月の満ち欠けのレビュー・感想・評価
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よくこの時間にまとめました。
原作ファンの人にはどうかわからないけど、映画から入ったわたしからすると、とてもよくできた作品だと思います。説明的にならず、観ている人に「これは?」と関係性を考えさせながら、徐々に分かるようにしていく仕掛けのうまさ、役者さんの好演で、2時間ほどの作品がアッという間に感じられました。
ジョン・レノンへの讃歌
原作が佐藤正午氏の直木賞受賞作ですから、小説としては読み応えがあるのでしょうが、小説と映画は表現方法が全く異なるということが理解されていない作品のように感じます。
輪廻転生によって時空を超えて生まれ変わり、そして繰り返される人智を超越した濃密な恋愛劇。本作はこのように敷衍できるでしょう。ただ文章で読むとそれなりに受けとめられますが、実写の映像になると、変にオカルトじみて胡散臭く、一種ホラーがかった奇怪な空気感が作品を通じて漂います。怪しいスピリチュアルストーリーに堕し、これは逆説的な意味でマンガ的です。
映像の構成で見ても、やたらと人物の寄せアップが多用され、茶の間のテレビ画面ならともかく、映画館の大スクリーンでの寄せアップを交互に見せる会話シーンの構成は、映画の持ち味を棄損しています。
更に、あまり意味のない手持ちカメラの、而も長回しが多く、殺気だった緊迫感、並みでない躍動感を見せるようなアクションシーンは皆無ですから、これらもストーリーには何ら関係がない使われ方だと思います。
また挿入される個々のエピソードが、多分原作を忠実になぞっているがために饒舌過ぎて、テンポが緩慢で退屈することが多く感じます。
但し、40年前に遡る、有村架純扮する正木瑠璃と目黒蓮扮する三角哲彦の話は、CGによってノスタルジックな空気感を上手く漂わせつつ、年上の既婚女性と若く情熱的な男との恋愛劇を、専ら男の視点での一人称で映しだす描き方で、スクリーンに引き込まれました。
挿入されるジョン・レノンの「Woman」のリズミカルでリリカルな旋律は、二人の世界をより神秘的で甘酸っぱく覆っていきました。
半世紀以上前のフランス映画『個人教授』を彷彿させますが、願わくば、有村架純に若者を夢中にさせ翻弄するような蠱惑的な妖艶さと奔放さがあれば、このエピソード全体にもっと強く惹きつけられたと思います。この箇所だけに絞って1本の映画に仕立てて良いくらいです。
ただこのやたらと長いエピソードは、作品全体の重要な要素だけれどもメインストーリーではないので、非常に雰囲気よく描かれていますが、寧ろ話を凝縮して尺を縮めないと、私のように食い入って見入ってしまい、作品全体からすると焦点が不明瞭になってしまっています。
役者について言うと、主役の大泉洋は、明らかに彼のキャラクターの良さを生かせていません。軽妙で飄々とした、つかみどころのない、やや浮世離れしたところが彼の持ち味ですが、本作の彼が演じる小山内堅は、殆ど個性のない善良な市井の人で、まるで正反対のキャラ設定です。
そのせいか、ラストの彼の号泣カットには全く理解できず、共感できないどころか、腹立たしくも思え、非常に不満足な印象が残りました。
せめて、非業の死から40年を経たジョン・レノンへの神々しくも崇高な讃歌と捉えることにします。
たぶん、映像化失敗作品だと思う。音楽がうるさい。
欲しいもの、観たいものが手に入らなかった感。
原作未読。
グループのファンなこともあり、観に行きました。
最初のカット、遠目の大泉洋が漁港?を進む姿をカメラが横に流れるように追う。まずそのカメラワークが気になり、そして以降、誰かが走る度に、誰かが誰かの手を引く度にそれが多用される。意図していたものなんだろうか、と観終わってからも考える。
おそらく原作、小説の形だとそれぞれの瑠璃がもっとはっきり描かれているような気がする、読んでみないと分からないけれど。それが、映像化では上手くいっていなかったのかもしれない。
それぞれの役者は良い。ただ、ストーリーの展開が突発的だった。物分かり、察しの良い人達ばかりだった。
そして時代背景やその時代を意識してなのかセリフ回しに違和感があった。あの頃の人達はそういう語尾を使っていただろうか、使っていたかもしれない、でも違和感。
違和感は違和感を呼んでしまう。1981年などと映し出されても、納得がいかないと思うのは実感がないからか、私のせいか。
ホラー化してしまったのを残念に思うのも、角度を変えれば、じんわりあたたかいものに、又は生まれ変わりを信じて救いにもなったかもしれない、という期待からか。
ただし残ったのは、あきらくんへの執着と貪欲さだったようにも思う。面白くなかったわけじゃない。丁寧さが欠けただけだ。
劇中歌、アテレコなど、音にこだわりを…と思っただけだ。
それらは原作を読まないと答えは出ないんだろうなあ。
有村架純ちゃんが素晴らしすぎるのと
大泉洋目当てで観に行きましたが、どうも泣き顔アップになると変顔に見えてしまう💧
妻と子を亡くしてやさぐれたお父さんは良かったけど、ストーリー自体が家族の話をクローズアップしたいのか、生まれ変わりの悲恋をクローズアップしたいのか、どっちつかずでモヤモヤする。
熱を出してから別人みたいになったのは生まれ変わりじゃなくて乗っ取られたのかとか、本来の人格はどこへ行ったのかとか、好きだけど伊藤沙莉ちゃんの女子高生はさすがにコスプレだろうとか、ツッコミどころもたくさん。
さすがにラストはホラーだろと失笑。
だがしかし。とにかく有村架純ちゃんが素晴らしすぎる。
キレイで切なくて、幸せを願わずにはいられない。
そして、田中圭の愛すれどもどかしいモラハラ夫も良かった。
目黒蓮くんと有村架純ちゃんのファンなら観てもよいかな。
有村架純さんはやはり素敵です
目黒蓮くんはsilentとほぼ同じ演技なんですね。
泣きの芝居も口籠る感じも想くんでした。
とりあえず田中圭くんが怖すぎます。
これは褒め言葉です。
前もこんな感じ見たことありますけど
上手ですよね。突然ぶちキレる演技最高です。
大泉洋さんもふざけてるより、シリアスな方が
好きです。
中盤で時系列が全くわからなくなってしまって
迷子になってしまいました。
最後の方で理解できましたが。
あのジョンレノンの明るい曲この作品の色に
合ってるのかちょっとわかりませんでしたけど
イケメンと美女の恋愛は美しいものです。
スピリチュアル的な要素を子供がサラッと
口にしてしまうのが怖かったですし、
前世の記憶がいつまでも残ってるのも
ややこしいなと思ったり、
それでも親が子を、子が親を思う気持ちには
涙を流してしまいました。
有村さんが凄く良いの
「不思議感」と「愛の強さ」を堪能できる作品。
現生で幸せになれなかった男女が、生まれ変わって運命的な出会いをして幸せになるという話は普通にある。この作品は、男は生きているけど女の方だけ2代にわたって生まれ変わる点がユニークだ。生まれ変わるという奇跡がもたらす「不思議感」と、生まれ変わっても相手を思う「愛の強さ」を十分に楽しめる内容になっていると思う。
幼い少女が突然知るはずのない遠くのレコードショップを訪ねたり、高校生になって見知らぬはずの男をリアルに絵に描いたりと「不思議感」の演出は楽しく、物語の行く末を期待させる。正木瑠璃と三角哲彦の若い男女と、小山内一家の全く関係ないかのような物語が、瑠璃という同じ名前の二人の女性によって結びついていく展開が面白い。ここでもジョン・レノンの歌だったり月の満ち欠けの話がエピソードとしてとても印象的に使われていて楽しい。二人の「瑠璃」から伝わるのは、現生に強い思いを残した愛の強さと美しさである。その強い思いは、ラストで感動的なシーンにたどり着いた。
生まれ変わっても相手を思う「愛の美しさ」が伝わる良い作品であると思う。少し物足りないと感じたのは、三角と瑠璃の間に必然性みたいなものがあまりない所だ。瑠璃はパワハラな夫から逃げているだけだし、三角は女性経験が乏しく、瑠璃の外見が気に入っただけに見える。生まれ変わるくらいだから、何か二人の間に「運命的」なものを感じさせる演出があってもよかったのではないかと思う。
有村架純と目黒蓮は気持ちが伝わる良い演技をしてくれた。大泉洋は人を食ったような芸達者な演技で作品にリアリティを与えてくれた。
ちょっとゾワッと正直しました
月が満ちては欠けるように人の生も繰り返されるのか。
幸せになるために想いを強く持つというのは悲恋でもあるのかもしれないけど、ある意味怖いw
何度も同じような不幸にハマるのもある意味業が深いというか。。
少しずつ紐解いていく中で、え、この人がみたいな展開もあって物語には引き込まれました
目黒蓮さんも大泉さんもそのまま20年位の時を演じられているので、いつの話だかがわからなくなりそう。
1980年の街で車やバイクは出て来たけど主人公たちの服装がもっと時代風でもよかったのでは?という気がしました。
最後に瑠璃と三角の邂逅のシーン雨すごいんですが、目黒と有村の絵になる二人で綺麗ではあるが、リアルではちょっと犯罪っぽい感じになるよね。。。
三角側は特にすごい壁があるよな、、、
SF的な物語でもあるが若干情念的なものが怖い。。ビートルズとか柔らかい音楽でふんわりさせてますが、ゾッとするものもありました
異色な感じ
大泉さん
不思議だけど信じたい
原作と脚本の間 見に行く価値はあるけれど
原作のある映画の原作との幸福な関係というのはいったいなんだろうと映画を見終わってから考えた。僕のイメージでのハッピーエンドは、梶尾真治と塩田明彦の黄泉がえりと、大島弓子と犬童一心の金髪の草原だ。
原作からのメインエキスの抽出と映画的に適切な組替が施されている場合にそれが達成される。つまりは監督の映画的記憶の深さにかかっているのだろう。
残念ながら、この作品は、抽出と組替というよりは、一言でいえば圧縮だった。しかも圧縮する過程で僕が大切だと思ったモジュールが省略されて、二つのモジュールを単純に連結してしまうことで、結果、映画ビジネスの圧縮の必要性だけが露呈してしまっていた。
細かく説明する気はない。単に原作が優れていたという紋切り型をいう気もない。是非、原作を読み、映画をじっくり見て欲しい。僕の落胆が少しはわかってもらえるかもしれない。(ヒントは田中圭演じる正木竜之介)案外ぼくは期待していたのである。
1日1日自分の思いを大切に
ファンタジー⁈
身近に出会いがアルのかも?
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