劇場公開日 2023年8月11日

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「ミッションインポッシブルの最新作より面白かった」リボルバー・リリー 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ミッションインポッシブルの最新作より面白かった

2023年8月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

興奮

2023年映画館鑑賞44作品目
8月23日(水)イオンシネマ石巻
ハッピーモーニング1300円

原作未読
監督は『贅沢な骨』『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』『ピンクとグレー』『劇場』『窮鼠はチーズの夢を見る』の行定勲
脚本は『Pure Japanese』の小林達夫

台湾を本部に幣原機関という諜報組織が存在した
幣原機関の敏腕諜報員小曾根百合は世界の要人を次々と殺害し恐れられた
そんな百合も結婚し子供を産んだが組織の内部分裂に巻き込まれ赤ん坊が殺されてしまう
それをきっかけに諜報員を辞め東京玉ノ井でカフェの経営者に落ち着いた
時は関東大震災の翌年
秩父の屋敷で一家全員が殺され一家の主人が拳銃自殺する事件が起きた
唯一の生き残りの少年は百合を頼りに玉ノ井に尋ねてきた
少年の父親は百合の死んだはずの夫だった
帝国陸軍は資金源として少年の父が隠した大金を狙っていた
百合は昔とった杵柄で少年を守るため陸軍と戦う

ドンパチ映画は大好物
余計な理屈はいらない
理屈抜きで楽しめ

カフェ襲撃にやってきた陸軍との対決シーンにたぶんエノケンが歌う東京節またはパイノパイノパイは明らかに邪魔だった
なんの意図があったのか理解に苦しむ
せめてクラシックにしてくれ

細見少年を演じた羽村が羽生結弦または羽生ゆずれないに似ていた

山本五十六を阿部サダヲが演じたことに多少の抵抗感はあった

変な術を使う妖怪めいた老婆を演じていたのは緑魔子だった
1人だけ世界観から浮いていた
鬼滅の刃かな

陸軍に追われ屋敷に転がり込む女中が伊藤なのか葉丸なのか覚えていないが彼女の芝居は重要だ
恐怖に怯え泣き叫んだうえに射殺される設定を上手にこなしてこそ帝国陸軍=絶対悪が成立し小曾根百合との対決が盛り上がる
パヨクならそんな必要もないが自分はパヨクではない

「戦いで人は救えない」は百合というキャラが言うべきセリフではない
阪神ファンが甲子園で「他球団や他球団ファンに対する侮辱行為はやめよう」と言うようなものだ
けっこう仮面が「大人なんだからみっともないことするなよ」って言うようなものだ

小曾根百合の諜報員時代の仕事っぷりがあまり描かれていない
続編に期待したい

配役
元諜報員でカフェ「ランブル」のオーナーの小曾根百合に綾瀬はるか
元海軍で百合を助ける弁護士の岩見良明に長谷川博己
陸軍資金調達のための鍵を握るため陸軍に追われている細見慎太に羽村仁成
カフェ「ランブル」の従業員の奈加にシシド・カフカ
カフェ「ランブル」の従業員の琴子に古川琴音
元諜報員で陸軍少尉の南始に清水尋也
慎太を追う残忍な陸軍大尉の津山ヨーゼフ清親にジェシー
陸軍少尉の村田に葵揚
地元の暴力団組長の平岡に佐藤二朗
内務省警備長官の植村に吹越満
小沢の部下の三島中尉に内田朝陽
資金調達のため細見少年の捕獲を指示する陸軍の小沢大佐に板尾創路
百合を狙う暗殺者Xに鈴木亮平
細見家の女中の季代に伊藤歌歩
細見家の女中に楠緒に葉丸あすか
細見家の乳母に山村崇子
細見家の使用人の坂田に相島一之
妖術使いの老婆に緑魔子
元陸軍中将で絵描きを趣味に隠居生活をしている升永達吉に橋爪功
細見家から少し離れた小屋に住み細見を慕う老人の筒井国松に石橋蓮司
細見少年を匿うこになった海軍大佐の山本五十六に阿部サダヲ
百合の白いドレスを仕立てた洋裁店の滝田に野村萬斎
息子の慎太に陸軍資金調達の鍵となるものを託した投資家の細見欣也に豊川悦司

野川新栄