「伝わらなかった本気。」まなみ100% SAKURAIさんの映画レビュー(感想・評価)
伝わらなかった本気。
学校の部活が一緒で出会ったまなみという女性、その女性を10年想い続けたボクの話。
自己中、ずれてる、調子がいい、軽いノリのボク、まなみを好きなのにも関わらず、何か軽いノリで他の女性を誘っちゃう…そんな性格ってのもありボクの気持ちはまなみに伝わらない…会え度に「結婚してよ!」と言うボクだけどマナミには「だって本気じゃないでしょ」と軽く交わされてしまう毎回のやりとり、そんな10年のボクとまなみのストーリー。
正直、序盤、中盤辺りまで何観せられてるんだろ何て思ってたんだけどボクの性格がこんな奴なんだって分かってからは少し楽しめた。
ラストのまなみの結婚式は何かグッとくるものはあった…けど、その前の控え室のまなみの一言「君はホントに馬鹿なんだね」で、まなみからボクへのハグ、その心情は?
君を好きだったけど選ばなかった?!
選んでも幸せになれないから選ばなかった。
まなみの心情はこんな感じだったのかな?
失礼します
共感ポイントありがとうございます
今作は2010年からの10年間の『ぼく』の私小説のような、人物歴を淡々と描いていますね
考えてみたら2011年東日本大震災は全く描いていません ロケ地であり、監督の縁の小田原でも震度5強だったにも拘らずです 勿論、フィクションなのでその辺りを省いたのは窺い知れますが、どの作品でも多少なり触れる出来事を敢えて外す作品プロットも思い切ったストーリーテリングでしたね 要は外的環境に振り回さず、あくまで『ぼく』という人物を定点観測して、主人公主観に徹頭徹尾ぶれないよう強固な描き方をしたのでしょうね だから共感できない観客は今作の意図が不明であり、ハッピーエンドでもないシナリオに興味を阻害されるのだと感じました
只、今作、同じ構図のシーンが年を重ねても何回も何回もしつこく映されます 主人公とヒロインが二人で歩く構図はすぐ分りますが、その他にも同じようなシチューションが同じような人物配置で描かれるのです
そして、何回も出てくるフレーズ『意味』 多分、今作のテーマなんだろうと思いました
『意味』がないから受験科目以外は勉強しない 『意味』がないから映画が好き バイトも授業も『意味』がある・・・
主人公は自分にとって意味があるもの以外は全て切り捨てる 独善であり自分勝手
それがこの顛末を招き、しかし相変わらず成長せず髪の毛を切って許しを乞う でも、それがもう通用しない事、大事なモノを失う事に繋がることを遅まきながら気付いた、否、もう蓋をすることが限界なんだと覚悟したシーンが、ラスト前の今の恋人との就寝シーンでの、春夏秋冬のレジャーの計画だったのでしょうね 他人の『意味』を慮る事で、自分の幸せを掴む 同じシチューションが描かれるのはそれは主人公だけの『意味』あることだけ そのシチュエーションの中で、ヒロインやその他女性が、本当は思い悩んでいること、助けて欲しいこと(きちんと表情に出ている)を丁寧に解きほぐす優しさを持ち併せていなかった後悔を、監督は自らの悔恨に乗せて描いたのかなと受け止めましたが、間違っているでしょうか?
乱文、長文、大変失礼しました 本日、2回目の観賞だったもので、失礼ながら誰かに聞いて貰いたかった、私は『ぼく』以上に自分勝手ですね、申し訳ございません