「深田作品に在る不条理は人間の迷いそのものだ」LOVE LIFE エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
深田作品に在る不条理は人間の迷いそのものだ
ほとりの朔子(2013)で出会い、さようなら(2015)、淵に立つ(2016)、よこがお(2019)、本気のしるし(2020)の4本を公開年の日本映画マイベストワンとしてきた深田晃司監督。
今作もまたベストワン候補だ。
木村文乃さん演じる主人公に訪れたこの世の中で考え得る最大の悲劇、そしてその後の不条理な行動。
そう、深田作品の根底に常に存在する不条理。
それはこの世の中で生きる人間の迷いそのものに思える。
矢野顕子さんの名曲「LOVE LIFE」をモチーフにしたということだが、温かい愛に包まれるような顕子さんの曲とは真逆の感触。
温かな幸せを木っ端微塵に壊した。
何の希望もなかった。
『映画は悲劇だ』という心の声が聞こえた。
コメントする