仕事を勝手に休む?
そこにも違和感
タイトルは『Love Life』であるが
この映画の中で「愛」を感じたのは
妙子の敬太に対する「愛」
パクさんの2人の子供に対する「愛」
これだけである
他のものは本当に「愛」なのだろうか
この映画の視点は誰?
ベランダから中を覗くような視点?
虫除け?に吊るしたCDからの視点?
連れ子からの視点?
わがままな親からの視点?
愛というものを見つめる視点?
モチーフとなった歌の主、矢野さんの感想を聞きたいものである
タイトルの出すタイミングや
散歩シーンで締めくくるシーンは
斬新で面白かった
2人を見つめる敬太がベランダにいたような気がした