「撮られる側から撮る側へ」アクターズ・ショート・フィルム2 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)
撮られる側から撮る側へ
2021年にWOWOWが開局30周年を記念した一大プロジェクト「アクターズ・ショート・フィルム」の第2弾で監督を務めるのは青柳翔、玉城ティナ、千葉雄大、永山瑛太、前田敦子という顔触れで、制作費、制作日数など同条件で25分以内のショートフィルムを撮影している。
夫々の作品で主演を務めるのは、青柳監督作『いくえにも。』に村上虹郎、玉城監督・脚本作『物語』に琉花と奥平大兼のW主演、千葉監督・脚本・主演作『あんた』に伊藤沙莉とW主演、永山監督・脚本作『ありがとう』に役所広司、前田監督作『理解される体力』に柳英里紗と三浦貴大のW主演と、実力派から若手の多彩な俳優が勢ぞろいしている。
普段は映画やドラマで撮られる側である彼らが、撮る側になって取組んだこれらのショートフィルムは、夫々の個性や嗜好性が反映されていて、意外な一面を垣間見たような気分になる。
様々な問題が噴出し、影を落としている今の日本映画だが、既存の監督とは違う、俳優や脚本家の方々が、このような取り組みをすることは、閉塞感漂う映画業界に新たな活力や起爆剤になりそうな気がする。
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