「商業作品ではありませんが・・・」HARD BLUE 蒼穹 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
商業作品ではありませんが・・・
本作は大学の研究室の作品で、学生さんたちが勉強の一環で制作した作品だそうです。映像技術がない学生が作り始めて10年(とおっしゃっていた気がします)で完成し上映とのこと。3年前の映画祭のオープニング上映を本作の最後のお披露目にする予定がコロナの影響で消滅。その後学生さんが、劇場営業して今回の上映にこぎつけた・・・そうです。
という経緯があるので内容云々ではなく、研究室に在籍していた多くの学生さんたちが携わり、未経験の方々が制作し上映にまで至ったことに拍手喝采・・・としたいのですが、一応対価が発生していますので1作品として感想を書かせていただきます。
描きたいことは理解しますが、主人公ナオとコマの関係性の変化になんら説得力がなく、なんでそうなるの?が多くてお話としてはなんだか成り立っていないなぁって感じでした。またどこかに置き去りにされてしまっている「トミノ」はそもそも一体なんだったのだろう?とか、母親は音楽流したいだけの存在だったんもだろうか?とか・・・・全体的に薄いのです。こんな親子がいて、家族がいて、こんなことがあって、こうなったんです・・・という状況が描かれているだけでその先がなかったですね。で、お話自体はエンタメでもなんでもないですから・・・まぁ、ムゥんってなっちゃいます。
それっぽい雰囲気はあるものの、一体なんだったのかなぁ?って感じでした。一研究室の活動ですから予算なんてあってないようなものでしょうから、その中で工夫はされたと思いますが、やはりチープ感は否めません。それをカバーする何かがあればよかったのですが・・・まぁ、残念ですね。
まー、稼ぐこと目的にした作品じゃないしね。研究室作品だもんなー。でもね・・・って感じ。