「【”もう、戦いはしない。”と日本の行く末を案じた彼は言った。”大正末期、急速に軍国化を進める陸軍が欲しがったモノ。今作はハードボイルドでありながら、少年の成長映画であり、強烈な反戦映画でもある。】」リボルバー・リリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”もう、戦いはしない。”と日本の行く末を案じた彼は言った。”大正末期、急速に軍国化を進める陸軍が欲しがったモノ。今作はハードボイルドでありながら、少年の成長映画であり、強烈な反戦映画でもある。】
■今作は、邦画ではめっきり少なくなった大正末期を舞台にしたハードボイルドであり、細見慎太少年の成長物語であり、強烈な反戦映画でもある。
その中で、綾瀬はるかさん演じる幣原機関で訓練を受け、57名を殺した凄腕殺し屋の小曾根百合の存在感は圧倒的である。
この美しき女優さんは、体幹に優れ運動神経抜群なのは周知の事実だがこの作品でも、そのスキルを十二分に発揮している。
◆感想
・凄腕殺し屋だった小曾根百合が世の中から姿を消して10年。舞台は急速に軍国化を進める大正末期の日本である。
ー 大正期を舞台にした映画が、現代に公開されることは少ない。だが、美術陣は衣装、意匠を含めて、頑張ったと思う。ー
・原作を読んでいるので、そちらに引っ張られない様にしようと思っていたが、見事に改編されていた。
細見欣也(豊川悦司)が、一億六千万円もの隠し財産を持ち、それを銀行にバニシング契約(ある期間が経っても更新されない場合は、財産は全て銀行のモノになる。引き出すには、暗証番号と、慎太の指紋が必要。)で預けていた理由は、日本の軍国化を防ぎ未来ある日本にするための資金だったという件や、そのためにその金を狙った帝国陸軍大佐小沢(板尾創路)に追い詰められる細見欣也の息子、慎太の姿など上手く改編したモノである。
その息子を小曾根百合が愛した男、細見(小曾根百合には別名の水野で接していた。)は百合に託すのである。
ー 少し、分かりにくい部分もあるかもしれないが、良く観ていれば展開、全体構成は分かる。-
■小曾根百合が殺しを辞めた理由
それは、外地在住時に、細見(水野)との間に生まれた子を、細見を狙った抗争時、銃弾で失ったからである。
・帝国陸軍と海軍が常に衝突していた事は、数々の戦争映画でも描かれているが今作でもそうである。元海軍の岩見弁護士(長谷川博己)は山本五十六海軍大佐(阿部サダヲ)に、慎太を匿う代わりに、細見欣也の財産を渡す約束をするのである。
ー 山本五十六が、戦争に反対する立場を取っていた事は、有名である。結局は時流に呑み込まれ開戦となるのだが・・。ー
■小曾根百合が岩見と慎太と那珂(シシドカフカ:この人も不老の美女である。)と琴子(古川琴音)と、海軍兵舎の前に陣取った帝国陸軍大佐小沢率いる陸軍の舞台に対し、立ち向かうシーンはナカナカである。
誂えた純白のドレスを、幣原機関で訓練を受けた狂気の男、南少尉(清水尋也:狂気性を帯びた演技なら、ピカ一の若手俳優である。)を斃したあとに真紅に染めながら陸軍を次々に撃ち殺して行くシーン。
そして、突破し、山本五十六海軍大佐にリボルバーを向け、言った言葉と山本が答えた言葉が響く。
”この金を何に使うか!””開戦を10年は伸ばす。そして、日本の未来を築くために使う。”
<今作は、原作を大きく改編し、ハードボイルド要素はキチンと残しつつ強烈な反戦映画に仕立てた作品である。
現代は、大正末期と状況が似ていると、政治学者の数名が言っているが、終戦の日を前に思いがけず反戦映画の逸品に出会えた事に僥倖感を覚えた作品でもある。>
あと、佐藤蛾次郎扮するヤクザ。
あの男がリリーの耳元でいやらしく囁いた慎太の安全に関する「約束」は何だったのでしょう。リリーは承諾していました。リリーは”体“を約束したのかなぁと。
朗らかな琴ちゃんを見ていると尚さら赤線という物の辛苦をひしひしと感じたので。
小曽根百合の赤ちゃんの小さな”土饅頭“。可哀想でした。
赤ちゃんは、多分おそらく、その小さな あんよに被弾をしたのでしょう。リリーは細見慎太少年の足を気にしていました・・
「躊躇せずに撃て」と繰り返し射撃の訓練を施しておきながら慎太少年には殺しの引き金を引かせなかったあのシーンが、母親としての痛みと優しさを表したいいプロットだったなあと思いました。
本当に体調と言いますか、コンディションで左右されます。
頭に考えごと、雑念があって集中できなかった時は大体内容理解できず→面白くないってなりますから。
おっしゃる通りです!!
また引き続き宜しくお願いします🥺
こんにちは😃
yahoo評価もイマイチでした。
何を皆さん期待してなのでしょうかね。
こんなに面白いストーリーなのに!(笑)
NOBUさんは原作知ってるんですね!
いつか私も読んでみようと思います。