「アクションにしても、キャラクターにしても、綾瀬はるかを活かしきれていない」リボルバー・リリー tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションにしても、キャラクターにしても、綾瀬はるかを活かしきれていない
いくら荒唐無稽な話だからといっても、敵の陸軍部隊がヘボ過ぎるのではないか?
こちらの弾は百発百中なのに、相手の弾はまったく当たらないという描写には、いつの時代のアクションなのかと、逆に驚かされる。
拳銃一丁で部隊を壊滅させてしまうというリアリティのなさもさることながら、銃を撃つときの反動がまっくないというガン・エフェクトのお粗末さも、この手の日本映画の現状を見せつけられた気がして悲しくなる。
徒手格闘にしても、それなりに頑張ってはいるのだが、キレや迫力という点では、「ジョン・ウィック」は言わずもがな、日本映画の「ベイビーわるきゅーれ」にすら遠く及ばない。
敵から追われていることを認識していながら、なんの緊張感もなく日常を過ごしている主人公たちの間抜けぶりにもイライラさせられる。
何と言っても、綾瀬はるか演じるタイトル・ロールのキャラクターがまったく活きていないのは、残念としか言いようがない。
「るろうに剣心」のように、自分の過去を悔いて戦うことを避けているようにも見えないし、「グロリア」のように、母性本能に目覚めて少年を守ろうとしているようでもない。
何を考えているのかがよく分からないので感情移入ができないし、散々戦って少年を守り抜いた挙げ句の「戦いでは何も守れない」という台詞など、支離滅裂な言動も多い。
そもそも、悪いことをしていたのは、陸軍ではなく、豊川悦司演じる実業家の方ではないのか?
その実業家は、経済力で平和を築くと言いながら、多額の資金で具体的に何をやろうとしていたのか?
どうして陸軍に資金を渡すことはダメで、海軍ならよいのか?
そういうポイントとなるところに説得力が感じられてこそ、ファンタジーはファンタジーとして楽しめると思えるのである。
「反戦」の雰囲気を出したいがために陸軍を悪役にしているのでしょうが、それにしても弱すぎますね。
プロの戦闘集団としての手ごわさが微塵もなく、ショッカーの戦闘員以下の位置付けでした。
陸軍弱すぎは、僕も思いました。あれじゃ〜国を守れないでしょ!って。まあ、陸軍大佐がヤクザ風情に簡単殺されるようじゃ、まあそうなんでしょって感じですけどね。
う〜ん!
綾瀬はるかが悪かったのではなくて、誰が演じても、映画のデキは変わらなかったのではないかと思います。
むしろ、もう少しマシな作り方をしていれば、彼女の身体能力を活かしたアクションや、これまでのイメージを覆すようなキャラクター造形ができたのではないでしょうか?