「マイケル・ベイ」アンビュランス Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
マイケル・ベイ
オリジナル版未見だが、おおよそ手当り次第何でもかんでも破壊する様な映画ではないだろう。
ハリウッドの破壊王ことマイケル・ベイ監督は、過去作全てでやりすぎアクションを描いた。本作でも今までの破壊数ではまだ足りないと言わんばかりにやたらと美化された警察車両をぶち壊す。
クルマ好きでも知られるマイケル・ベイだが、「トランスフォーマー」を観ればそれがより分かる。前作の「6アンダーグラウンド」でもライトグリーンのアルファロメオ ジュリア等が登場したが、本作には警察車両の中に、日本が誇るスーパーカー、ニッサン GT-R NISMOの姿が。壊しやしないかヒヤヒヤしていたが、それは無く安心した。公道での追跡車両なのにバチバチのNISMOを用いるあたりは流石である。
ストーリーは監督が監督なので大きな期待はしていなかったが、感情に訴えかけるシーンが多く、人物像を丁寧に描いていたのが無礼ながら意外だった。そんな本作で注目すべき点は「兄弟」の絆である。血の繋がりは無い二人が、幼少期から多くの苦難を乗り越えて互いに成長し、今の今まで繋がっているという背景から描かれる二人の物語には、グッと来るものがある。この二人は性格も対照的なのだが、それも明確に分かるほど演者の演技が凄いのも特徴だ。車中でのハイテンションのやり取りはマイケル・ベイの好み(?)なのだろうが、そのシーンでも二人の性格の違いがはっきりと分かる。やはり映画には実力派の俳優が必要だと改めて感じた。
破壊シーンについてはもう述べたが、それ以外のシーン全てにおいて、マイケル・ベイ節全開の為、ファンはもはや安心するレベルでは無いだろうか。階段を上がるシーン一つにおいても光の加減やカメラワーク等にスタイリッシュさを感じる。また、本作ではドローンによる撮影もされており、今にも増してスピード感や臨場感が倍増している。ドローンならではのカメラワークは楽しめるだろう。どんなシーンでも全力精神なのは相変わらずだ。これらは彼にどんな作品を撮らせてもそうなるに違いない。いつの日か日本のラブコメでも撮って欲しい。後ろから抱きつかれただけで車が派手に火花を散らして何十回転もしてクラッシュするのだろうか笑。とにかく本作は全編に渡って「らしさ」全開ですぐにトップギアに入る起爆剤付きだ。これはやはり劇場鑑賞がやはりベストだろう。