まなみ100%のレビュー・感想・評価
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もてるがタイミングを読めない男
高校から結婚適齢期までの話
主役の男の軽いこと軽いこと でもこんな男が今はもてるんだろ〰️な
何度かここだよここ タイミングが…😞という場面が有るが、僕も読めなかったな〰️と走馬灯が頭の中に…
結局一番好きだった?まなみは…
僕も経験ある あるある話で今一つ入り込めず
伝わらなかった本気。
学校の部活が一緒で出会ったまなみという女性、その女性を10年想い続けたボクの話。
自己中、ずれてる、調子がいい、軽いノリのボク、まなみを好きなのにも関わらず、何か軽いノリで他の女性を誘っちゃう…そんな性格ってのもありボクの気持ちはまなみに伝わらない…会え度に「結婚してよ!」と言うボクだけどマナミには「だって本気じゃないでしょ」と軽く交わされてしまう毎回のやりとり、そんな10年のボクとまなみのストーリー。
正直、序盤、中盤辺りまで何観せられてるんだろ何て思ってたんだけどボクの性格がこんな奴なんだって分かってからは少し楽しめた。
ラストのまなみの結婚式は何かグッとくるものはあった…けど、その前の控え室のまなみの一言「君はホントに馬鹿なんだね」で、まなみからボクへのハグ、その心情は?
君を好きだったけど選ばなかった?!
選んでも幸せになれないから選ばなかった。
まなみの心情はこんな感じだったのかな?
ユズとクズ
『神回』でも書いたが、青木柚はなぜか性的にクズな役ばかり目にする。笑
あらすじでは“ボクとまなみ”の話のように書かれているが、完全に“ボク”一人の話。
正直、彼があんなにモテる(セフレが複数?)とはまったく思えない。
見た目や性格、行動だけでなく、まなみと会うときすら部屋着のような服装だったり…
(高校のときの服をずっと着てるのは、過去を捨てられない現れか)
対するまなみは、見た目こそ地味めながら、あの態度と表情なら惹かれるよなぁ、という説得力。
瀬尾先輩もだけど、あの距離感はズルいって。
話は“ボク”が何人かの女性とくっついたり別れたりするのを、部活やサークルの様子を交えて描くだけ。
瀬尾先輩の顛末はこたえたし、頬にキスをした優しさというか気遣いは、唯一褒められるところ。
(その前の「いやいや…」は引っぱたきたくなったけど)
女心は分からないが、まなみは“ボク”に本気になってほしかったし、本気以外は欲しくなかったのかな。
そう考えないと、ホテルまで行った心理に説明がつかない。
形は違うが、サトシ先輩と瀬尾先輩も似たような距離感だったのだろうか。
しかしこれ、“自伝的作品”として見ると、自作のラブソングを贈るような気持ち悪さも感じてしまう。笑
映研の部室に過去作のポスター貼ってあるのも少し恥ずかしいし、これでまなみの描写が的ハズレだったら…
式に出て、髪も切って、現在に向き合う覚悟をしたのかと思えばあのラスト。
成長しねぇなぁと思いつつ、まぁ、忘れられない人くらい誰にでもいるだろう。
現実の青春って、100%でぶつかれないよね。
青春って、何事も全力の100%でぶつかるイメージが有りますよね。
青春恋愛映画なんかも、相手に100%でぶつかる事が多いし。
だけど、実際の青春って、気持ちが揺れ動いたり、傷付く事を恐れてセーブしてしまったり、100%では物事にぶつかれないですよね。
この映画の主人公もまなみに100%でぶつかっていたら、違う今になっていたでしょう。
ただ、まなみには本気でないと言われますが、主人公は100%ではないものの本気だったとは思うの。
その辺の微妙なズレこそが、縁の無さなのかもしれません。
この映画、主人公の目線でのみ話が進んで行くんです。
だから女性陣が何を考えているかは想像するしかないんだけど、それが良かったかな。
明るい雰囲気の映画なんだけど、リアルな切なさを感じられるのは、その辺りにも要因が有るのかな。
この映画、私は好き。
監督、まなみ(のモデルになった人)と結婚して、それで映画作って欲しいな。
タイトルと中身が一致していないのではないか?
“まなみ“の内面世界は描かれないが、それでも、彼女が何を思い、どう感じているのかは、何となく分かる。
“まなみ”は“ボク”に好意を抱いているどころか、本気度が感じられたら、おそらく“ボク”の求婚を受け入れていたに違いない。少なくとも、“ボク”との友達としての関係性は維持したかったはずで、それは「きっと後悔する」という台詞からもうかがい知ることができる。
その一方で、一人称で語られ、考えていることがモノローグで説明されるにも関わらず、“ボク”のキャラクターが一向に掴めないことには苛立ちを覚える。
“ボク”は“まなみ”に、機会あるごとに「結婚しよう」と持ちかけるが、どう見てもふざけているようにしか思えない。
仮に、それが“ボク”の照れ隠しで、本心から“まなみ”を愛していたのだとしたら、どうして高校卒業後に連絡も取らずに、彼女のことを放ったらかしにしていたのか?
“まなみ”のことを絶えず心の片隅で思い続けている訳でもなく、別の彼女を作ってよろしくやっている“ボク”の姿は、「まなみ100%」という映画のタイトルから程遠く、誠意や熱意がまったく感じられないのである。
かと言って、“ボク”は、“まなみ”と友達としてずっと付き合っていたいようでもないし、“まなみ”を「初恋の相手」として青春の思い出の中に閉じ込めておきたいようでもない。
先輩からの、「言いたいことは言える時に言わないと伝わらない」という命を懸けたアドバイスも、まったく活かされていないとしか思えない。
結局、“ボク”は、誰が好きで、何をしたいのかが自分でも分からないような人間なのだろうし、そんなところは誰にでもあるとは思いながらも、最後まで“ボク”に共感することも、感情移入することもできなかったのは、とても残念だった。
「まなみちゃん結婚しよ。」「じゃあ猿語で言って。」
共感が深すぎるのに言葉が見つからない。お前はこんなチャラい高校生だったのかと問われれば、そこじゃないと返すけど。
青木柚(最近いい味出している)は変態バカではない。まあまあ成績のいいのは、浪人して第2志望とはいえ、中央大に受かっている。部活だって意欲はある。だから顧問にも可愛がられている。(あんな生徒は先生にとっては可愛いはずだ。)そんな彼にとって、まなみちゃんはいつまでもまなみちゃん。おばあちゃんになっても、素敵なフィルター越しに、まなみちゃんはまなみちゃんで居続けるはずだ。まなみちゃんという個人個体のなかに、いつまでも高校時代の自分がいる。時たま会えて彼女とする会話は、その確認作業でもある。それを、押見修造的妄想で気持ち悪いと言われても、そうなのだからしょうがない。僕にだっているし、いまでもさつきちゃんはさつきちゃんなのだもの。
そして伊藤万理華がいい。「言いたいことは言えるうちにおかないと後悔するよ。」のシーンが良すぎる。二人はただの先輩後輩の関係で、この後もただの先輩後輩の関係のままなんだろうけど、この言葉のあとの二人の行動は、恋愛を伴う愛情からではなくて、同じ大事な時間を過ごした仲間としての行動な気がした。
「ちょっと思い出しただけ」や「ボクたちはみんな大人になれなかった」、「少女は卒業しない」あたりが好きな人にはこの映画刺さるんじゃないかな。
そして合唱シーン。♪僕らの願いを誰かが別れと呼んだ~の歌詞の破壊力。忘れていた甘酸っぱい青春を思い出す、最高の記憶回復装置だわ。さつきちゃん、元気かな。
人たらしなビッチ主人公が掴めなかった不思議な子
褒め言葉の意味で、ビッチな人だなと…!川北監督の半生とまなみちゃんとの10年を濃縮還元、喜怒哀楽たっぷりに描く人生賛歌。タラシで個性的な感じと不思議な空気感が堪らない。舞台挨拶の話も交えながら。
なかなか掴めないけど魅力的。「ボク」はそんな性格。女の子へのちょっかいの出し方もどこか子供っぽい。だけど、気にかけてくれることが嬉しく思える。ちょっとモテ男すぎない…?と思えるけど、舞台挨拶で出てきた雰囲気を見ると確かに分かる。大人になれないまま自我を強く持った感じが作品の個性へと変わっている。はみ出し方も際どくてズルい。実際モテるのも分かるなと同性ながらに思う。
そんな彼が掴めなかった彼女が、まなみ。4年前から「あなたをモデルに映画を作ります」と言って観てもらったらしいが、感想は「面白かったよ〜」くらいだったそう。不思議で掴めない、だけど距離が近くて遠い…。「今も好き」と言えるのも羨ましいし、監督の良さでも有るんじゃないかなと。同時に、自身の人生の一部を他人と重ねながら作品として残せることは幸せなことだとも思う。劇中のあるシーン、エンドロールに教わりながら、その生き方を楽しく観ていた。みんな生きているし、生きていたように。
主演は青木柚さん。初っ端かな醜態を晒すような飛んだ役だけど、それも包み込める魅力が確かにあって安心して観ていられる。ヒロインは中村守里さん。歳を重ねていくにも変化を感じられて、すっかり大人っぽさも兼ね備えているのだと感じる。くろけいちゃんを演じる宮﨑優さんや瀬尾先輩を演じる伊藤万理華さんなど豪華なキャストに大満足。邦画好きにはご褒美みたいなキャスティングだ。
痛いほど強烈な自叙伝とも言える今作だが、同時に生きている周りの人たちとの愛が滲み出ていて、どこか心が温かく包まれる。ふと思い出したあの子が今も幸せでありますように。そんなことを祈りながら。
イオンシネマ上映条件
全国に散らばるシネコンの中でも圧倒的な地位である"イオンシネマ" 今作が此処に掛る意義というものを考え倦ねているというのが実感である いやいや、作品そのものの評価とは関係無い 個人的には感銘した内容である 若い監督と制作陣との関係性や、脚本"いまおかしんじ"の繋がり、出役陣の関係性、どれを取ってもきな臭さが消臭できないのは何故なのか、そんなモヤモヤ感を感じてしまうのである
ここから今作の感想
監督の実体験を映画化する 古今東西定番だ 何せスピルバーグ御大自体最近堂々公開している(フェイブルマンズ未鑑賞)
今作の全ては大槻美奈『道標』に集約されている MOOSIC LAB企画との事だから楽曲の強さを強調する事は予想したのだが、此処までとは・・・ 学生時代の合唱ってなんで果てしなく過去に引っ張られるのだろうと、まるで悪魔の笛吹きの如くと思うのは自分だけだろうか・・・・羞恥に塗れた10代を赤裸々に映像化することの清廉と自意識過剰さを臆面もなく体現してみせた制作陣に先ずは称賛を送りたい 勿論実際はもっとドロドロなのだろうけどそこは大人の事情でしょう(苦笑
まなみちゃんの合唱のシーン、車の中の劇判、そのどれもが、あの時なんでみんなで歌を唱っていたのだろうと、どうでもいい記憶を、実は本当に大事なインパクトだったと初老になって気付くマジックを体現させられた作品である
自分は、主人公のように『次行ってみよう』の精神ではなく、ウジウジ考えてしまう性格だったが、でも、本当に好きな人には腫れ物に触るような、それは自分の自意識をバリアーする姑息さを丁寧に演出してみせた作品だと評価したい 多分、今でも高校時代に付合っていた女性は好きだ 勿論、幻想であり、当人にとっては迷惑千万
でも、人生に於いて『恋愛』とは何だと問われたならば、真っ先に自分は、あの時代にジャンプする 主人公と同じく直ぐに一緒に暮らしたい、結婚したいなぞ、よくもまぁ生活力経済力の無さを棚に上げていけしゃぁしゃぁと妄想したものだ
結局は彼女は別の人と一緒に暮らすことになる その間の何度も訪れるチャンスを流し、結局は結ばれない 運命といえばそれまでだが、運命以前の問題であることは明白だ 部活に真面目に取り組む先輩が何人も交際を断り、でも運命の悪戯か、重い病気に罹る非情さ あのほっぺのキスシーンは今作の白眉であろう
甘酸っぱさ、だらしなさ、それでいて嘘の無さ 十代は誰でも訪れ、そしてあっという間に過ぎる それを思い起こさせてくれるのはこういう何の世界も救わない、驚くような事が起きない、何の毒にも薬にもならないそれでいて幸せだった作品を観ることなのだ あの頃には決して戻れないのだから・・・
全く共感出来ずに観終わってしまった邦画。 本年度ベスト級。
良作の予感がして鑑賞したけど残念ながら自分にはハマらず。
「ボク」と「まなみ」の高校生からの10年間の出来事を表現したストーリー。
実話ベースと言う事に驚く(笑)
なぜ本作を作ろうと思ったのか?
誰かに向けたメッセージなのか?
意図がよく解らなかった。
「まなみ100%」のタイトルも良く解らない(笑)
高校に入学し「ボク」が体操部に入部。
まなみも体操部なんだけど「ボク」がまなみに求婚する展開。
事ある毎にプロポーズするのに違和感発生。
まなみに直接「好き」とか「付き合って」とか言わないのが不思議。
「ボク」は自分の気持ちを素直に喋る事が出来ない性格なのか?
もっと素直になればと鑑賞しながら思う。
一方「まなみ」の行動もよく解らない(笑)
「ボク」の事をどう思っているのか?全く不明。
デート中に門限があるからと帰ったり、そうかと思えばラブホに行ったりする行動が理解出来ず。
この二人がじゃれ合うシーンも見ていて恥ずかしい(笑)
猿語って何なの?(笑)
まなみの結婚式でカメラを回す「ボク」。どんな気持ちでカメラを回しているのかもよく解らない。
共感も感動も涙も無く上映終了。
でも「ボク」役の青木柚さんの倒立やバク転が美しく素晴らしかった!
伊藤万里華さんが体操部の先輩役の瀬尾先輩役で登場。
入院中のシーンの顔が凄かった。
目が腫れているシーンはなかなかリアル!
本作は瀬尾さんの為に作られたのかとエンドロールで思うも、ちょっと違うかな?
本作での収穫は青木柚さんの運動神経が良いのが解った事でした( ´∀`)
まなみちゃんを16歳の世界に閉じ込めたい
「ぼく」は、16歳で止まったまま。ローファーを踏み合った足の指先が痛いまま。
「結婚しようよ」
「嫌、だって本気じゃないもん」
「キミは、本当にバカだね」
このキャッチボールをずっと楽しみたかった。
「ぼく」はいつまでも16歳のつもりだったから、出会った女性は、どんどん遠い所へ行って、サヨナラされてしまう。
まなみちゃんは、別だと勝手に思っていたら、もっともっと遠い所にいた。
一緒にラブホに行っても、周回遅れの「ぼく」には間近にいるのに、遠い存在だった。
そして、まなみちゃんは結婚することになった。「ぼく」は、まなみちゃんを「ぼく」の世界である、16歳のあの頃に連れ戻そうとしたが「キミは、本当にバカだね」と別れの挨拶をされてしまった。
現在交際中の女性と、ヨリを戻そうとしたが、やはり、16歳の世界から離れることができず、桜の綺麗な季節へ、まなみちゃんを探しに行った。「ぼく」の16歳は、永遠に終わらない。
追記 監督の自伝的作品で、実在のまなみちゃんは、結婚していないらしいが、もし、そうなら、五代裕作が酒の力で叫んだように、この作品の力を借りて「まなみちゃん、好きじゃ~」といいたかったのであろうか。
わからないの中に
「『残る』映画になりそう」。観終わった直後に持った感覚がこれだった。
一件落着のカタルシスは無い。かと言って、「何この映画〜めっちゃモヤモヤする…!」というフラストレーションとも違うものだ。
10年間を描く映画なので、スクリーンには10年の時間の経過が映し出されていく。だが、当然映し出されなかったかれらの人生の時間というのが多々あって、思いはそこへいく。
あるいは、語られなかった、描写されなかった、各シーンでの登場人物個々の内面、感情の揺れや動きに、思いを凝らさずにはいられない。
描かれなかったものをつかみたくなって、自分の中で歩いている時や電車の中でなんかでふっと深掘りが発動されそうな。
それが、長い先まで繰り返されそうな。
「残る」の意味はそういうことだ。映画は終わったのに、自分の内面のスクリーンにこの映画のどこかのシーンが不意に投射されそうな、そんな予感がある。
わからないこと、というか、「ボク」や「観ている自分自身」や「一般論」など主語がうつろいながら、あれこれを考えてしまう。テツガクしてしまう…。
「誰かを本気で好きになるって、どういう状態だろう。自分には『ボクと違って』わかっている、だなんて言えるだろうか?」
「『誰かを本気で好きな心の状態』は、自分以外の他者にきちんと届くのだろうか」
「ボクは、好意が届かない(片想い状況)の時に一番『愛』を実感できる男なんだよなきっと(まなみ、瀬尾先輩、くろけいちゃん…)」
「付き合った女性との時間を10年分、そこにフォーカスを当てて抜き出し並べるのなら、誰だって(?)この映画みたいにだらしない感じになっちゃうのではないか?」
「出会い、セックスできた興奮だけではなく、別れの決定的な場面(しかも自分の本質にダメ出しされる時間)を逃げずに描いているよなぁ」
「態度で示すって、人それぞれ多様であって良いはずだけど、一般化(例えばトイレ掃除)されてしまうのはどうしてなのだろう」
「複数の人に同時に惹かれて、好きと思う心の状態は、そこまで特殊だろうか?」
「それでも『本気で好き』は、一般化された形で目に見えないと届かないものだろうか」
「ボクが『もし、まなみと高校時代に相思相愛で正式に付き合うことができていたら、どうなっていたのだろう』など考えることがあっただろうか(きっとあっただろうな)」
「まなみの内面の描写は無い(ここで『(500)日のサマーでサマー側の心情描写が一切無いのを思い出してしまう)。門限を伝える時の硬い表情、引っ越しを繰り返す、転職の背景、町君が結婚したと聞いた時の様子、ボクとラブホに同室したのに『でもきっと後悔する』と伝えるまでの心の動き、ボクに対して「キミはほんとうにバカだね。」と言う時にどんなことを思っているのか…想像するたびに、一様ではなく、いろいろに思える。
「瀬尾先輩とサトシ先輩の関係性も、他者には謎だし、高い確率で本人たちにもわからないことが多くあったのではないか。それを言えば町君がどうして熊野君やボクにああいう口調なのか、性格が違ってもつるんでいるのか、そういうことって他者にはわからないし本人たちもはっきりわかってはいない。
人の内面や、人と人との関係って振り返ってみるとどうにも「わからない」がベースになっているけど、渦中の時間の中ではそこを嘆いたり斜に構えたりはしない。
「10年経つけど、互いのことわからないんだね」
のようなことを、ベッドでまなみは言う。
わからないのは、誰のせいだったのか。ボク、まなみ自身、2人が置かれた状況…。
わからない。けれど、あの日、まだピカピカのローファーをコッソリ踏み合ったことや、キミの笑い顔は消えないから。
永遠だから。
テツガクしていると、脳内BGMとして大江千里「dear」が流れてくる。笑 いや、実は(私の中では)ものすごいシンクロ具合なのだ。この映画の世界と、dearの主人公の目線というのが。
「あれから僕はいろんな街で 君の知らない夢を 追い続けてきたけど」(大江千里「dear」から歌詞を引用)
「男はいつもわがままだよ 変わらないでほしいのさ 時は戻せないけど」(同上)
「飲みすぎた朝 街の隅で あの日の君を思うよ」(同上)
「別々にいつか歳をとり 大事なもの変わっても ときめきは忘れない」(同上)
「きっと儚い激しさは 今も同じだから」(同上)
「あんな切なく 恋をした 君は永遠だから」(同上)
説明しようとすると、こぼれてしまうもの、消え去ってしまうものを、ただそのままカメラに収めておきたいということ。
監督がしたかったことの一つだと思う。そしてそれは、ボクがしたかった、けれどできなかったことでもあるはずだ。
結婚式の花嫁姿ではなく、ボクが心のフレームで収めたのは、桜の木の下で、まなみが立っている映像。
それは、美しい幻だ。下手すると一生、ということは人の生の中で永遠に、残ってしまいかねないものだ。
かつて、高校入学直後に、ボクはそのまなみを見たのか。
あるいは、10年経った先の「今」、追憶の中で自分の内なるフレームにとらえた映像なのか。
桜の木の下から、まなみがふっと消えた。
そこから先の時間を、ボクはどんなふうに生きていくのだろう。
星野源の曲に「くだらないの中に」というのがある。
この映画は、「わからないの中に」、まなみを、あるいは「結婚したいと無条件に思える誰か」を探す、そのボクの感覚や思いが走りまくった10年を描いているのかもしれない。
「わからない」の中に入り込んで、想像を広げたり思いを巡らせたり。この映画はその端緒を切り開いてくれて、きっかけを提供してくれて、それはしばらくの間内面で続いていくことだろう。その時間の豊かさを思えば、チケット代なんて安いもんだ。笑
そんなこの映画は、舌癌で亡くなった瀬尾先輩へと捧げられている。もちろん、「好きな人には伝えておくべきだ、後で伝えられなくなるかもしれないから」という言葉に実際に後押しされたというのはあるだろう。同時に、「100%」ではないかもしれないけど、ボクは瀬尾先輩が「好き、愛してる」存在だったはず。
男という生き物の一筋縄でいかなさ(あるいは遺伝子に組み込まれたシンプルさ)を、図らずも表現しているように思った。
大槻美奈さんの素晴らしい才能が示された映画でもあると思う。
劇中の透明感あるピアノの音色。『森崎書店の日々』での野崎美波さんを思い起こした。ピアノで曲作りする大江千里さんにも通ずるものが…と強引に結びつけてみる笑
単館っぽいいい映画
可愛い子がたくさんで出来ますね。
主人公の男は、好き嫌いが別れそうなキャラ。
女性の敵かな、、、ある意味男の夢だけど
こんな人たち、街中で見かけたら騒がしいし嫌だろう、、、が、本人目線で10年前を振り返ったとしたら「バカだねー」と笑える、青春映画だと思います。
間が絶妙で、テンポが良いシーンと取りすぎと思えるほど間があるシーンが好き。
「君はバカだね〜」
「○○すると後悔すると思う」
このふたつに集約されると思います。
私にはとても切ないと思いました。
実話が元なのでね。
まなみにとって、彼は唯一無二、失いたくない存在だっとのだろうと想像します。
まなみ目線で、まなみの物語を観たいと思いました。
オラキヨが「トメ」とは、、、でもいい映画でした。
まなみという名前がただただ好きで、 ジャケ買いみたいな、タイトルだ...
まなみという名前がただただ好きで、
ジャケ買いみたいな、タイトルだけで見に行った
悪くなかった
3.5に近い3
本当はどれくらい好きだったの?
主人公の高校生からの10年間を描いている作品のようですが、まず感じたのは、ずいぶん身勝手な男だなと言う思い。それと主人公は本当にまなみちゃんが100%だったのでしょうか?100%ってあんなに軽い物なのでしょうか?僕には想いが感じられませんでした。ごめんなさい。
だって、本気じゃないでしょ
公開前舞台挨拶付き上映。
高校生のボクは入部した器械体操部でまなみちゃんという魅力的な女子に出会う。
その後、環境が変わり様々な人と出会いや別れを経験していくが、ボクにとってまなみちゃんはずっと大好きな特別な存在だった。
そんなまなみちゃんとボクの10年の物語。
クラウドファンディングをやっている頃からキャストと設定に惹かれて1年くらいずっと楽しみにしていた作品。
まなみちゃんのことが100%だった男(監督)のほぼ100%実話の話。
彼女への態度だったり、浮気体質なところだったり、かなりクズ男として描かれていて、監督はよく自分をモデルにここまで描いたなというのが第一印象なんだけど、何故か全く否定することもできない。
自分にも潜在的にこういった部分があると気付かされる。
彼女はいるけどまなみちゃんと結婚したい、この感情が分からなくもない。
「好き」という感情は本当に難しい。
“ボク”もきっと「好き」が分からないのだろう。
物凄くどうしようもないくらいずっとまなみちゃんのことが好き。
だけど、その挨拶くらい当たり前の愛をいざ言葉にしてしまうと軽くなってしまう、嘘っぽくなってしまう。
そして、その愛は本当に愛を伝えたい人に伝わらない。
彼女が結婚する。
どんなに想いがあってもそこまでに伝わらなければおしまい。
舞台挨拶で仰っていたが、実際にはまなみちゃんは結婚していないし、監督自身も断ち切れていない部分がありそうな感じだった。
だが、たとえずっと愛し続けている唯一無二の存在だろうと、「好き」の気持ちが分散している時点で踏ん切りを付けるべきなのかもしれない。
あの結婚式のシーンには監督なりの覚悟が見えた。
(この話をこれ以上すると今現在の自分に痛いほど刺さるのでこの辺で……)
恋愛のリアリティのみではない。
いわゆる青春のあの頃が鮮明に蘇った人も多いはず。
思春期の無敵感だったり、正義に走るイタさだったり、仲間とのバカ騒ぎだったり、そんな日常の片隅にいつもいて見つけられるとちょっと嬉しいあの子の存在だったり。
楽しい思い出も苦い経験も、今思えばみんな今の自分に繋がっていて、今の自分もまだ大人の階段を登り始めたばかりだけど、ノスタルジックでエモーショナルでちょっとセンチメンタルな気持ちにもなる。
思い出が走馬灯のように頭を巡る、合唱のシーン。
合唱曲の『虹』が本当にいい曲で、やはりその中でも輝きながら歌っているまなみちゃんとそれを眺めるボクを観たらもう自然と目が潤んでしまう。
もう2度と戻ってこない最高の時間だから、楽しかったことも悔しかったことも思い出しては胸を締め付けてやまない。
それぞれ浮かぶ景色は違えど、この映画を観て郷愁を感じた人は自分なりの“あの頃”に思いを馳せるはずだ。
この映画は瀬尾先輩の一件があって監督が制作を決めたらしい(舞台挨拶より)。
伝えたいことは伝えられるうちに伝える。
なんだってそうだ。
瀬尾先輩が教えてくれた大切なこと。
魅力的な登場人物と魅力的なシーンの連続。
この感動を味わいに公開されたらもう一度観に行こう。
(2人の靴踏みシーン控えめに言って最高です)
共感!?はできないが自身を重ねてしまう大傑作
初恋の人を10年間追いかける話と聞き、見る前までは苦手な恋愛映画と思っていたが、
その10年間の紆余曲折にリアリティがあり、とても見応えがありました。
主人公の言動や行動に重みがなく、嫌悪感を抱く人も少なくはないと思いますが、笑
目の前のことに真摯に生きていたら、結ばれていたのだろうか。。
同じような後悔を繰り返すのが恋愛であり、さらには人間であることに改めて気付かされました。面白かったです。
全シーン青木柚くんが出ていて、柚くんファンの私にとっては『柚くん1...
全シーン青木柚くんが出ていて、柚くんファンの私にとっては『柚くん100%』でした💕
荒削りな中にも血気迫るものが宿った傑作
2回目の鑑賞。
名映画監督の歴史上の偉人の人生の軌跡を辿る。みたいな映画は往々にしてあるが、弱冠20代の青年監督が自分の人生を追憶する。というのは趣きがある。
主演の青木柚、中村守里の演技はもちろんのこと、アンサンブルキャストの演技も素晴らしかった。
まるで自分がボクと同じ10年を辿ったかのようなノスタルジーを感じた。
総じて、荒削りな部分を含めて監督の正に「今しか作れない」作品であることが感じられ、何か血気迫るものが宿る傑作だった。
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