「綾瀬はるかの為の、綾瀬はるかの映画」リボルバー・リリー bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
綾瀬はるかの為の、綾瀬はるかの映画
西洋文化を取り入れ、モダンな街並みとなってきた大正ロマン漂う日本が舞台。その裏では、軍国主義をひた走ろうとする、きな臭い時代に生きた、一人の敏腕な女スパイ『リボルバー・リリー』を綾瀬はるかが演じた、ハードボイルド作品。
日本で、ミラ・ジョコヴィッチの様な本格的なアクション女優というのは、なかなか生まれない。その中で、これまでアクション作品にも、果敢に挑戦してきた綾瀬はるかは、それなりによく頑張って、冷徹なスパイ役を演じていたと思う。しかし、ハリウッド・アクションには、やはり到底かなわない。
それ以上に、脚本と演出の無理押しも甚だしく、ラストの陸軍と死闘は、あまりにもリアリティーがなさ過ぎて、結局、日本のアクション映画の大きな壁を感じた。手に汗握るアクション・シーンは、壮大さや派手さ、ギリギリ寸前のタイミング等、もっと観ているものがハラハラしたり、感情移入できたりするように製作できないものなのか…?その点で『キングダム』は、ハリウッドの壁に近づけたように思うが…。
夫と子供を亡くし、スパイ活動からは引退し、花街で女将をしていた綾瀬演じる小曽根百合が、乗り合わせた列車の中で、ある組織に襲われていた少年・慎太の命を救う所から始まる。実は、その組織というのが、日本陸軍。国家予算規模の多額の資金に関わる秘密を握る一人の少年・慎太を拉致して、その金を軍事資金に利用しようと考え、その後も執拗に少年と百合の命を狙ってくる。
百合も陸軍の刺客達を、往年のスパイ活動で磨いてきた能力を発揮して倒していくが、最後に、百合達が助けを求めたのが、海軍の山本五十六だった。陸軍と海軍が、軍事資金を巡り敵対関係となって、少年を奪い合う展開がラストシーンに描かれていくのだが…うーん?
一言で言えば、「綾瀬はるかの為の、綾瀬はるかの映画」といったところ。脇を固めた長谷川博己、野村萬斎、豊川悦治、佐藤二郎、橋爪功、阿部サダヲ等の豪華なベテラン俳優陣も、今ひとつ存在感が薄かった。また、百合と敵対する軍人には、ジェシーが抜擢されたが、主人公の宿敵としてのオーラや凄味という点では、物足りなさを感じた。そんな中でも、佐藤二郎だけは、相変わらずだった(笑)
ガン・アクションはハリウッドには敵いませんね。
韓国映画の頑張りが奇跡的だと思います。
だから、リアリティとは逆のアプローチがこの作品の成功ポイントだと思っています。
西部劇的な演出よりも時代劇の様式美に寄せたことで、綾瀬はるかが映えてました。
一人づつ順番にかかってくる敵を、バッタバッタと斬り倒しながら見得を切る…❗
残念なのは脚本ですね。大事な部分ですが…(^^)
失礼します 共感ポイントありがとうございました
ネットで追ってみたのですが、原作者は祖母から戦前、戦中の何でも有りの世界を教えて貰い、ヒントにしたそうです そこから取材を重ねる内に裏付けが取れ、そこからは小説家としてのイマジネーションが湧いてきたようです 確かにハードルが上がればそれを超えようと荒唐無稽、外連味感あるネタを爆発してしまうでしょうね・・・
なので、今作はその時代背景や裏事情を知らない(私も同じく)人からすると、リアリティが薄まった、異世界的舞台としての作劇にみえてしまうと思いました
初め、続編の為に、佐藤二朗演じるヤクザや、ラストの鈴木亮平等々、伏線だけ張っての幕引きは、もしかしたら別に全てを回収するつもりではない構成にわざと作られたのだろうと考え直しました "東洋のマタハリ"の異名を持つ川島芳子がモデルかと予想しましたが、どうもスパイというカテゴリというより、"不死身のアサシン"という方向性のように感じました ならば、あれだけ撃たれたり刺されたりしても死なないのは、霊的な老婆のお陰というオカルト性ではなくて、苦痛を伴わない特異体質、又は機関での訓練の賜物、若しくは秘薬・麻痺薬等に依る中毒者等の方が腑に落ちるのですが、どうもそこも原作者や制作にとっては座り心地が悪いようです(汗
異世界にもしない、かといって荘厳なリアリズムにもしない、悪く言えばどっちつかず、良く言えば、新しい可能性の模索のトライ&エラーをテーマにしているのだろうと勘ぐりました あくまで"アクション風"に仕上げる事で、ハリウッドとは袂を分かつ狙いがあるのかも知れません 勘ぐりすぎですね(苦笑
そもそも原作では佐藤二朗の父親が綾瀬はるかが愛した夫という相関図なので、本作はそこを切り離した事で、子供を解放する条件はゲスの勘ぐり『一晩云々等』を想像してしまうのですがw、原作通りならば『義母の力になりたい』なんてのもあったりしたかもとつまらぬ妄想を解釈させる意図を容易に醸し出す狙いかもしませんね、この造りは・・・
予告編での吹越満の役はストーリーテラーで、彼の若い頃役を長谷川博己が演じるという予想を思っていたのですけどね(汗
ダラダラと緩慢なコメント、失礼しました
イイねありがとうございました。😊 陸軍 海軍は いがみ合っていて太平洋戦争末期まで 共同作戦という概念がほとんど無かったと思ってますが、ご指摘のように 帝都皇居の近くで 撃ち合い は思いもしない展開でした。ビックリ‼️。逆に ヤクザ が陸軍に出入りする 荒唐無稽 は 面白かったです。失礼します。
共感ありがとうございます。
日本のアクション、特にガンアクションは難しそうですね。「ベイビーわるきゅーれ」みたいなのじゃなくて、対軍隊だと余計に。これに懲りずにまた挑戦してほしい、続編じゃなくて。