「別れと再会と見事な回収に感激!」かがみの孤城 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
別れと再会と見事な回収に感激!
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この作品は観れば観るほどに、魅力が溢れてくる不思議な作品です。つまり、だんだんと濃度が増していくような見事な映画です。別れがあり、再会があり、いろんな出来事が全て回収される巧みさは、言葉では言い表せないほどです。物語は生きる時代がそれぞれ7年違う、不登校に悩む中学生たちです。舞台の中学は同じ学校ですが、7年ずつ違う世代ですから、実際は会うことができないのが、鏡の中にある断崖絶壁に建てられた弧城で会うことができるという設定です。中学生の不登校との予告を聞いた時は、あまり食指は動きませんでしたが、評価が高いのはなぜと思い、新年早々劇場に馳せ参じました。鑑賞するにつれて、その繊細な感情の表現やストーリー構成に、心が持っていかれました。鏡を連絡通路にして弧城の中で繰り広げられる告白タイムで、それぞれが学び、成長していく姿は美しいです。基本、いじめなどの不幸は必ず克服できるように人生はできているとは思いますが、当事者にとってはトンネルの中のようなものです。大人にしても、パワハラの苦しさは筆舌に尽くし難いものです。そんな時に祈りが起こり、祈りを叶えたいと人間は思います。でも本当は叶えるのではなく、人間が愛の存在である限り、もうすでに叶っているというのが、正しいのかもしれません。私たちはワンネスです。すでに神であり、仏であり、大いなる意識であり、宇宙そのものなのですから、必ず幸せになるのでしょう。 追記 原作の凄さもあるのでしょう。まさに神がかっています。新海監督作品とはまた違った独特の味わいのある作品でした。
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